被災地の高校で卒業式 「東京へ」「地元で」それぞれの旅立ち - 毎日新聞

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03.31
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卒業式で答辞を述べる石川県立門前高校3年の中角春香さん。涙で何度も詰まりながら「もしかなうのであれば、もう一度みんなと一緒に楽しく授業を受けたかった」と語った=石川県輪島市で2024年3月1日午前10時51分、大西岳彦撮影 拡大
卒業式で答辞を述べる石川県立門前高校3年の中角春香さん。涙で何度も詰まりながら「もしかなうのであれば、もう一度みんなと一緒に楽しく授業を受けたかった」と語った=石川県輪島市で2024年3月1日午前10時51分、大西岳彦撮影

 能登半島地震に見舞われた石川県立高校の多くで1日、卒業式があった。高校生活の最後の2カ月を避難に費やした生徒もいる。県外へ進学する人、地元に残る人。それぞれの夢を追って若者たちが旅立った。

 「個人的な話ができるのは、お前しかいないんだよ」。卒業式を3日後に控えた2月27日、同県珠洲(すず)市の県立飯田高校3年、川端健太郎さん(18)はつぶやいた。部活のウエートリフティングで培った体重150キロの堂々たる体格。同じ部活で汗を流した船章登(しょうと)さん(18)は「東京で活躍してほしいけれど、まずは友達をつくれよ」と励ました。こちらは体重55キロの引き締まった体形だ。

 同学年の部員は2人だけ。練習後はお笑い芸人の話題で盛り上がるなど、いつも一緒だった。だが、今年になって顔を合わせたのはこの日が初めて。元日の夕方、それぞれの自宅にいたところを激震に襲われ、別々の避難所に向かった。スマートフォンで互いの安否を確認しようとしたが、つながらない。「家の下敷きになっていないだろうか」と案じ続けた。

3年間過ごした飯田高の廊下を腕を組んで歩く川端健太郎さん(左)と船章登さん=石川県珠洲市で2024年2月27日午後1時31分、吉田航太撮影 拡大
3年間過ごした飯田高の廊下を腕を組んで歩く川端健太郎さん(左)と船章登さん=石川県珠洲市で2024年2月27日午後1時31分、吉田航太撮影

 避難所は寒かった。川端さんは、上着を何枚も重ね着して凍えながら眠った。倒れかかった住宅に入って中にいた人を助けようとした時に余震に遭い、死を意識したこともあったという。船さんは上着を着る余裕もなく「怖くて震えているのか、寒くて震えているのか分からなかった」と振り返る。互いに電話がつながったのは地震から5日目。「元気にしてるよ」「よかった」。ほっとして、いつものように冗談を言い合った。川端さんは富山市のホテルに2次避難する一方、船さんは自宅に戻った。

 川端さんは、重量挙げの強豪・法政大に進学する。2023年国体の少年男子102キロ超級で総合優勝しており、避難中も体幹トレーニングなどに励んだ。「活躍することで地域を元気づけたい」と決意する。

 一方、船さんは地元の郵便局に就職する。地元で毎年9月にある祭りに登場する巨大な奉燈(ほうとう)「キリコ」の担ぎ手を続けるためだ。みなぎる活気の中で、日々の忙しさを忘れて地域が一体となる。その一員であり続けたかった。町中の電線が垂れ下がったままではキリコが通れないのではないか、といった心配は尽きないが、「祭りを続けるためにできることはやる」と意気込む。

 川端さんは、急な体調不良で卒業式を欠席した。欠席を知らせてきた川端さんに、船さんは「ドンマイ」と返した。式後、船さんは「一緒に出席したかったな」と少し寂しげだった。

「希望持ち、一歩一歩前へ」

 同県輪島市の県立門前高校では、全3年生12人がそろって卒業証書を受け取った。それぞれが読み上げた答辞で、中角(なかかど)春香さん(17)は言葉を詰まらせながら、地震で失った日常に思いをはせた。

 3学期は一度も全員そろっての授業がなかった。中角さんは近くの避難所から通学したが、同級生の大半はオンラインでの出席。答辞で「もしかなうならもう一度、みんなで授業を受けたかった。震災前のあの日に戻りたいのが今の正直な気持ちです」と吐露した。

 保育士資格を取るため、親元を離れて県内の短大に進む。地元に戻って働きたかったが、変わり果てた町並みに気持ちが沈むこともある。「町は復興するのか」という気にもなり、働き口が多い金沢市で就職すべきかと悩んでいる。

 それでも、海や山が近く自然豊かな地元が好きだ。最後に、参列した後輩や地域の人々に力強く語りかけた。「みんなの人生はこれからも続いていく。希望を持って助け合いながら、一歩一歩前へ進んでいきましょう」【木谷郁佳、川原聖史、野田樹】

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85・2%「今後も同じ市町で」 被災者の住みたい場所 北國新聞社アンケート(上) 〈1.1大震災〉|社会|石川の ... - 北國新聞デジタル

85・2%「今後も同じ市町で」 被災者の住みたい場所 北國新聞社アンケート(上) 〈1.1大震災〉|社会|石川の ... - 北國新聞デジタル

01.31
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  ●住み慣れた故郷に愛着

 北國新聞社は、能登半島地震発生から2カ月を迎えるのに合わせ、被災者にアンケートを行った。365人が回答し、「今後住みたい場所はどこか」との質問に242人が「自宅または自宅があった場所」、69人が「自宅ではないが震災前と同じ市町」を選び、合わせて85・2%が同じ市町へ戻りたいと答えた。最も多かった理由が「住み慣れているから」となり、避難先の慣れない生活が、故郷への愛着を深めている様子が浮かび上がった。

 アンケートは20~29日に石川、富山の1次、2次避難所で行い、10~90代が答えた。

 今後住みたい場所は31人が「石川県内」、3人が「能登の市町」とし、2人が「県外」を選んだ。

 自宅や同じ市町に戻りたいと答えた311人に理由を尋ねると「住み慣れている」が207人を占め、「仕事があるから」(60人)「ふるさと以外で暮らすのは不安」(30人)が続いた。

 年代別では、60代以上の多くが、住み慣れているとして自宅や同じ市町を望んだ。珠洲市の60代男性は「先祖代々の土地と家を守るのが役割だと思っている」とし、輪島市の60代男性は地元の「海の音」を理由に挙げた。30~60代は「仕事があるから」を選んだ割合が高かった。

 震災前に住んでいた自治体から離れたいと回答したのは計36人で、理由は「余震が怖い」が最も多い17人で、「早期の生活再建のため」が8人、「新たな仕事を得るため」が7人、「介護のため」が3人だった。

 白山市に身を寄せる珠洲市の80代女性は「避難所のある地域に住み慣れてきた」と能登以外の県内を選択肢とし、「水道や道路などの復旧が遅れているから」(同市・70代男性)との意見もあった。

 残りのアンケート結果は2日付で掲載する。

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求職中の被災者、地元志向強く 855人の4割希望 能登半島地震 - au Webポータル

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01.31
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被災者が相談や求職に訪れるハローワーク=石川県輪島市で2024年2月29日午後0時36分、大野航太郎撮影

被災者が相談や求職に訪れるハローワーク=石川県輪島市で2024年2月29日午後0時36分、大野航太郎撮影

 厚生労働省は1日、能登半島地震を受けた石川県内の雇用情勢を発表した。求職中の被災者855人のうち4割が、被害の大きかった能登北部での就職を希望。地震から2カ月たっても断水が続き、事業所の復旧がままならない中でも、地元に残って働こうとする被災者の姿が浮かんだ。

 雇用情勢は2月22日時点。ハローワークで職探しする被災者は855人おり、希望の勤務地は、能登北部(輪島市など)が41・1%、能登中部(七尾市など)が17・8%、石川中央(金沢市など)が28・4%だった。県外は2・1%にとどまった。

 被災者を積極的に雇い入れようとする事業所がハローワークに登録した求人は1026件。しかし、勤務先の75・3%が石川中央に集中し、被災者の希望とはミスマッチが起きていた。石川中央では経済活動が再開して求人や求職の件数が被災前に戻りつつある一方、断水が続く能登北部や中部では事業所の復旧が遅れ、求人も減っている。

 厚労省は「被災地ではフルタイムの求人が少なく、当面は短期の求人も含めて対応するしかない。本格復旧するまでのつなぎとして、関連企業などへの出向を活用し、落ちついたら被災地に戻る動きも出ている」と分析している。【奥山はるな】

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能登半島地震2カ月 札幌と熊本、支援物資リレー 市民団体が被災地へ送付:北海道新聞デジタル - 北海道新聞

能登半島地震2カ月 札幌と熊本、支援物資リレー 市民団体が被災地へ送付:北海道新聞デジタル - 北海道新聞

02.31
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 発生2カ月となった能登半島地震で、札幌の市民団体が道内で調達した支援物資を石川県内で被災者支援に当たる熊本県の一般社団法人に送り続けている。受け取った熊本の法人が被災者に配布する形で、被災地側の要請を待たずに送る「プッシュ型支援」。寸断された道路の復旧が遅れ、ボランティアの被災地入りが難しいための工夫で、現地での支援を熊本の法人に託した。...

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御前崎市民から物資 NPO、能登被災者支援へ|あなたの静岡新聞 - あなたの静岡新聞

御前崎市民から物資 NPO、能登被災者支援へ|あなたの静岡新聞 - あなたの静岡新聞

07.31
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 御前崎市のNPO法人御前崎災害支援ネットワーク(落合美恵子代表)はこのほど、能登半島地震の被災者の生活再建に向け、市民から支援物資を集める活動を同市の高松地区センターで行った。回収した物資は仮設住宅が完成する4月ごろ、被災地へ届ける予定。

市民から寄せられた物資を確認するメンバー=御前崎市の高松地区センター
市民から寄せられた物資を確認するメンバー=御前崎市の高松地区センター

 活動に賛同した市民ら約200人が食器や衣類、文房具など4トントラック1台分を寄せた。運営スタッフとして地元の高校生も参加し、NPOメンバーらと一緒に物資に破損がないか一つずつ検品し、丁寧に箱詰め作業を進めた。
 落合代表は「集まった物資とともにみんなの思いを被災地に届けたい」と話した。

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「ありがたい」 学生ボランティア団体、被災者宅拠点に能登支援 - au Webポータル

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03.31
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ボランティアの学生とともに夕食を食べる指崎泰利さん(中央)=富山県氷見市内で2024年2月23日、青山郁子撮影

ボランティアの学生とともに夕食を食べる指崎泰利さん(中央)=富山県氷見市内で2024年2月23日、青山郁子撮影

 能登半島地震の被災者を支援しようと、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA、本部・東京都)のメンバー約30人が、富山県氷見市を拠点に支援活動を展開している。宿泊場所は、液状化の影響で一部損壊となった指崎泰利さん(67)の自宅と元食堂。学生らは飲料水も出ない時期から同市入りし、被災者のために汗を流している。

 1993年設立のIVUSAには、全国約80大学2500人の学生が所属。専門的な研修を経て、国際協力や環境保護、災害救援など幅広い活動を展開している。能登半島地震発生後は、本格的な水道復旧前の1月10日ごろから氷見市入り。現在は毎週末に学生約30人が訪れ、同市のほか、石川県珠洲市で活動している。

 今回活動拠点として自宅と8年前に廃業した母親の食堂を開放した指崎さんは、東日本大震災以降、支援コンサートなどを通じて宮城県山元町と交流を続けてきた。その中で、同町の震災ボランティア活動拠点「おてら災害ボランティアセンター」(テラセン)のメンバーから、IVUSAの活動拠点として場所を貸してくれるよう依頼があり、自宅などを提供することを快諾した。

 学生たちは、日中はブロック塀や土砂の排除、炊き出し、危険判定を受けた家屋からの家財道具の運び出しなどを担い、夜は指崎さん宅で自炊し雑魚寝している。IVUSAの現地での活動を指揮する、本部事務局の箭野(やの)純貴さん(29)は「熊本地震の時は体育館でテント生活だったし、公園でテントを張ることもあるので、今回のような恵まれた環境は本当にありがたい」と喜ぶ。

 活動期間は未定だが、指崎さんは「氷見市でも液状化の激しかった地区はゴーストタウンのようになっているが、学生が来てくれるだけでも、何とかしなければという気持ちになる。今後も活動に協力していきたい」と話している。【青山郁子】

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能登半島地震 被災者に「スマイル届ける」 川口在住クルド人らケバブ提供 1月の支援活動に続き2回目:東京新聞 ... - 東京新聞

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09.31
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石川県能登町でケバブなどを被災者に配るクルド人(日本クルド文化協会関係者提供)

石川県能登町でケバブなどを被災者に配るクルド人(日本クルド文化協会関係者提供)

 埼玉県川口市などに住むクルド人が能登半島地震の支援を続けている。被災から間もない1月上旬に石川県珠洲市で炊き出しをしたのに続き2月23日から25日にかけて能登町に入り、支援活動した。

 トルコなどの少数民族であるクルド人。昨年2月のトルコの大地震ではクルド人居住地域に大きな被害が出た。日本クルド文化協会のチカン・ワッカスさんは「わたしたちの故郷もいまだにダメージが大きい。能登の被災地支援を続けていきたい」と話した。

 同協会関係者のほか川口市の「ハッピーケバブ」や上野アメ横の「アラスケバブ」の従業員ら計10人がワゴン車やトラックに分乗して現地入り。現地の小学校や町役場前で千人分のケバブサンドのほか、バターライス、スープを被災者に提供した。

 千人分のカップ麺や野菜ジュース、紙コップや皿、トイレットペーパーなどの生活物資も大量に運び込み被災者に寄付した。

 ハッピーケバブのタシ・ティフィキ代表は「現地はまだ温かい食事がほとんど食べられない状態で、熱いケバブやスープにみんなが喜んでくれた。ひとときだけでもスマイルを届けられて良かった」と語った。(池尾伸一)

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