「あーっ」「あーっ、久しぶり」。お互いに顔を見合わせ、声をかけ合う。6月15日の昼下がり。金沢市湊4の14の3の被災者支援物資センターでは、地震直後以来の再会を喜び合う2人の女性がいた。
ともに珠洲市熊谷町(くまんたにまち)の自宅で被災した釣谷綾奈さん(32)、杉野倫子(みちこ)さん(33)。釣谷さんが8歳の長男と6歳の長女の生活環境を考えて小松市内に家を購入したことを語れば、杉野さんは支援物資センターでボランティアとして活動する近況を伝えた。
「救急車、消防車のサイレンの音が震災直後の3日3晩鳴り響き、子どもたちがその音をいやがるようになった」「地震の前まで海が遊び場だったけど、家の裏まで津波が来て海を怖がるようになった」
カフェのいすに腰かけると、釣谷さんが話し出す。「珠洲の家は更地になるけど、固定資産税を小松の家とダブルで支払わないといけないのかな。どうしたらいいんだろう」と不安を口にした。
「私たちは住宅ローンを組めない。現金一括支払いしか認められない」。輪島市町野町寺山から避難している窪田正代さん(65)がローンにおける年齢のハードルに触れて応じた。
カフェでは、さまざまな話題に。輪島市河井町で被災し、内灘町の長男のアパートで生活する品川正人さん(57)は自宅の被害認定について「縁の下の基礎部分を見ると、傾いている。調査が不十分」。居合わせた人たちが「大規模半壊、半壊も住めないという点で、全壊と同じ」と口をそろえる。「県の部局長、担当者も一度、奥能登に行ってほしい。そうすれば、支援の仕方が変わってくる」との声も根強い。
センターは午前10時~午後3時。休みは金沢のセンターが月、火曜、羽咋市中央町サ5の羽咋労働福祉会館にある羽咋センターが水、木曜。夏用の衣類・寝具、扇風機のニーズがあり、提供を呼びかけている。
みんなの畑の会の西田敏明代表理事(77)は「全体の来場者は合わせて3万人を超えたが、センターを知らない人もいる。車のない避難者もおられるので、助け合ってより多くの人に来ていただくと、うれしい」と話している。
問い合わせ、申し出は=minnanohatake.nishida@gmail.com=へ。
キムタク母 来月7日講演
タレントの木村拓哉さんの母で、「言の葉語り」と名付けた語り、傾聴をしている木村まさ子さんの講演が7月7日午後2時半から、金沢市大額町の金沢国際ホテルで開かれる。みんなの畑の会主催。前売り券は3千円(当日500円増)。収益金は被災者支援に充てる。チケットは、国際ホテル、金沢、羽咋の両センターで販売している。<ユースクが調べます!> 北陸中日新聞「Your Scoop(ユースク)~みんなの取材班」は、無料通信アプリLINE(ライン)でつながった皆さんからの暮らしの疑問や困りごとを記者がとことん掘り下げ、疑問の解消や社会・地域課題の解決を目指します。事件事故などの情報や写真・映像の提供、不正の告発も受け付けています。秘密は厳守します。LINEで友だち登録し、ご投稿ください。
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