関東大震災の被災者を供養する法要が九月二日午前九時から、東京都文京区湯島の天台宗心城院で営まれる。大震災翌年から毎年続けて九十九回目。張堂芳俊(ちょうどうほうしゅん)住職(43)は「震災の記憶を風化させないためにも多くの方に関心を持ってもらえたら」と話している。
心城院は震災の翌年、地元の湯島天二町会とともに寺の脇に「災害復興地蔵尊」を建立して法要を始めた。震災時は地域の避難場所になり、境内の井戸水も被災者支援に一役買ったため、当時の旧東京市から感謝状を受けている。
同院は一六九四(元禄七)年の開山以来、数々の大火を免れてきたことから「火伏(ひぶせ)寺」としても知られる。天二町会は一九四五年三月の東京大空襲でも損失を出さず、地蔵尊の御利益と伝えられてきた。
法要には町会関係者三十人ほどが参列予定。震災百年に合わせて地蔵尊にまつわる小冊子を作成するといい、張堂住職は「次の五十年、百年と後世の方に守っていただければ」と期待を込める。(榊原大騎)
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