リーグ戦のポスターを眺め、試合に関心を抱く宿泊客＝福島市・吉川屋
東都大学野球一部の秋季リーグ「ＰＲＥＭＩＵＭ ＵＮＩＶＥＲＳＩＴＩＥＳ２２」開幕戦が９月３、４の両日に福島県で開催されるまで３週間を切った。同リーグはプロ野球選手を輩出し「実力の東都」と評される。試合に加え、球児と選手が遊びを通して交流する時間もあり、野球少年らは「レベルアップにつなげたい」と心待ちにする。選手らが滞在する宿泊施設や地元の飲食店はポスターを掲示し、機運の盛り上げに一役買う。関係者は地域活性化と福島の魅力発信の好機にと意気込んでいる。
東都大学野球連盟は試合当日、子どもと各大学の選手が交流する場として、試合の合間などにスピードガンコンテストやベースランニング大会を計画している。全国屈指の実力を持つ大学生のパワーやスピードに触れ、上達意欲を高めてもらう。試合には高校生以下を無料招待し、多くの人に観覧の機会を提供する。
福島県での開幕戦開催に尽力した大城宏之さん（６５）＝前亜細亜大野球部ＯＢ会副会長、郡山市＝は「例年、１０人程度がプロ入りする東都の迫力を間近で感じてほしい。福島の良さをアピールする機会にもしたい」と来場を呼びかけている。
郡山市の郡山リトルリーグで主将を務める本田恵生（けい）君（１１）＝金透小６年＝は「コロナ禍でもレベルの高いプレーが見られて光栄」と地元開催を喜び、「外野手の動きや声かけ、走者の打球判断を学びたい」と観戦を待ちわびている。
開幕前日の９月２日は午後５時半から郡山市のＪＲ郡山駅西口広場で前夜祭を催し、選手、元プロ野球選手と県民との交流の機会をつくる。
一部に所属する６校の選手がメッセージ映像を寄せ、各校の応援団とチアリーダーがステージを繰り広げる。各校野球部ＯＢによるトークショーは駒沢大出身の中畑清さん（矢吹町出身）、パンチ佐藤さん（元オリックス、亜大）、笘篠賢治さん（元ヤクルト、中央大）らが出演する。
■福島県産食材料理で魅力をアピール 宿泊施設
東都大学野球連盟によると、一部所属の６大学から選手、スタッフら約２４０人が来県する。福島市飯坂町の穴原温泉・吉川屋には青山学院、日本、中央の３大学、郡山市の磐梯熱海温泉・ホテル華の湯には亜細亜、国学院、駒沢の三大学の関係者が宿泊する。他にも応援団などが県内に宿泊する。
両宿泊施設とも、牛肉や野菜、コメなど県産食材を使った料理を振る舞う。館内でポスターを掲示し、宿泊者らに開催を周知している。吉川屋営業課長の清水亘さん（５７）は、宿泊者から関心が寄せられ、機運の高まりを感じている。「力あふれるプレーで県民に元気を届けてもらいたい」と期待する。ホテル華の湯営業支配人の増子浩之さん（６１）は「また来てもらえるよう、福島の魅力を伝えたい」と力を込める。
郡山市内には応援団ら関係者が多く滞在する。ＪＲ郡山駅前にある飲食店「一平」代表の渡辺英男さん（５５）は「人の流れができれば経済も回るはず。安心して来店してもらえる環境づくりを心がける」と準備を進めている。
■東都大学野球加盟大学
１部＝亜細亜大、国学院大、駒沢大、青山学院大、日本大、中央大
２部＝東洋大、専修大、拓殖大、立正大、東京農大、国士舘大
３部＝学習院大、順天堂大、大正大、一橋大、上智大、帝京平成大
４部＝成蹊大、芝浦工大、東京都市大、東京工大
※東都大学野球１部秋季リーグ開幕戦
９月３日は福島市の県営あづま球場、４日は郡山市のヨーク開成山スタジアム（開成山野球場）で３試合ずつ行う。１勝１敗となったカードのみ、５日にヨーク開成山スタジアムで第３戦を実施する。対戦カードは両日とも亜大｜日大、国学院大－青学大、駒大－中大。試合開始は３日が午前１０時、４日が午前９時。チケットは１５００円で、各球場で当日券を発売する。高校生以下は無料。地方での開幕は初の試みだった今春（大分市）から２季連続となる。
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