トルコ南部を震源とするトルコ・シリア地震の被災者に役立ててもらおうと、佐賀県唐津市立大良(だいら)小学校(31人)は9日、児童が焼いた木炭の売上金と校内募金の計1万4258円を日本赤十字社に寄付した。3学期の歴史と道徳の授業で、1890年に和歌山県沖で沈没したトルコ軍艦エルトゥールル号に対する住民らの救助活動を学んだ6年生が「自分たちにもできることを」と発案したという。
校内には30年ほど前にトタン屋根の土窯が築かれ、3~6年生が地域の伝統産業を体験するため隔年で炭焼きに取り組んでいる。2022年12月に地域の学習支援グループが提供したカシやドングリなど原木を約60センチに切りそろえ、土窯に運んで年明けに火入れ。23年2月8日に窯を開くと黒い木炭が出来上がっていた。
地震発生の2日後で、6年生の山崎暖和(ひなた)さん(11)は「トルコは仲良くしたい国なので、自分たちでできることを考えた」と振り返る。2キロずつ詰めた袋を57個用意し、1個300円で保護者らに直売したほか、学校周辺3カ所の商店で例年通り委託販売した。売上金はこれまで図書購入費などに充ててきたが、22年度は地震救援金に4000円を支出した。
2月14日~3月3日には、6年生がトルコ国旗をあしらった募金箱を職員室に置き、張り紙で「じしんによるひ害でトルコの人は家がこわれたり、道路がふさがれたりしてこまったいます。トルコのために1円でもぼ金をしましょう」と呼びかけた。
渡辺謙校長(54)によると、1~6年生と教職員のほか、保護者や地域住民からも浄財が寄せられたという。
売上金と合わせて寄付先は市の紹介で「2023年トルコ・シリア地震救援金」を募る日赤に決めた。市役所で山崎さんら卒業を控えた全4人の6年生から受け取った日赤唐津市地区の事務局を務める市社会福祉協議会の吉田善道会長(71)は「素晴らしいボランティア活動の成果を、現地の救援活動などに活用させていただきたい」と約束。引率した担任の永田珠美教諭(58)は「子供たちの心の中に、国際協力や人間愛、助け合う気持ちが育ってうれしい」と見守った。【峰下喜之】
からの記事と詳細 ( 唐津の児童、炭焼きで被災者支援 売上金寄付 トルコ・シリア地震 - 毎日新聞 )
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