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史上初の「日本一決定タイブレーク」だ。日本野球機構(NPB)と12球団は1日、オンラインで臨時実行委員会を開き、日本シリーズのレギュレーションなどを協議。日程が30日までもつれこみ決着がつかなかった場合に限り、同日の試合後に単独でタイブレークを実施し、日本一の座を決める案が承認された。コロナ禍の限りある条件下で決着をつけるため、前例のない一発勝負となる。
支配下選手への参稼報酬期間は今月30日まで。日本シリーズの日程が12月に入ることを防ぐために究極の案として浮上したのが、一発勝負で日本一の座を決める「単独タイブレーク」だ。
現時点での第7戦は28日の予定。想定されるのは、雨天中止や引き分けなどで日程が30日にずれ込んだケースとなる。仮に同日の試合終了時点で成績が並び、決着がつかなければ試合後にタイブレークを実施する。
方式は無死一、二塁、1番打者からスタート。画期的なのは「延長タイブレーク」ではなく、前の試合とは関係なく打順を新たに組み直すことが可能なことだ。バントの得意な打者を1番に置く手堅い作戦か、3、4番などの中軸を打席に立たせて大量点を狙うか――。日本一を決める一発勝負だけにその戦略も重要になる。
前例のない日本一の決定方法。球界関係者は「11月30日で日本シリーズを打ち切るというか、12月まで引っ張れない。11月中には勝敗を決めないといけない」と説明した。コロナ下で迎えた今季の公式戦は9回打ち切り。6日に開幕するクライマックスシリーズも同様の形となっている。日本一を決める球界最高峰の舞台でも、第7戦まではタイブレークは行わない。9回打ち切りか、延長イニングに入るかなどは未定で、日本シリーズ出場チームの地元自治体の時短要請などを考慮し協議をしていく予定。「特別な戦い」は30日のみに限られる。
日本シリーズの従来の規定は、第7戦までは延長12回。第8戦以降は無制限となっている。コロナ下だからこそ実現する「究極のタイブレーク」。NPBでは昨年のファーム選手権でタイブレークが初採用されたが、1軍では初。日本シリーズの要項についてNPBの井原敦事務局長は「(この日の臨時実行委で)まとまりました」とし、4日に正式発表される予定だ。
▽昨年の日本シリーズ 開幕延期の影響で11月21日に第1戦を行い、第7戦は同29日予定に繰り下げられた。延長は12回までで第8戦以降は無制限。新型コロナウイルスの影響でシリーズ続行が不可能となった場合は終了。その時点で勝利数の多いチームを優勝とし、同数の場合にはシリーズでのTQB(得失点率差)で決着をつける特例を設けた。
また投手の負担軽減を目的に全試合DH制を採用。巨人は東京ドームが使用できず、京セラドームでホームゲームを開催した。ソフトバンクがいずれも延長戦に入ることなく9イニングで4連勝し、25日の第4戦で終了した。
≪CS進出チームでドーム本拠は2球団≫CSに進出しているチームのうち屋外球場が本拠地なのはヤクルト、阪神、ロッテ、楽天。ドーム球場なのは巨人、オリックスの2球団だ。ただし、日本シリーズに進出した場合、ヤクルトは明治神宮大会と日程が重なり、ホームゲームとなる第3~5戦は東京ドームで開催する。また、オリックスは既に京セラドームで別イベントが予定されているため、第6、7戦がほっと神戸での開催となる見通し。
▽過去の11日間以上かかった日本シリーズ
☆12日間 61年の巨人―南海の対戦。当初は10月21日~11月1日の予定が、10月21日に大阪で開催予定だった第1戦が雨天中止。その後、23日の第2戦、後楽園での第4戦が27、28日と2日連続雨天中止になった。11月1日の第6戦で巨人が勝利し4勝2敗で決着した。
☆11日間 58年の西鉄―巨人の対戦。10月11~21日で開催。東京の後楽園と福岡の平和台で行われ、福岡から東京の移動日が2日間に設定された。15日の平和台での第4戦が雨天中止。3連敗の西鉄は稲尾の活躍で4連勝し、日本シリーズ3連覇。
☆11日間 76年の阪急―巨人のシリーズは10月23日~11月2日に行われた。後楽園での第2戦、西宮での第4戦がそれぞれ雨天中止。阪急が3連勝した後に巨人が3連勝し、11月2日の第7戦は阪急が森本の2ランで逆転勝ちし2年連続の日本一に輝いた。
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