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「個室に使用済みのコンドーム」「老人が“一緒に歌おう”と女性店員をナンパ」…カラオケ店の“ヤバい客” - 文春オンライン

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21.50
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 コロナ禍の現在、カラオケ店は苦しい経営を余儀なくされている。カラオケ店の店員も「飲み会の2次会などで流れてくる団体客はコロナの影響でほぼ来なくなりました」と話す。

 そのかわりに増えたのが、ひとりカラオケなど少人数で来店する客だが、そうした客には問題行動を起こす人も少なからずいるという。カラオケ店のヤバい客とはどんな人たちなのか。カラオケ店で働いていた元店員に話を聞いた。(取材・文=押尾ダン/清談社)

◆◆◆

ノーマスクで来店して、受付で押し問答

 近藤真司さん(仮名、26歳)は、今年1月ごろまで都内の某カラオケチェーンで働いていた。まん延防止対策の実施期間を除くと、深夜帯を中心に週に5日ほどシフトに入っていたという。

──コロナ禍以降、カラオケ店の客層はどう変わりましたか。

近藤 歌うときに放出される飛沫は話すときの5~6倍といわれるので、店として消毒や換気は徹底していました。それでも飛沫が飛ぶのを気にする人はカラオケ店に来なくなりましたね。逆にいうと、いまの時期にカラオケ店に来るのは、コロナに感染するのをあまり気にしない人なのかもしれません。

 コロナ以前は、大人数で来店して大騒ぎする陽キャのウェイ系が多かったのですが、最近は2~3人の少人数のグループで、どちらかというと静かで陰キャのお客さんが目立ちます。受付する時点でヤバい感じがするお客さんも増えているというか……。

©iStock.com

──具体的に、どういうところがヤバいんですか。

近藤 たとえば、マスクをつけずに来店する人がよくいます。カラオケ店にかぎらず、いま外出時のマスク着用って常識じゃないですか。店舗や施設などに入るときは、マスク着用と検温がルールであり、公共のマナー。ところが、カラオケ店には「マスクを忘れてきた」などと言ってフロントでゴネて、ノーマスクで入店しようとする人がけっこういるんです。

──受付時にマスク着用をめぐってゴネられるのは迷惑ですね。

近藤 カラオケ店のフロントスタッフの業務って、「年齢」「会員登録の有無」「利用時間」「飲み物」「カラオケの機種」と、お客さんへの確認事項がすごく多いんですね。そんな中でマスク着用でゴネられると、ほかのお客さんに対応できなくなる。

 ところが、そういう人に限って空気を読まずに受付でゴネ続けるんですよ。店が用意している予備のマスクを渡しても、頑なにつけようとしなかったり、ハイハイと返事だけしてすぐ外したり。カラオケ店に来る時点で感染対策に無関心なのかもしれませんが……。あと、その手の面倒くさいお客さんは、なぜか女性より男性のほうが圧倒的に多いです。

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"一緒に来る" - Google ニュース
March 25, 2022 at 03:00PM
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大谷翔平、登板回避は自ら提案「中4日、中4日でいくと疲れる」開幕までの登板間隔を空けるため - MLB - ニッカンスポーツ

大谷翔平、登板回避は自ら提案「中4日、中4日でいくと疲れる」開幕までの登板間隔を空けるため - MLB - ニッカンスポーツ

05.15
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ホワイトソックス戦の1回、オープン戦初本塁打を放つエンゼルス・大谷=グレンデール(共同)
ホワイトソックス戦の1回、オープン戦初本塁打を放つエンゼルス・大谷=グレンデール(共同)

<オープン戦:ホワイトソックス-エンゼルス>◇26日(日本時間27日)◇アリゾナ州グレンデール

【グレンデール(米アリゾナ州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、有言実行のオープン戦1号本塁打を放った。ホワイトソックス戦に「1番DH」で出場し、1回の第1打席で初球を捉えた。プレーボール弾はメジャーでは初。心がけた“シンプル打法”で結果を残した。この日は先発予定だったが、開幕までの登板間隔を十分に空けるため、首脳陣と相談の上で回避。二刀流で出場予定の開幕アストロズ戦へ、万全で臨む。

昨年から継続している大谷と首脳陣の対話で、登板回避の結論に至った。当初はオープン戦の初登板(21日)から中4日、中5日、中5日で開幕まで3度の調整登板が可能だったが、2度に減らした。次回は中9日でブルワーズ戦に先発し、4月7日(日本時間8日)の開幕戦までは中6日。調整登板を1回削る一方で、十分に間隔を空けて状態を整えることを優先した。

代替プランは、開幕投手を正式に告げられた後に大谷が提案したという。「単純に中4日、中4日でいくと疲れるので、疲労がたまった状態で開幕を迎えなきゃいけない。スケジュール的にやっぱり難しい」。他の投手陣とは異なる調整法にマドン監督は「去年もそうだった。彼自身の調整プロセスを邪魔したくない。彼もこういう方法を好んでいるし、私も、100%サポートする」と話した。もはや、二刀流の調整に定型はない。大谷自身が体の感覚を元に作り上げていく必要があり、昨季の成績があるからこそ、首脳陣も全幅の信頼を置く。

マドン監督によれば、開幕戦の球数のメドは90球程度。今後は日々の練習やブルペン投球で状態を上げ、調整登板を1度挟んで仕上げに入る。大谷は「やりやすいようにはやらしてもらってるので、しっかりと1日1日、体調を見ながら自分でしっかり調整したい」と気を引き締めた。

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【西本聖】力をセーブすると制球乱れる佐々木朗希「すごみ」感じるだけに少しの技術身につけて - 評論家コラム - 野球コラム - ニッカンスポーツ

【西本聖】力をセーブすると制球乱れる佐々木朗希「すごみ」感じるだけに少しの技術身につけて - 評論家コラム - 野球コラム - ニッカンスポーツ

04.15
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楽天対ロッテ 2回裏楽天2死、鈴木大を右飛に打ち取る佐々木朗(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ロッテ 2回裏楽天2死、鈴木大を右飛に打ち取る佐々木朗(撮影・滝沢徹郎)

<楽天6-5ロッテ>◇27日◇楽天生命パーク

今季初登板の佐々木朗が、6回3失点。高卒3年目の投手だけに、上出来だと思える数字だろう。しかし持っている能力のケタが違う。それだけに少し物足りなく感じてしまう。厳しく言っているわけではない。佐々木朗のピッチングは、それほど「すごみ」を感じさせるものだった。

立ち上がり、160キロ台の直球を連発し「日本人でこんな球を投げる投手がいるのか」と、思わず苦笑いしてしまった。昨年は思い切って腕を振ると制球が定まらず、手加減して投げているように感じたが、今季は違う。楽天の打者が気の毒に感じてしまうほどの球威だった。

物足りなく感じてしまうのは、誰もが投げられない直球を投げられる半面、誰でもできる技術が備わっていないからだ。

味方打線が1点を先取した直後の投球だった。3回、先頭の渡辺佳(左打者)に対し、初球154キロの真っすぐが外角にシュート回転して外れ、ボールになった。打順は7番で一番いけないのは四球だが、次球の真っすぐもボール。結局、5球真っすぐを続け、逆転の口火となる走者を四球で出してしまった。

佐々木朗は力でねじ伏せるピッチングはできるが、打たせて取る投球ができない。ストライクを取ろうとして投げると、ボールがシュート回転して制御できなくなる。力をセーブしても150キロ台の真っすぐを投げられるだけに、もったいない。1点を失った6回も、1番から始まる打順で、先頭の西川にストレートの四球を与えた。

走者を出してからのリズムも同じになってしまう。打者はタイミングを合わせやすいし、走者も走りやすくなる。キャッチャーがルーキー松川だけに、ベンチから指示を出して投球テンポを変えさせてやった方がよかった。ブルペンではリズムを変えて投げる練習をした方がいい。

これらの技術は、ローテに入っている投手でも出来ない投手はいくらでもいる。しかし、佐々木朗ほどの球が投げられれば、どれか1つの技術ができるようになっただけで、勝率はみるみる上がっていくだろう。

今季は抹消をせず、ローテーションに入って投げると聞いている。そうなれば、これまで登板経験が少ないだけに、技術は向上していくと思う。今まで見たこともないような、とてつもない投手になる姿を楽しみにしている。(日刊スポーツ評論家)

楽天対ロッテ 6回裏楽天1死二塁、浅村(左)に左前適時打を浴びるロッテ佐々木朗(撮影・鈴木正人)
楽天対ロッテ 6回裏楽天1死二塁、浅村(左)に左前適時打を浴びるロッテ佐々木朗(撮影・鈴木正人)
楽天対ロッテ 1回表楽天無死、西川から空振り三振を奪うロッテ佐々木朗(撮影・鈴木正人)
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サイバーエージェント、15分ウェブ会議 議論集中し即決 - 日本経済新聞

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04.15

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サイバーエージェント、15分ウェブ会議 議論集中し即決  日本経済新聞
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エンゼルス・大谷 22年初アーチは衝撃の初球先頭打者弾「いつ始まってもいいように準備はしてきた」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

エンゼルス・大谷 22年初アーチは衝撃の初球先頭打者弾「いつ始まってもいいように準備はしてきた」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

07.15
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オープン戦   エンゼルス―ホワイトソックス ( 2022年3月26日    グレンデール )

<ホワイトソックス・エンゼルス>初回、初球先頭打者弾を放つ大谷(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が26日(日本時間27日)、敵地グレンデールでのホワイトソックスとのオープン戦で初球先頭打者アーチを放った。先発右腕ベラスケスの初球を右中間スタンドに運んだ。

 大谷は同日の先発登板を回避し「1番・DH」で出場。試合前にキャンプ地テンピのフリー打撃で32スイングで、柵越え15本と仕上がりの良さをアピールしていた。

 その後の囲み取材では、登板回避理由について説明。「(開幕前に中5日を空けての登板が2回続くと)疲労がたまった状態で開幕を迎えなきゃいけないので、スケジュール的に難しい。試合数も少ないですし。その中でも実戦の感覚を養いながらしっかり、その中でベストな状態で上がれるプランを立てたつもりではあります」。開幕投手を告げられた25日頃に投手コーチに話し合った上で決めたという。

 打撃の状態ついては「こっち(米国)に来る前もライブBP(実戦形式の打撃練習)も立っていましたし、ある程度準備はしてきたので。(レギュラーシーズンが)いつ始まるか分からないっていうところありましたが、逆に言うといつ始まってもいいようにと準備はしてきたつもりなので、精いっぱい調整したいなと思っています」と話していた。

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スポーツ
大谷が登板回避 「故障ではない」と広報 - 産経ニュース

大谷が登板回避 「故障ではない」と広報 - 産経ニュース

04.15
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エンゼルスの大谷翔平(ゲッティ=共同)
エンゼルスの大谷翔平(ゲッティ=共同)

米大リーグ、エンゼルスは26日、大谷翔平が同日(日本時間27日)のホワイトソックス戦で予定していたオープン戦2度目の登板を回避すると発表した。球団広報によると、故障ではないという。試合には打者として「1番・指名打者」で出る予定。(共同)

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スポーツ
<今こそノムさんの教え(42)完>「感謝、感謝、感謝」 - 河北新報オンライン

<今こそノムさんの教え(42)完>「感謝、感謝、感謝」 - 河北新報オンライン

09.50
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 春は卒業の季節。この連載も一区切りします。今までお世話になった皆さんへ向けて、今回の語録は「感謝、感謝、感謝」。長文ですが、最後までお付き合いを。

 仰げば尊し我が師の恩―。試合前の東北楽天ベンチ、次から次と野村門下の卒業生たちが恩師のもとへやって来る。「お元気ですか」。監督はだいたい冗談で返す。「お前、遠い存在になったな。お前が引退して監督になったら、俺をヘッドコーチで使ってくれよ。いい仕事するぞ」

 ヤクルト監督時代の稲葉篤紀(日本ハム)、阪神での赤星憲広(阪神)、社会人シダックス監督での武田勝(日本ハム)、森福允彦(ソフトバンク)。ほかに井端弘和(中日)、G・G・佐藤(西武)の姿も。以前、野村監督が少年野球チームを指導した時に接点があった。稲葉を筆頭に、プロに導いてもらったと多少なりとも思っている人は、特に義理堅い。

 監督はある選手が来た後、特にうれしかった思い出を記者たちに語った。ヒントは野村監督退任2年後の2003年、阪神のリーグ制覇を支えた4番打者で選手会長。

 「『今になって野村監督が言っていた意味が分かる。おかげで優勝できた』みたいなコメントを新聞で見たんだ。そんなこと言ってくれたのは一人だけ。さほど教えた実感がなかった分、うれしかったなあ」。桧山進次郎のことだ。

 桧山は1998年まで中軸を打つ看板選手だった。しかし99年野村監督になると、控えが増えた。それでも2001年に外野の定位置を奪還。夏場以降4番に定着、自身初の打率3割を記録して復権。05年のリーグ制覇にも貢献。

 監督はあいさつに来た桧山を面と向かって冷やかした。「お前、すっかり立派になって。俺が阪神の時は今ほど働かなかったじゃないか」。桧山は苦笑いして「あの頃はまだ野球が分かっていなかったんです」。

 桧山はぼんやりとベンチにおらず、野村監督がぶつぶつ言う配球予想に耳を傾けていた。野村流勝負の駆け引きを学んだという。

 二人が旧交を温める姿を見て、筆者は野村監督の語録を2つ思い出した。

 「努力に即効性はない」

 すぐ結果に結びつかなくても辛抱強く頑張るのが大事、という意味。

 実際、野村監督の教えは一朝一夕では血肉化しない。人によっては言葉の意味が心から理解できるようになるのに、年単位で時間を要する。そもそも考え方から大人になる必要がある。ゆえに野村監督は言った。

 「人間的成長なくして技術的進歩なし」

 そんなこんなで、教えた本人も忘れた頃に、熟成期間を終え「門下生です」と名乗り出る選手がいた。桧山のように。しかし、東北楽天の選手たちはまた別の話。「種をまき、水をやり…」の段階だから仕方ないのだが、野村監督は指導成果を実感できずにいた。

 「王がうらやましいよ」。09年開幕前、今季限りでの退任が既定路線と言われてきた野村監督はぼやいた。引き合いは先にソフトバンク監督を退いた終生のライバル王貞治。

 「小久保(裕紀)とかがインタビューで言っているのをさ、聞いたことがあるんだ。『監督を胴上げしたい。男にするんだ』って。俺なんか言われたこともない。これは人望の差か?」

 単なるねたみにしか思えなかった。聞いた当時の筆者には。しかし13年が過ぎ、一つの問いかけが潜んでいたと気づく。

 「感謝」とは何なのか?
 そして野村哲学から筆者が推察した結論。感謝は周囲を生かし、よくしていくものだということ。そして「情け」ならぬ「感謝」は人のためならず、で自分にも巡り巡るもの。

 「野球は人生そのもの」を基本理念に監督は人生観を最重視して選手に伝えた。「『人の間』と書いて人間だ。人の間で人のためになってこそ人間なんだ」。

 そして次が最も重要な人生訓だ。

 「自分のために技術を高め、チームのために戦い、ファンのために勝利を見せる。それが家族のためになり、最後は自分に返ってくる。だから自分はまわりに生かされていると自覚し、感謝の心を持とう。そうすれば自分の向上心、他者との信頼、絆につながっていく」

 謙虚であってほしいから、慢心を排除させようとした。「自分を過大評価した時から、思考の硬直が始まる」「『おかげさま』という言葉が出てくるようでなければいけない」

 観念的な説明が長くなったが、詰まるところ、野村監督は野球という団体競技を通じて、感謝の気持ちのある自立した社会人を育てようとした。

 さて、当の野村監督は野球人生で頂点に立った瞬間、どんな振る舞いをしていたのか? 1993年、ヤクルトを率いて念願の日本一達成。その勝利監督インタビューに人柄がのぞく。監督の個人的心境への質問をかわして言った。

 「ファンの皆様、選手諸君、コーチ、球団の方々、本当に皆さんに感謝、感謝、感謝です」

 感謝のいわれは、感じた言葉を射るようにして相手に発することとされる。つまり、口にしてこそ感謝なのだ。

 「王がうらやましいよ」に話は戻る。本当に東北楽天に「野村監督を男にしたい」と感謝を公言する教え子はいなかったのか? 一人だけいた。苦難続きだったからこそ監督の数々の言葉を意気に感じ、別人のように生まれ変わった人が。

 時は初の2位に躍進した2009年秋。舞台は本拠地、3位ソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ第2戦だ。

 野村監督はほんの一瞬、恍惚(こうこつ)の表情を浮かべた。予期せず教え子に抱きしめられた。野村楽天の4年間、本拠地で一番と言い切れる幸せな瞬間。

 東北楽天に五回、4―0と一気に試合の主導権を握る3ランが出た。打った山崎武司がベンチに戻る。日本シリーズ出場を懸けた第2ステージ進出が事実上決まったような瞬間。球場は歓声の渦に包まれた。

 監督は珍しくベンチ前に出ようとした。普段は腰が重いのに。「危機管理する立場なのに、一緒に両手を合わせて大喜びする若い監督の心境が分からん」と言って。それが、ついうれしさからハイタッチを求めてしまった。すると山崎の巨体が迫る。監督はとっさに受け入れた。

 失意とやり場のない怒りに支配されていた監督の心は和らいだ。CS直前に球団から契約満了を告げられ、「日本シリーズまで進んで、球団を困らせてやる」とくそったれ精神に火が付いていたから。

 抱擁は山崎からの無言の感謝。どう見ても明らかだった。前日のCS第1戦開始直前「監督と少しでも長く試合をするんだ。今までどれだけ世話になったと思っているんだ」と恩義を言い、実際に2試合連続で一発を放ったのだから(第38回「くそったれ」参照)。

 山崎は理不尽さを嫌う性格が災いし、監督との関係がこじれて中日、オリックスで居場所を失った。球界ではちょっとした問題児的存在だった。ある年、優勝へと前進する劇的なサヨナラ弾を打った。その時の監督に山崎はわだかまりを抱いていた。だから監督が近寄り祝福の抱擁をしても、笑顔さえ見せなかった。

 それが野村監督には自ら抱きついた。

3ランを放ちベンチに戻った山崎武(手前)と抱き合って喜ぶ野村監督=2009年10月17日、Kスタ宮城(当時)

 東北楽天で「考える野球」に開眼。40代目前で本塁打、打点のタイトルを獲得し、輝きを取り戻したとはいえだ。「やんちゃだった頃に野村監督と出会っていたら、反発もしていただろう。俺も年齢を重ねて変わった」。野村監督もチームの模範となる「かがみの存在」と認めるほど、山崎は精神的にも成長していた。

 続くリーグ戦王者日本ハムとのCS第2ステージは劣勢が続いた。あと1敗で日本シリーズ出場が夢と消える第4戦試合前。「もし負けなら、野村監督を胴上げで送り出そう」とチームは裏で準備を進めていた。

 情報は筆者の耳にも入った。ベンチ裏、一人でいた山崎を見つけ、声を掛けた。彼は心から胴上げに賛成ではなく、少し不機嫌そうだ。そしていつも通りに問わず語りを始めた。

 「お前は『負けて胴上げなんておかしい、それが監督の花道になるのか』って言いたいんだろう。そんなの俺だって分かってる。監督にはやっぱり優勝の胴上げで晴れがましく喜んでもらいたい。そう願ってずっと戦ってきた。何より戦う今から負けた後を考えてちゃいけないだろう」

 試合後、野村監督は両軍選手によって宙を舞った。山崎はその下にいた。門下生の稲葉らと一緒に音頭を取って。

 「優勝の胴上げをしたい。そう心から思える初めての人だったのに。本当に悔しい」。山崎は試合後もただ無念そうにぽろぽろと涙を流した。見ている方までぐっと来るほどに。結実せずとも、感謝の気持ちを公言して最後まで戦い、散った彼の姿は輝いていた。

 時は流れて2021年。野村門下生の多くが指導者として花開いた。

 阪神、東北楽天で指導を受けた中谷仁が監督を務める智弁和歌山高は夏の甲子園大会で頂点に。東京五輪では稲葉監督率いる日本代表が金メダル獲得。そして秋には1993年野村ヤクルト初の日本一達成時の優勝投手、高津臣吾監督率いるヤクルトが日本シリーズ制覇した。

 年の瀬に明治神宮野球場で行われた「野村克也さんをしのぶ会」。高津監督は小春日和の青空を見上げ、弔辞を読んだ。

 「私の役目は野村野球を継承していくこと、残すこと。そしてそれに新しいものを加え、今の選手に伝えていくことではないかと思っています。頭でやる野球の遺伝子は今も、未来も生き続けています」

 そして最後、優勝投手として聞いたあの言葉で、恩義を表現した。

 「感謝、感謝、感謝」

 25日プロ野球が開幕した。今年こそ石井一久監督、田中将大投手がけん引する東北楽天の番。空の上からノムさんも見ている。いつものようにぼやきながら。

試合終了後、両チームの選手に胴上げされる東北楽天・野村監督。手前右は日本ハム・梨田監督=2009年10月24日、札幌ドーム

届いた封筒には…

 ここまで書き終えて、原稿を送ろうかと思った時。ちょっと不思議な出来事が起きた。ノムさん本人のメッセージが届いた。

 封筒には「感謝」と書いてある。差出人は遺族で「これからも父の記事を書き続けていただけたらと思います」。同封のQRコードにスマートフォンをかざすと、いつものぼやき声が聞こえてきた。

 「人間って人の間と書く。人と人の間で生きているんだ。それをついつい人間って言うのは忘れがちだ。そこに感謝が生まれてくる…。年寄りみたいなこと言ってすいません」

 ここに来てまたノムさんに背中を押されるなんて(第29回「河北新報を味方にできなかった」参照)。また機会を改めてノムさんの教えを語り継いでいかなくちゃ。「感謝」を忘れないために。
(一関支局・金野正之=元東北楽天担当、ツイッターのアカウント名は「金野正之@河北新報『今こそノムさんの教え』の人」)

[のむら・かつや]京都府網野町出身(現京丹後市)。峰山高から1954年にテスト生で南海(現ソフトバンク)へ入団、65年に戦後初の三冠王に輝いた。73年には兼任監督としてリーグ制覇。77年途中に解任された後、ロッテ、西武で80年までプレーした。出場試合3017、通算本塁打数657は歴代2位。野球解説者を経て、90年ヤクルト監督に就任し、リーグ制覇4度、日本一3度と90年代に黄金時代を築いた。99年から阪神監督となるも3年連続最下位に沈み、沙知代夫人の不祥事もあって2001年オフに辞任。社会人シダックスの監督を経て、06年から東北楽天監督に。07年に初の最下位脱出し、09年には2位躍進で初のクライマックスシリーズ進出に導いた。監督通算1565勝1563敗76分けで、勝利数は歴代5位。20年2月11日、84歳で死去。

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