メキシコ国境から米国入りを目指す中南米の移民希望者に対し、新型コロナウイルスの感染拡大を理由とした「門前払い」が続いている。亡命申請も出せないまま米国外に送還された移民希望者は昨年だけで約111万人に上った。移民に寛容な姿勢をアピールしてきたバイデン政権だが、実際にはコロナ禍を盾に移民を排除しているとの批判が根強い。
世界有数の犯罪都市として知られるメキシコ北部シウダー・フアレス。2020年の殺人件数は1642件で、人口10万人あたりでは首都メキシコ市の7倍以上に達する。貧困層が多い一角に、移民希望者向けのシェルター「サン・マティアス」はある。鉄条網付きの白壁に囲まれ、出入り口は常に施錠されている。
滞在する移民希望者たちは、豚や鶏などを飼育し、ビニールハウスではレタスなどの野菜も栽培する「半自給自足」の生活を送る。
シェルターは、キリスト教会が所有する土地に19年5月に設立された。3月現在、メキシコやグアテマラ、エルサルバドル、ベネズエラなど中南米を中心とした移民希望者約50人が滞在し、半数を子供が占める。
滞在者の多くは、正規の手続きを経ずに米国に入国後、移民・関税執行局(ICE)などに拘束され、メキシコに送還された人たちだ。暴力や貧困から逃れるため、米国への亡命を目指す。
メキシコ中部出身のヤディラ・バルガスさん(35)は、夫(39)と息子(12)と既に約8か月間滞在する。「暴力や誘拐が
「半自給自足には食費の削減にとどまらず、暴力から逃れてきた人々の心を癒やす一種のセラピー効果もある」。シェルターを運営するヘクター・トレホ神父(42)は語る。
からの記事と詳細 ( 「トランプ政権と変わらない」…コロナ禍理由に移民希望者を111万人「門前払い」 - 読売新聞オンライン )
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