「なぜ自分が」被災者の心の傷に、我々ができる事 - au Webポータル

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08.31
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能登半島地震の発生から3週間。被災者の心のケアについて専門家を取材しました(写真:Pahis/PIXTA)

能登半島地震の発生から22日で3週間経った。被災地では長引く避難生活で健康状態が悪くなり、命を落とす災害関連死が増え始めている。住民を2次避難させる動きも加速している。

重視される災害時の「心のケア」

そんな先行きの見えないなかで重視されているのが、災害時の「心のケア」だ。今後、被災者にはどのような心の不調が懸念され、どのようなケアが必要なのか。我々は被災者とどう向き合えばいいのか。

1月6日から5日間にわたり、石川県に派遣されたDPAT(災害派遣精神医療チーム)に参加した災害精神医学が専門の高橋晶准教授(筑波大学災害・地域精神医学講座)に聞いた。

同講座は震災発生後の1月4日、被災者や震災の情報に接する多くの一般の人たちに対して、「令和6年能登半島地震、ならびに羽田航空機事故に関するこころのケアについて」をホームページで公開した。「安全な場所に避難した後は深呼吸をしたり音楽を聴くなどして気持ちをリラックスさせる」ことなどを勧めている。

筑波大学災害・地域精神医学講座が公開した文書。心を健やかに保つために留意する点を記している(画像:同講座ホームページより)

被災者だけでなく、消防士や救急隊員、警察官、被災した自治体で働く行政職員や病院のスタッフといった救援者・支援者へ向けて注意喚起を行っているのも特徴で、「業務にあたってはこまめに休息をとり、無理をしないでください」と呼びかけた。

高橋さんは「災害時の心のケアの対象となるのは、被災者だけでなく支援者も。災害時の心理状態の変化はある程度パターン化されているものもあるので、参考にしてもらえるよう早めに発表した」と話す。

今は混乱が徐々に収束する「急性期」

つらいことがあった際に生じる心の状況は、時間とともに変化する。

時間の経過はさまざまな考え方があるが、精神面に関して高橋さんらは、以下のように呼び、その時期にあった対応が必要としている。

■被災直後~数日 救命救急や安全の確保が優先される「超急性期」
■1週間~1カ月 発生直後の混乱が徐々に収束に向かう「急性期」
■1~3カ月 徐々に復旧が進む「中期」
■3カ月以降 平常の生活に戻っていく一方で、さまざまな格差が現れる「長期」

3週間が過ぎた現在は「急性期」にあたるが、高橋さんは「奥能登地方へのアクセスは当初は電柱が道路に倒れ、地震でできた道の亀裂や段差により、通常は1時間程度で行ける場所に10時間かかった。これまでの被災地と比べ、能登はこうしたアクセスの困難さもあり、支援が十分に入れていない。余震が続いていることも大きく、急性期が長引いているといえる」と話す。

災害直後に起こる心の状態とPTSD

災害直後、被災者は誰もがショックを受け、茫然自失の状態になる。

それと同時に、大切な人との死別や住宅などの倒壊がもたらす強い悲しみと喪失感、命の危険にさらされた恐怖感、なぜ自分がこのような目に遭うのかという怒り、罪悪感、現実を認めたくない否認など、さまざまな感情が起き、気分の落ち込み、不安、不眠、無気力、興奮状態などが現れる。

しかし、これは「災害という異常事態において起こる強いストレスによって、誰にでも起こる反応です」と高橋さんは言う。

ASD(急性ストレス障害)やうつ病を起こすこともある。

ASDの症状は、災害直後の悲惨な光景を繰り返し思い出したり、逆に感情がマヒして災害に関する情報を避けたり、気が高ぶって些細な刺激に過敏に反応したりするもの。

そうした症状が1カ月以上強く続くと、疑われるのがPTSD(心的外傷後ストレス障害)だ。

だが、「実際にPTSDと診断される率は高くない」と高橋さん。それは、「ほとんどの場合、水や食料の確保、大切な人と連絡が取れるなど基本的なニーズが満たされ、心理的、社会的に適切な支援が受けられれば、災害直後のストレスによる不安、抑うつ、不眠などの症状は時間とともに徐々に低減していく」からだ。

その一方で、PTSDになりやすいハイリスクの人も少なからずいる。

それは、過去の災害で同様の経験をした人や、ショッキングな光景を見た人、津波で流されるなど命の危険を体験した人などだという。こういう人は早いタイミングで精神科医や心理士など、専門家によるサポートを受けたほうがいいとされている。

なかでも自殺念慮(死にたいという気持ちが出てきた状態)や自傷他害(実際に自分や他人を傷つけるという行為をする状態)が見られるような場合は、早急に専門機関に相談すべきと高橋さんは話す。抑うつ、興味・関心の低下、睡眠障害、食欲不振、倦怠感といったうつ症状が出た場合も同様だ。

でも、心の不調は外からは見えにくい。特に、「大丈夫ですか?」と聞かれれば、「大丈夫です」と答える人は多い。

このため、「普段怒らない人が怒りっぽくなったり、飲酒の量が増えたり、普段遅刻しない人が遅刻したり、学校の成績が下がったりしていないか、周りの人が注意深く行動を見守ることが大切です」(高橋さん)。

石川県庁のDPAT調整本部で、活動方針について検討、指示を出している高橋さん。撮影日は2024年1月7日(写真:筑波大学提供)

支援者・救援者の心のケアも必要

支援者・救援者の心のケアも欠かせない。

被災した自治体で働く行政職員、保健師や、被災した病院のスタッフは、支援者であると同時に被災者でもあるが、立場の二重性ゆえに、被災者から心ない言葉をかけられたり、怒りをぶつけられたりするなど、より大きな精神的ストレスを受けることがある。

市民のために昼夜問わず活動せざるをえない人もいる。

「被災者の支援が第一優先なのは間違いありませんが、支援者がいなくなれば被災者を助けることはできません。支援者が心に不調をきたすことのないよう、事前の予防的教育や、上長や組織が個人を守るシステム作りが求められます」と高橋さんは言う。

ライフラインの復旧はなかなか進まず、被災者は厳しい避難生活を余儀なくされている。

石川県は長引く避難生活の環境を改善するため、病気の人や高齢者、妊婦などを中心に、被災地の避難所である「1次避難所」から、被災地以外にある宿泊施設などへの「2次避難」を呼びかけている。

高橋さんは「安全で暖かい場所とご飯と水といったものが少しでも早く手に入れば、体の傷も心の傷も低減するので、できれば2次避難所へ移ってもらったほうがいい」と考える。「心のケアはライフラインや安全な環境が充足される状態になってからスタートするもの。やはり体が資本です」。

今後、被災地は復旧が進む地域、進まない地域が分かれ、平常を取り戻す人、取り残される人と二極化が広がることが予想される。

被災者にはどう向き合えばいいか

私たちは遠方へ避難してきた人など、被災者と向き合うこともあるかもしれない。今つらい思いをしている人たちに、どのように接すればいいのだろうか。

高橋さんは「『頑張れ』と被災者を励ます人がいますが、被災者はすでに頑張っているので、声をかけるときは想像力を働かせることが大事」と助言する。

「自分がその立場だったら、どういうふうに声をかけられたらいいか、どういうふうに言われたら傷つくか、考えたうえで声をかけるよう心がけてください。自分は良かれと思っても、自分の考えを押しつけるのではなく、被災者の声に耳を傾けて」と話す。

これからは命の危険を感じるフェーズから、今後の生活をどうするかという現実的な不安を抱くフェーズに移る。

「被災者の不安な心を回復させるために大切なことは、生活の再建を支援すること。将来への不安を抱えた被災者が孤立し、絶望してしまうことのないよう、不安に寄り添った長期的な支援を体と心のケアと同時に行っていくことが必要なんだろうと思います」(高橋さん)

被災地支援のため筑波大学附属病院(茨城県つくば市)から石川県へ出発するDPATの車。撮影日は2024年1月6日(写真:筑波大学提供)

(井上 志津 : ライター)

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政府・与党 被災者の減税措置 1年前倒しで適用など検討 - nhk.or.jp

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06.31
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能登半島地震では家屋の倒壊などの被害が甚大なことから、政府・与党は被災者を税制面で支援する方針です。

具体的には、災害で自宅や家財に被害が出た際に損失額に応じて所得税や住民税を減税する「雑損控除」という措置について、今回の地震の被災者に対しては1年、前倒しして適用することを検討します。

地震は今月1日に発生したため、本来は、ことしの所得をもとに減税されることになりますが、来月から確定申告が始まる去年の分の所得に適用できるようにします。

源泉徴収の給与所得者も申告すれば、去年の納税分から還付を受けられるようにします。

また、被害について雑損控除の適用を申告せず「災害減免法」などにもとづいて、減税や免税を受ける場合も、同様に去年の所得に適用することで調整しています。

政府・与党は、来月の確定申告に間に合うよう今週召集される通常国会に必要な法案を提出し、早期の成立を図りたいとしています。

政府は、これまでに石川県と富山県のすべての市町村を対象に国に納める税金の申告や納付などの期限を自動的に延長する措置も実施しています。

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災害ボランティア、被災者ニーズどう聞き取る? 明石社協の登録者ら訓練、情報収集や寄り添い方を学ぶ - 神戸新聞NEXT

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04.32
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被災者役(手前)から生活環境などを聞き取る参加者たち=明石市貴崎1

 災害時のボランティア活動を円滑にしようと、明石市社会福祉協議会が19日、災害ボランティアセンターの開設訓練を市立総合福祉センター(同市貴崎1)で実施した。災害ボランティアに登録する市民など計26人が参加し、被災者ニーズの聞き取りに挑戦した。(松本寿美子)

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被災障害者 受け入れへ 金沢の介護事業「ハートの家」:北陸中日新聞Web - 中日新聞

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07.31
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被災した障害者らを受け入れる部屋を紹介する藪下佳代さん=金沢市久安で

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能登支援へ団体設立 物資配布も

 能登半島地震で被災した障害者らを支援しようと、金沢市久安のグループホーム「ハートの家」が、ボランティア団体「のとささえーる」を立ち上げた。避難所に身を寄せるのが難しい障害者とその家族を、施設で受け入れる方針。宮城県石巻市の災害ボランティア団体が現地入りする際の拠点にもなっている。 (奥田哲平)

 ハートの家管理者の藪下佳代さん(50)は1日の地震後、つながりのある障害者施設と連絡を取り、何とか無事を確認した。ただ、障害者の中には「環境の変化に敏感で避難所に入れない人もいる」と懸念し、ハートの家で空くワンルームの3部屋を用意した。

 交流サイト(SNS)で発信したところ、徐々に問い合わせが増えている。金沢市内で1人暮らしをしていた障害者が地震に不安を覚え、入所を希望する相談もあった。「家族を含めていったん避難し、次にどういう福祉サービスが必要なのか提案しながら支援したい」という。能登を支え、エールを送る意味で名付けた「のとささえーる」として寄付金を募り、避難者の身の回り品などをそろえる予定。被災地に残る障害者施設向けに、必要な物資を届ける活動も始める。

 2011年の東日本大震災を機に設立された一般社団法人「ビッグアップ石巻」とも連携。施設が借りるアパートの1部屋を提供し、被災地で活動するメンバーが拠点として利用している。団体は3日夜に珠洲市内に入り、市社会福祉協議会の運営支援や避難所での物資配布を続けている。メンバーで石巻市議の原田豊さん(43)は「支援者も体力的に、精神的にクールダウンできる時間と場所が必要。とてもありがたい」と話す。

 ハートの家は訪問ヘルパー事業を母体としており、藪下さんは「今後は、能登半島から高齢の親を呼び寄せた金沢市内などで、在宅ヘルパーが必要になるはず。長期的に草の根で支援を続けたい」と話し、有償ボランティアとして派遣する取り組みも見据える。障害者らの施設入居の相談は、利用する相談支援専門員に連絡してほしいという。

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能登半島地震 被災者支援物資を12カ所で受け入れ 札幌の市民団体:北海道新聞デジタル - 北海道新聞

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03.31
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 能登半島地震の被災者支援に取り組む札幌の市民団体「森の時間SNOW HOKKAIDO」は市民からの物資受け入れ拠点を市内12カ所に開設する。各所で開設日時は異なる。最長28日まで受け入れ後、10トントラックで石川県へ運ぶ。日時などは同団体のホームページで確認を。問い合わせは同団体のメール(zorrori1@gmail.com)へ。

 市内の拠点は次の通り。...

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有馬高生らが三田駅前で募金、能登の被災者支援呼び掛け 7校がリレー形式で21日まで - 神戸新聞NEXT

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05.31
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募金活動を行った高松里菜さん(左)ら有馬高校の防災ジュニアリーダーの生徒=三田市天神2

 能登半島地震の被災者の力になりたいと、有馬高校(三田市天神2)の生徒たちが14日、三田駅前で義援金を募った。その活動が市内の他の高校と特別支援学校の7校にも広がり、19日から3日間、リレー形式でつなぐ。

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「野菜食べたい」被災者切実 偏る栄養、「ジュースも有効」―志賀町・能登地震 - 時事通信ニュース

「野菜食べたい」被災者切実 偏る栄養、「ジュースも有効」―志賀町・能登地震 - 時事通信ニュース

03.31
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2024年01月18日13時31分

避難所に置かれた支援物資の食料。ご飯やパン、カップ麺などの炭水化物がほとんど=15日午後、石川県志賀町

避難所に置かれた支援物資の食料。ご飯やパン、カップ麺などの炭水化物がほとんど=15日午後、石川県志賀町

 能登半島地震で最大震度7を記録した石川県志賀町では、今も断水が続き、避難生活に終わりが見えない。避難所に届く食材は主食中心で、栄養面に偏りがある。被災者からは「野菜を食べたい」「体が弱るのが心配」と切実な声が上がる。

進まぬ水道管耐震化 目標6割、9県が3割満たず―石川36%、21年度末・能登地震

 避難所となっている志賀町地域交流センター。支援物資置き場を見ると、パンやおにぎり、カップ麺などの炭水化物が目立つ。3日から身を寄せている男性(66)は「糖尿病なので、野菜を食べたい。物資を運んで来てくれた人に尋ねても、『野菜の入った食べものはない』といつも言われる」と残念そうに話す。
 ぜんそくの持病がある避難者の橋本恵美子さん(51)は、連日おにぎりやカップ麺で食事を済ませている。消化がうまくできず食欲もなくなってきたといい、「ぜんそくが悪化したり、感染症になったりしそうで心配。温かいご飯や野菜が恋しい」と語った。
 野菜など新鮮な食材が被災者に届きにくいのは、避難所によって冷蔵庫や調理器具の有無が異なることも背景にある。志賀町の避難所を巡回して食事内容を調査した管理栄養士の橋本智恵子さんは「主食、主菜、副菜がそろう食事が必要。バランスが取れていないと、健康やお通じの問題が出てくる」と危惧する。
 東日本大震災では、宮城県内の避難所の約8割で食事が炭水化物に偏り、たんぱく質やビタミン類の摂取が大幅に不足したとの調査結果がある。糖尿病が悪化したり、塩分調整ができず高血圧になったりするケースがあり、橋本さんは「野菜ジュースなどを1日1本でも飲んで」とアドバイスしている。

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