岸田文雄首相は5月30日の参院予算委員会で、食料安全保障の強化に向けて、首相が本部長を務める「農林水産業・地域の活力創造本部」を改組して、今後、政府が一体となってこの中で検討を進めたいとの方針を示した。藤木眞也議員(自民党)の質問に答えた。
参院予算委員会で答弁する岸田首相(参議院インターネット中継より)
委員会では、藤木議員が「経済安全保障や外交安全保障とセットで、食料安全保障を国家の最重要課題として位置づけ、その強化を図るべきだと考える」と質問。これに対し、岸田首相は「食料の安定供給の確保は国家の国民に対する最も基本的な責務の1つありで重要な課題だ。ウクライナ情勢を受けて原油穀物等の国際価格が高騰しており、今後も予断が許されない状況で、食料安全保障の確保はますます重要になってくる」との認識を示した。
これを受けて藤木議員が「食料安全保障の問題は農水省だけで解決できる問題ではなく、新たな本部を官邸に立ち上げてしっかりした議論を行うべき」と質したのに対し、岸田首相は「私が本部長を務める『農林水産業・地域の活力創造本部』という組織があり、昨年末、農林水産業地域の活力創造プランを改定している。この組織を改組する形で今後、食料安全保障の強化についても検討し、政府一体となって取り組んでいきたい」と述べ、同本部で食料安保について議論を進める方針を示した。また、6月にまとめられる政府の「骨太の方針」の中で食料安全保障の強化に向けた考えを示したいとの意向も示した。
「農林水産業・地域の活力創造本部」は、2013年5月、農林水産業や地域が将来にわたって国の活力の源となり、持続的に発展するための方策を幅広く検討を進めるために設置された組織。
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