災害時に被災者支援をよりスムーズに行えるよう、法制度の改正を目指して岩手を拠点に活動しているグループがあります。
このグループが16日、東京 永田町で集会を開き、国会議員に対し「政治の力で誰も取り残されない社会を実現してほしい」と訴えました。
集会は、盛岡市にある「フードバンク岩手」の阿部知幸さんらでつくるグループ「311変える会」が企画し、衆議院の議員会館に与野党の国会議員や全国の支援団体のスタッフら50人余りが参加しました。
阿部さんのグループは、災害時に被災者一人一人の実情に合ったサポートを行う「災害ケースマネジメント」と呼ばれる手法を全国で展開しようと活動しています。
はじめに団体のメンバーで大阪公立大学の菅野拓准教授が講演し「東日本大震災から12年を経てもなお、古い法制度のせいで被災者支援や避難所運営の負担が地方自治体の職員に過度に集中し、混乱する事態が続いている。政治の力で誰も取り残されず、被災者も支援する側も全員の負担が軽くなる社会を実現してほしい」と訴えました。
そしてグループから要望書が国会議員側に手渡されました。
要望書では▽災害救助法や社会福祉関連の法律を改正して災害ケースマネジメントの体制を整備すること、▽内閣府など省庁間で議論を継続すること、そして▽超党派の議員連盟を設立することを求めています。
「311変える会」代表の阿部さんは「課題とその解決策を多くの国会議員と共有できたのは心強い。きょうを弾みにして法改正を前に進めたい」と話していました。
【災害ケースマネジメントとは】
「災害ケースマネジメント」は被災者支援の手法の1つで、大阪公立大学の菅野拓准教授が2005年にアメリカで甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」の政策名を引用して名付けたモデルです。
被災者からの申請を待つことなく、支援する側からアプローチしていくのが最大の特徴で、被災者への丁寧なヒアリングをもとに、どの支援制度の対象になるのかを調べて個別の再建計画をつくります。
さらに行政、弁護士、ソーシャルワーカーなどともチームを組み、複雑に絡み合った生活の課題にワンストップで対応することを目指しています。
災害ケースマネジメントは鳥取県では2018年に、徳島県では去年、条例化されましたが全国的な取り組みは進んでいません。
からの記事と詳細 ( スムーズな被災者支援を 国会議員に災害救助法など改正訴え|NHK 岩手県のニュース - nhk.or.jp )
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