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北京冬季オリンピック第9日は12日、ノルディックスキー・ジャンプ男子個人ラージヒル(LH)決勝が河北省張家口の国家ジャンプセンターであり、小林陵侑(25)=土屋ホーム=が銀メダルを獲得した。6日の個人ノーマルヒルで金メダルに輝いており、同一大会で複数の個人メダル獲得は日本のジャンプ陣では1998年長野五輪の船木和喜以来2人目。
1回目、誰よりも遠く142メートルを飛び、右手で胸をたたいた。迎えた2回目。2位に付けていたリンビクが140メートルの大ジャンプでトップに躍り出た。最終ジャンパーの小林陵はシグナルが緑に変わるとすぐに滑り出す。やや空中で揺れながら138メートルまで伸ばし、脇を締めるようなガッツポーズを見せた。表示された得点はわずか3・3点及ばず2位。飛距離換算で2メートル弱の差だった。一緒に得点表示を待ったチームメートと拳を合わせて銀メダルを喜んだ。「金メダルを逃したことに、ちょっと悔しい気持ちと……でも全体的に2本とも良いパフォーマンスができた。リンビクは良いジャンプができていた。今日は完敗ですね」と優勝者をたたえた。
国内トップクラスの選手が「みんな、頭では分かっているけどできないことを、一人だけやっている」と表現する小林陵のジャンプを、科学の目はどう見ているのか。
国立スポーツ科学センター(JISS)では長野・白馬ジャンプ競技場に設置した装置で、踏み切る力や上に向かう速度などを測定している。長年ジャンプを研究する山辺芳研究員は小林陵について「レベルは高いが、力や速度をもっと出している選手はいる」と言う。ただ、踏み切りで発揮した速度の方向に特徴があった。「踏み切りによってわずかだが前方向に進もうという速度を出せる選手がいる。その一人が陵侑君」
選手は高さと前への推進力を求めて踏み切るが、前に飛び出そうとすれば氷の助走路でスリップして力を失う。小林陵は2017年夏ごろからスリップしない踏み切りができているが、高さに加えて前への推進力も出せている。
「陵侑は空中がうまい」との声も多く聞く。北翔大(北海道江別市)や理化学研究所などがスーパーコンピューター「富岳」で小林陵の飛行姿勢を解析すると、特に空中の後半に浮力(揚力)が増える特徴が見られた。
体に取り付けたセンサーで人の動きを読み取りデータ化する「モーションキャプチャー」の手法を活用。比較した選手は空中の後半で浮力が減ったが、小林陵は増えていた。前から来る風は背中側に巻き付くようにして流れ、それが乱れると抵抗になり、失速の原因になる。フライト後半は気流が下から来るため背中側で気流の乱れが起きやすくなるが、小林陵は後半でも空気抵抗を抑えており、それが浮力の増加につながっているという。
北翔大の山本敬三教授(運動力学)は「小林(陵)選手はおそらく後半にも前傾角度を維持するような動作をしている」と見ている。
多くの選手とはほんのわずかな違いだが、それが大きな飛距離を生む。それが個人二つ目のメダルにつながった。【江連能弘】
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February 12, 2022 at 07:44PM
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小林陵侑、偉業の背景に「ほんのわずかな違い」 科学の目も驚嘆 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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