能登半島地震の被災者を支援しようと、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA、本部・東京都)のメンバー約30人が、富山県氷見市を拠点に支援活動を展開している。宿泊場所は、液状化の影響で一部損壊となった指崎泰利さん(67)の自宅と元食堂。学生らは飲料水も出ない時期から同市入りし、被災者のために汗を流している。
1993年設立のIVUSAには、全国約80大学2500人の学生が所属。専門的な研修を経て、国際協力や環境保護、災害救援など幅広い活動を展開している。能登半島地震発生後は、本格的な水道復旧前の1月10日ごろから氷見市入り。現在は毎週末に学生約30人が訪れ、同市のほか、石川県珠洲市で活動している。
今回活動拠点として自宅と8年前に廃業した母親の食堂を開放した指崎さんは、東日本大震災以降、支援コンサートなどを通じて宮城県山元町と交流を続けてきた。その中で、同町の震災ボランティア活動拠点「おてら災害ボランティアセンター」(テラセン)のメンバーから、IVUSAの活動拠点として場所を貸してくれるよう依頼があり、自宅などを提供することを快諾した。
学生たちは、日中はブロック塀や土砂の排除、炊き出し、危険判定を受けた家屋からの家財道具の運び出しなどを担い、夜は指崎さん宅で自炊し雑魚寝している。IVUSAの現地での活動を指揮する、本部事務局の箭野(やの)純貴さん(29)は「熊本地震の時は体育館でテント生活だったし、公園でテントを張ることもあるので、今回のような恵まれた環境は本当にありがたい」と喜ぶ。
活動期間は未定だが、指崎さんは「氷見市でも液状化の激しかった地区はゴーストタウンのようになっているが、学生が来てくれるだけでも、何とかしなければという気持ちになる。今後も活動に協力していきたい」と話している。【青山郁子】