アメリカのモデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚労省は、接種可能な年齢を、現在の18歳以上から12歳以上に引き下げる方針を固めた。
アメリカのモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンをめぐっては、有効性や安全性についての17歳以下のデータが不足していたため、厚労省は現在、接種対象を18歳以上に限っている。
その後、モデルナがアメリカで12歳から17歳を対象に追加で治験を行い、安全性を確認したとする結果を厚労省に提出していた。
これを受けて、厚労省は来週19日に専門家部会を開いて報告し、ワクチン接種の接種可能年齢を12歳以上に引き下げて使用することにしている。
アメリカの大学病院で新型コロナウイルスと向き合っている、内科医の山田悠史先生に話を伺う。
(モデルナ製ワクチンの接種年齢を引き下げへということだが?)
山田悠史氏「モデルナ社のワクチンの接種年齢の引き下げについては、ファイザーのワクチン同様に、臨床試験の結果を基にした判断となっています。臨床試験では、12から17歳の3,700名以上の被験者を対象にして、ワクチンの効果を検証したところ、ワクチン接種を受けたグループでは、1人もCOVID‐19の発症が見られなかったのに対して、全く効果のない偽物のワクチンの投与を受けたグループでは4人の発症が確認されている。また、検査の陽性者もあわせた数値からは93%の有効性が算出されまして、子どもに対しても高い有効性が確認されています。この結果を基に、接種年齢の引き下げという判断につながっています」
(高い有効性の一方で、気になるのが安全性だが?)
山田悠史氏「接種年齢の引き下げにあたっては、安全性についてもしっかりと確認をされています。副反応の種類については、成人のデータと大きな相違はなく、腕の痛みが最も頻度の高い副反応と報告されていまして、それ以外に、発熱ですとか、だるさといったものが報告されています。加えてファイザーやモデルナのワクチンでは、心臓の筋肉に炎症を起こす心筋炎という副反応も報告されています。しかし、頻度が5万人から10万人に1人の割合とまれでして、そのほとんどのケースが軽症と報告されていて、すでに後遺症を残さずに回復しています。長期的な副反応の可能性を懸念する声もありますけれども、これまでのワクチンの経験から2カ月までの観察で出現しないような新たな副反応が、遅れて出現する可能性は極めて低いと考えられています。こういったことから、副反応のリスクをふまえたうえでも、子どもへの新たなワクチンの選択肢として、今後、使用が広がっていくものと思います」
全国のワクチン接種の進み具合について見ていく。
医療従事者を含めたすべての世代を対象とした数値。
15日に公表されたワクチンの総接種回数は、15日に伝えた数字よりも152万回以上増えて、およそ6,518万回となっている。
これを接種率で見ていくと、少なくとも1回目の接種を終えた人の割合は31.6%。
そして、2回目の接種を完了したという人の割合は19.7%と、2割に近づいている。
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