●住み慣れた故郷に愛着
北國新聞社は、能登半島地震発生から2カ月を迎えるのに合わせ、被災者にアンケートを行った。365人が回答し、「今後住みたい場所はどこか」との質問に242人が「自宅または自宅があった場所」、69人が「自宅ではないが震災前と同じ市町」を選び、合わせて85・2%が同じ市町へ戻りたいと答えた。最も多かった理由が「住み慣れているから」となり、避難先の慣れない生活が、故郷への愛着を深めている様子が浮かび上がった。
アンケートは20~29日に石川、富山の1次、2次避難所で行い、10~90代が答えた。
今後住みたい場所は31人が「石川県内」、3人が「能登の市町」とし、2人が「県外」を選んだ。
自宅や同じ市町に戻りたいと答えた311人に理由を尋ねると「住み慣れている」が207人を占め、「仕事があるから」(60人)「ふるさと以外で暮らすのは不安」(30人)が続いた。
年代別では、60代以上の多くが、住み慣れているとして自宅や同じ市町を望んだ。珠洲市の60代男性は「先祖代々の土地と家を守るのが役割だと思っている」とし、輪島市の60代男性は地元の「海の音」を理由に挙げた。30~60代は「仕事があるから」を選んだ割合が高かった。
震災前に住んでいた自治体から離れたいと回答したのは計36人で、理由は「余震が怖い」が最も多い17人で、「早期の生活再建のため」が8人、「新たな仕事を得るため」が7人、「介護のため」が3人だった。
白山市に身を寄せる珠洲市の80代女性は「避難所のある地域に住み慣れてきた」と能登以外の県内を選択肢とし、「水道や道路などの復旧が遅れているから」(同市・70代男性)との意見もあった。
残りのアンケート結果は2日付で掲載する。
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