昨年12月25日にエリザベス英女王が滞在するウィンザー城に、クロスボウ(洋弓銃)を持った男性が侵入し逮捕された事件で、検察は2日、この男性を反逆罪で起訴した。
ジャスワント・シン・チャイル被告(20)は、殺害の脅迫と武器所持の罪でも起訴された。
サウサンプトン出身のチャイル被告は現在、勾留されており、8月17日にウェストミンスターの治安判事裁判所に出廷する予定だ。
この事件をめぐっては、ロンドン警視庁のテロ対策部隊が捜査を行った。
チャイル被告は昨年のクリスマスの12月25日、午前8時半に逮捕された。ロンドン警視庁によると、被告はウィンザー城の敷地に入って「すぐに」呼び止められており、建物などには侵入していないという。
エリザベス女王は通常、ノーフォークのサンドリガム邸でクリスマスを過ごすが、昨年はウィンザー城に滞在していた。
クリスマス当日には長男のチャールズ皇太子と妻のコーンウォール公爵夫人カミラさん、三男のウェセックス伯爵夫妻と昼食を共にする予定だった。
今回、チャイル被告に適用されたのは、1842年に制定された反逆法2項で、「女王陛下にけがを負わせたり脅迫したりする目的で、銃火器の発砲や狙撃、およびあらゆる攻撃材料や武器の投てきや使用を行うこと」に当たると、ロンドン警視庁は説明した。
1842年反逆法では、女王に危害を加える行為に加え、女王にけがを負わせたり脅迫したり、平和を乱すために、女王のいる場所で重火器などの武器を所持することを禁じている。
1981年には、祝賀パレード「トゥルーピング・ザ・カラー」に馬に乗って参加していたエリザベス女王に向けて空砲を撃った男性が、この法律にのっとって禁錮5年の有罪判決を受けている。
(英語記事 Treason Act charge after Windsor Castle incident)
提供元:https://www.bbc.com/japanese/62402981