「希望与えたい」は記者の押し付け? 被災者の本音、引き出す努力を:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

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04.31
taritkar.blogspot.com

メディア空間考 金子智彦

 「頑張ってください」。言った後、後味の悪さを覚えた。

 1月下旬、能登半島地震の被災地に入った。家が全壊したり家族が亡くなったりした従業員がいる中、事業を続けようと奮闘する経営者を取材した。その帰り際に口をついて出た言葉だった。

 どうやっても困難は分かち合えない。その後ろめたさから無難な言葉しか浮かばなかった。生活再建のため頑張るし、頑張るしかない被災者にどう響いただろう。

 「絆」「共に」。東日本大震災の直後、スポーツの現場で連帯を示す言葉を支えに復興へ尽力する人を取材し、言葉が持つ前向きのエネルギーを実感した。

 一方で、「夢や希望を与えた…

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02.37
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メディア空間考 金子智彦

 「頑張ってください」。言った後、後味の悪さを覚えた。

 1月下旬、能登半島地震の被災地に入った。家が全壊したり家族が亡くなったりした従業員がいる中、事業を続けようと奮闘する経営者を取材した。その帰り際に口をついて出た言葉だった。

 どうやっても困難は分かち合えない。その後ろめたさから無難な言葉しか浮かばなかった。生活再建のため頑張るし、頑張るしかない被災者にどう響いただろう。

 「絆」「共に」。東日本大震災の直後、スポーツの現場で連帯を示す言葉を支えに復興へ尽力する人を取材し、言葉が持つ前向きのエネルギーを実感した。

 一方で、「夢や希望を与えた…

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「幻滅期」・・・被災者の心の不調なぜ?罪悪感も 能登半島地震 #みんなのギモン|日テレNEWS NNN - 日テレNEWS

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03.31
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眠れない、やり場のないイライラが募る・・・能登半島地震から1か月半がたった今、被災した人々の中に、これまで表面化しなかった心の不調が現れているといいます。混乱の中で蓄積されていたストレスが噴き出す「幻滅期」です。どのようなケアが必要なのでしょうか。取材すると、そこには被災者が抱えてしまう罪悪感も。
(報道局 調査報道班 小野高弘)

■「生きている価値はない・・・涙がとまらず」

輪島市の避難所。被災した男性のそばに正座し身をかがめるように話を聞いているのは、臨床心理士の福島正樹さんです。国境なき医師団の一員としてこれまでパレスチナ、シエラレオネ、スーダンなどの現場で人々の心のケアに携わってきました。1月25日、東京からキャンピングカーで石川県に入り、以来輪島市で被災者一人ひとりに向き合っています。

朝、避難所の代表者に挨拶をすることから始めます。「あの方は最近1人でいることが多いんだよね」そんな代表者の一言も手がかりに声をかけていきます。

発災当初の生死に関わる局面から1か月半が経ち、避難所で毎日を送る人の間では少しずつ落ち着いた時間も流れるようになりました。でもその時間とは、行く場所がない、きょう何もやることがない、本を読む気にもなれない、そのような時間です。心のバランスを崩すのはそんな時だといいます。よく考えたら輪島では仕事がない・・・車も失い移動はどうすればいいのか・・・亡くなった家族の葬式もできていない・・・。自分は深刻な状況にあるという現実に初めて直面し、孤独を感じ、幻滅した気持ちに苦しめられるといいます。

各自治体がガイドラインで示していますが、災害時の心理的経過は、被災直後の「茫然自失期」、その後被災者同士が強い連帯感で結ばれる「ハネムーン期」があり、この時期を過ぎると、被災者の疲労や忍耐が限界に達してやり場のない怒りにかられたり、落ち込んで喪失感を抱いたりする「幻滅期」があり、その後、地域作りへの参加により自信が向上する「再建期」があるとされています。この経過の中で不調が長引き、PTSDやうつ病を抱える人も少なくありません。

避難所で福島さんはある男性に近づき声をかけました。「こんにちは。いかがですか」。話し始めて5分、突然、男性は涙が止まらなくなりました。そして震災前からの身の上や今後の不安を1時間半止めどなく話し続けたといいます。震災前に新しく建てたばかりの家は潰れ、話せる身寄りはいませんでした。食事が喉を通らず体重は減り、眠れない日が続き、イライラすることが多くなっていました。これだけでも心の不調のシグナルです。その上、男性は福島さんを前に「自分は生きている価値がない」とも口にしたといいます。

福島さんは男性を災害派遣精神医療チームDPATに診てもらうことにしました。投薬などの治療を経て、今、男性には少しずつ笑顔が戻っています。

福島さんは、被災地での心理臨床の繊細さをこう話します。

「こんにちはと声をかけても、いいよあっち行けよといった反応をする人もいます。それも心理的な反応で、強いストレスを抱えている場合があります。イライラしている人は気に留めておいて、2回目、3回目で少しずつ信頼関係を築きながら話を聞いていきます」

「最初は話をしたくない様子で会釈程度が続いても、ひとたび顔を覚えてもらって話し始めると、仕事がないことや将来への不安、自治体の対応への不満などが噴き出てくる人もいます」

また福島さんは、被災者の中での「同調圧力」も生じていると感じています。ある避難所の一角に7人ほどが身を寄せ合う場所。「過去は過去だ」として前向きになろうとする人がいると、食事の時間、「きょうはご馳走だ!」などと笑い声もあがります。その中で、家族を亡くし家をなくし1か月で傷が癒えるはずもない、決して前向きな気持ちにはなれない人もいます。でもそれを口にすると場の雰囲気に水を差すことになるのではと思い、何も言い出せず不安を心の奥底にしまってしまうというのです。それは強いストレスとして蓄積されるといいます。

■「助けを求めることに罪悪感」

福島さんとともに輪島市で活動する国境なき医師団のプロジェクト・コーディネーター川邊洋三さんは、被災者の心のケアを難しくしている要因に「能登の土地柄」があると感じています。忍耐強い土地柄、自己主張を控え、悩みを積極的には他人に相談しない人が多い土地柄です。

「ご自身はいかがですかと聞くとほぼ全員が、私は大丈夫ですと言うのです。本当は話したいことはあり、話し始めると一気に出てくるのですが」

「私の家だけ残ってしまって申し訳ない、私だけ畳の上で寝られて申し訳ないといった罪悪感を抱く人もいます。周囲の誰もが似たような思いを抱えきつい生活を送っている中、つらいと口にすることは弱さだと思い、カウンセリングを受けるのは特殊なことだと考える人が多いと思います。だからカウンセリングをやりますと呼びかけても人はすぐには集まりません」

■市役所の職員も

こうした中、心の傷に蓋をしながら24時間態勢で働き続けているのが市役所の職員です。国境なき医師団の心理社会的サポート責任者・笹川真紀子さんは、輪島市役所を訪れて職員らとの面談を重ねています。

ある職員は身近な親族を亡くしました。別の職員は介護の必要な高齢の親を他県へ避難させ、自分は残って窓口で罹災証明発行などの仕事を続けています。余震が来たら自宅が倒壊する恐れがあると言われたものの部屋の整理をする余裕もないまま、次々と降ってくる仕事に追われる職員もいます。

「市役所の中は、今休むわけにはいかない空気感です。オンとオフがないんです。休んではいかがですかと聞くと、いやいやそれは無理、自分だけ休むわけにはいかないと皆さんおっしゃいます」

でも体は正直です。気は張った状態でも、頭痛や腰痛の症状が出たり、血圧が高くなったり、ヘルペスを発症したりする人が現れ始めているといいます。

「市役所の職員は市民からの不満をぶつけられやすく、窓口で職員がこらえている姿を目にすることもありますが、職員にとってはとても心の負担になります。しっかりとした心のケアが必要です」

■長期化の恐れも

こうした心の不調は、長期的な抑うつ、不安障害などにつながる恐れがあることが指摘されています。

東日本大震災の後、10年間にわたり被災地住民の心の問題について追跡調査を行った東北大学 精神神経学分野の富田博秋教授によると、自宅が大規模半壊以上の被害を受けた人の約30%は震災から3年たっても一定以上の心的外傷後ストレス反応の症状があり、10年後にも7%の人に症状があったといいます。

なぜ長引く人がいるのでしょうか。富田教授によると、大きな要因は人とのつながりだといいます。周囲のコミュニティーとのつながりが保たれ、自分のつらいことを含めて話ができる人は改善しやすい一方で、孤立している人は長期化する可能性があるといいます。

そのためにも今、被災地の人々が心理的な苦痛をひとりで抱えないための心のケアが必要だといえます。

■ “仕掛け”づくり

今、国境なき医師団の川邊さんは、被災者が気軽に話せる心の相談室を期間限定で開設できないか輪島市や地元の団体に相談しながら可能性を探っています。

川邊さんは東日本大震災直後に3か月間現地で活動する中で、仕掛けを作りました。宮城県南三陸町の役場の隣に運動会で使うようなテントを張り、そこでカフェを開いたのです。3人ほどの臨床心理士が常駐し気軽に話ができる場にしたところ、大勢の被災者が訪れ利用しました。

輪島でも、被災者が「一息ついていいんだ」と思えるきっかけになる場所を作れればと川邊さんは考えています。解決すべき難題がまだいくつもあるとしながらも、カフェのように気軽に立ち寄れる相談室の開設を目指したいと話しています。

●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。
お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。
#みんなのギモン
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青汁王子 大阪万博トイレ、1カ所1~2億円報道に「能登地震の被災者は今でも…優先順位がおかしい」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

青汁王子 大阪万博トイレ、1カ所1~2億円報道に「能登地震の被災者は今でも…優先順位がおかしい」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

08.31
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“青汁王子”こと実業家・三崎優太氏(公式インスタグラムから)

 「青汁王子」こと実業家・三崎優太氏(34)が19日までに自身のSNSを更新を更新。大阪万博のトイレ1カ所の建設費が1~2億円と報道されたことに言及した。

 会場建設費が当初の1・9倍にあたる2350億円かかり、運営費も1160億円と予算が当初の予定よりも大きく上振れしていることが批判の的となっている大阪・関西万博。

 万博のシンボルとして建設される350億円の木製リングなどが“無駄遣い”と指摘されるなどしているが、このほど、万博会場内の20施設のトイレのすべてが一般のトイレとは全く違う豪華な「デザイナーズトイレ」で、1カ所で数千万円から2億円ほどかかっていると報道され、話題になっている。 

 三崎氏は「大阪万博のトイレに1カ所2億円もかけるなんて、被災地のこと忘れてるの?」と問い掛け、「能登地震の被災者は今でも水道が復旧していない状況で、簡易トイレを使ってるって聞いた。優先順位がどう考えてもおかしい。万博のサブテーマが『いのちを救う』って言ってるなら、まずは被災者の支援に全力を注いで欲しい」と自身の考えをつづった。

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気温が上がる中、ビニールハウスの被災者は… 石川・志賀町[2024/02/18 18:48] - テレビ朝日

気温が上がる中、ビニールハウスの被災者は… 石川・志賀町[2024/02/18 18:48] - テレビ朝日

01.31
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 18日は、全国的に3月から4月並みの暖かさとなりました。能登半島地震で被災した石川県も気温が上がり、ビニールハウスに避難している被災者は暑さ対策をして過ごしています。

 強い暖気の影響で石川県内は午前中から気温が上がり、能登半島地震で最大震度7を観測した石川県志賀町は、最高気温が今年最高の15.6℃となり、4月中旬並みの暖かさとなりました。

 ビニールハウスに自主避難している被災者は午前中から暑さを感じ、入り口を全開にしたり、ハウスのシートを巻き上げたりして、対策をとっていました。

避難している人
「あったかいね、2月にしてはね。日中はストーブ消して、両サイド開けたり扉開けたりしてます」

 19日の石川県内は天気は下り坂ですが、気温は18日以上に高くなる予想です。

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被災者に寄り添う保健師 能登地震受け 仙台で再びパネル展 - 読売新聞オンライン

被災者に寄り添う保健師 能登地震受け 仙台で再びパネル展 - 読売新聞オンライン

05.31
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 東日本大震災の際に仙台市内の避難所などで活動した保健師にスポットを当てた企画展が17日、仙台市若林区の震災伝承施設「せんだい3・11メモリアル交流館」で始まった。3月17日まで。

 同展は2020年2~9月にも開催。能登半島地震を受け、改めて災害時の保健師の活動を知ってもらおうと再度企画された。

 展示では、避難所を巡回して健康相談に応じたり、被災者の心のケアにあたったりと、同市の保健師約30人が震災時にどういった業務にあたったのかを23枚のパネルで解説。「同じ被災者として寄り添う部分と市職員として業務をこなす部分があり、葛藤しながらの支援だった」「着替えの下着が足りず、紙パンツを渡すのがつらかった」など、保健師たちの当時の心境も添えられた。

 若林区と宮城野区で活動した3人の保健師へのインタビューも上映しており、「保健師は現場主義、現地主義。住民にどれだけ近いところで活動するかが大切だと感じた」といった言葉が紹介されている。

 17日に岩手県奥州市から訪れた女性会社員は「保健師さんがどのように関わっていたのかを初めて知った。能登半島で支援に携わる人への理解も深めたい」と話した。

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首相の演説 被災者の声を前フリに「いまそれ言う?」の素・頓・狂:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

首相の演説 被災者の声を前フリに「いまそれ言う?」の素・頓・狂:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

02.31
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記者コラム「多事奏論」 編集委員・高橋純子

 もう言い飽きたからこれで最後にしたいのだけれど、岸田文雄氏は首相としての資質を欠いている。私はそう結論している。ただ悔しいかな、首相という立場にのみ宿る力というものはある。

 災害で命を危うくし、仕事や財産を失って絶望の淵に立たされている人に、かろうじて一筋の「光」を見せられるのが、首相だ。現地に身を置く。言葉を尽くす。それが「光」となり得る。誤解を恐れず言えば、たったそれだけのこと、手間もかからず元手もいらずで出し惜しみする理由はない。ゆえに体制のいかんを問わず、世界の政治リーダーはふつう被災地に「駆けつける」。人々の心に届くメッセージを発しようと努める。

 しかし岸田氏はできない。やらない。

 能登半島地震の被災地を訪れたのは1月14日、発災から13日後である。

 1月30日の施政方針演説では、地震の被害状況が「体言止め」で並べ立てられた。「半島特有の道路事情による交通網の寸断。海底隆起や津波被害による海上輸送の途絶。水道、電気、通信などライフラインの甚大な損傷。地震に弱い木造家屋が散在する小さな集落の孤立。高齢者比率5割を超える地域社会への直撃」。それぞれに多くの命やくらしがかかっているのに、手際良くサッサと折り畳んでいく。冷にして淡。まあでも、肝心なのはこの後だ。被災された方にどう心を寄せ、どんな言葉をかけるか、首相としての真価が問われる。さて――。

 「なによりも素晴らしいのは…

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