入管法案「厳正対処に必要不可欠」技能実習「抜本的に見直す」外国人との共生めざす政党はどこ?【参院選2022】 - ハフポスト日本版

入管法案「厳正対処に必要不可欠」技能実習「抜本的に見直す」外国人との共生めざす政党はどこ?【参院選2022】 - ハフポスト日本版

14.15

7月10日に投開票の参院選。もちろん外国籍の住民に投票権はない。

だが、この秋には、技能実習制度や特定技能制度の見直し、昨年廃案になった入管法案の再提出など、外国人の受け入れに関わる議論が繰り広げられる見通しだ。直接的には「票にならない」外国人労働者や難民をめぐる問題を、各政党はどう考えているのかーー。

NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、NHK党の9政党に「技能実習制度を廃止すべき」「入管法案を再提出すべきでない」など11項目への賛否を尋ねるアンケートを実施し、全政党から回答を得た。

各項目への「賛成」は、外国人の保護や権利の保障に前向きな姿勢を示す。

◯は「賛成」、×は「反対」、△は「どちらでもない」
◯は「賛成」、×は「反対」、△は「どちらでもない」

移住連の資料をもとにハフポスト日本版が作成

移住連は「参院選後の国会は、日本が移民・難民の人権と尊厳が保障される制度を構築していくのか、これまでと変わらず、それらが欠如した制度を続けていくのかを定める場になる可能性がある」と指摘。参院選は「日本の将来を方向づける上でも、今後の国会運営への影響という意味でも重要となる」としている。

■自民「入管法案、厳正対処に必要不可欠」

自民党が「賛成」を示したのは 11項目のうちゼロ。

難民申請者の「送還忌避罪」などを盛り込む入管法案を「再提出すべきでない」との項目には「反対」と答えた。法案は2021年に廃案となったが、政府は参院選後、国会に再提出する可能性があると報道されている。

自民党は「我が国で重大な犯罪を犯すなど、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度とするためには、現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠」との見解を示した。

「特定技能」の労働者に「滞在1年目から家族帯同を認めるべき」との項目にも「反対」と表明。「一定期間の在留後、出国が予定されている在留資格で滞在する外国人について、その子弟の教育など家族にかかるコストを含め、社会全体としてそのコストを負担することのコンセンサスが得られているとは認められない」と理由を説明した。

「技能実習制度は廃止すべき」、外国人に対する日本語教育を「国の責任で実施すべき」との項目には、「どちらとも言えない」と答えた。

■立憲「技能実習、抜本的に見直す」

立憲民主党は「技能実習制度は廃止すべき」との項目に「賛成」を表明した。「人権侵害や労働法令違反が頻発している外国人技能実習制度を抜本的に見直し、外国人労働者が国内労働者と同等に保障され、保護される環境を整える法案を検討している」と説明した。

入管法案を「再提出すべきでない」との項目にも「賛成」と答えた。「政府が提出した入管法案は、国連が繰返し勧告してきた、期限に上限のない収容や厳しすぎる難民認定基準などが全く是正されていない」と指摘。

難民条約上の難民ではないものの、難民に準じて保護すべき外国人を 「補完的保護対象者」(準難民)として、難民と同様に日本での在留を認める手続きを設ける仕組みに触れ「国際基準とはかけ離れたもので、かつ依然として入管庁の恣意的な裁量のもとにあり、全ての紛争難民が救われる制度となっていない」と批判した。

「特定技能」の労働者に「滞在1年目から家族帯同を認めるべき」、永住・定住外国人の「地方参政権を認めるべき」との項目には「どちらとも言えない」と答えた。

■公明「外国人地方参政権、意思を反映させて然るべき」

永住・定住外国人の「地方参政権を認めるべき」との項目には「賛成」と答えた。「日本人と同様に納税し、地域社会にも貢献していることを踏まえ、日常性の意思を反映させて然るべき」と見解を示した。

外国人に対する日本語教育を「国の責任で実施すべき」にも「賛成」を示した。「在留外国人などが増加する一方で、日本語学習ニーズの多様化・高度化に対応する環境整備はまだ十分とは言えない」とした上で、「子どもを含めた外国人などが日本語を学べる機会を充実するとともに、地域における多文化共生社会を実現するための取り組みを政府に提言している」と述べた。

それ以外の項目には全て「どちらとも言えない」と答えた。特定技能の労働者の滞在1年目からの家族帯同について「外国人家族への教育費や医療費など、国が負担するコストについても様々な指摘がある」と述べた。入管法案については「在留を認めるべきものは適切に保護した上で、国内で重大な犯罪を犯したことのある外国人については厳正に対処すべき」と認識を示した。

◯は「賛成」、×は「反対」、△は「どちらでもない」
◯は「賛成」、×は「反対」、△は「どちらでもない」

移住連の資料をもとにハフポスト日本版が作成

■維新「難民の強制送還も合理性ある」

日本維新の会は入管法案を「再提出すべきでない」との項目に「反対」を表明。「紛争避難者を『準難民』として補完的保護の対象とし、難民に準じた扱いを可能とする制度の創設は必要」と説明。その上で、「不法在留の外国人の収容長期化を避けるため、難民認定手続きの申請3回目以降は強制送還を可能とすることも合理性がある」と見解を示した。

「入管施設への収容は司法の判断を必要とし、最長収容期間を設定する」との項目には「賛成」と答えた。「入管施設への収容は、人権を著しく制約しかねないため、例外的な最終手段とすべき」として、「無期限収容のあり方を見直す必要がある」と説明。その上で、「同時に、収容を免れた外国人が強制送還されるまでの管理体制の強化、徹底を図ることは当然」とした。

技能実習制度の廃止については「どちらとも言えない」と答えた。「本来の制度の趣旨に則り、適切に運用されることが不可欠」とした上で、「実態をつぶさに調査し、外国人労働者が『労働力の受給調整手段』として使われてきた状況や劣悪な労働環境、人権侵害などについては抜本的に是正、改善を行い、適切な受け入れを推進すべき」と述べた。

■国民「ヘイトスピーチ対策の取り組み拡大」

国民民主党は、「在留資格や住民登録の有無にかかわらず、在日外国人の健康保険加入を認めるべき」との項目に「反対」と答えた。「健康保険を含む社会保障制度は日本国民にとって非常に重要なもの」とした上で、「在留資格や住民登録の有無にかかわらず在日外国人全ての加入を認めるべきという質問は、質問自体が不適切」とみなした。

「現在でも日本での医療保険利用を目的とした訪日、在住のケースも見受けられることから、早急な実態把握と改善策を講じることが必要」と述べた。

唯一、賛成したのは「差別禁止法を制定すべき」との項目だった。「『ヘイトスピーチ対策』への取り組みを拡大し、人種・民族・出身などを理由とした差別を禁止する法律の制定など、国際人権基準に基づき、差別撤廃に向けた取り組みを加速する」と述べた。

それ以外の項目には全て「どちらとも言えない」と答えた。技能実習制度の廃止について「実情に問題があるのは事実であり、どのように是正するかが課題」としつつ、「すでに日本の産業界、経済界などに深く組み込まれていることから、即座に廃止することは現実的ではない」との見解を示した。

■共産「技能実習、直ちに廃止すべき」

共産党は、全項目に「賛成」と答えた。

技能実習制度の廃止について「(実習生は)人手不足の労働現場、しかも多くは劣悪な環境下で、安価な非熟練労働を担わされている。ほとんどの場合、職場を替わることもできない」と指摘。

「最低賃金法違反、暴力やハラスメント、強制帰国の脅しなど許されない実態がある」とした上で、「労働者としての権利も基本的人権も保障されていない働かせ方であり、直ちに廃止すべき」と述べた。

さらに「技能実習制度が人権侵害である理由の1つが、家族帯同を認めない点」と指摘し、特定技能の労働者に滞在1年目から家族帯同を認めることについて賛成を表明した。

入管法案については「ウィシュマさん死亡事件をきっかけに廃案にせざるを得なかった重大な問題のある法案を、ウクライナ難民の保護を口実にして、再度提出しようという動きに強い憤りを感じる」と述べ、法案は国際基準に抵触するとして「再提出は許されない」と述べた。

■れいわ「入管職員に人権研修を徹底」

れいわ新選組は、全項目に「賛成」と答えた。

技能実習制度「米国国務省は2007年以降、毎年、人権侵害状況を非難している」と説明。「国連人種差別撤廃委員会は日本政府に対して勧告を繰り返している」とした上で、「制度は早急に廃止すべき」との見解を示した。

入管法案「送還忌避罪の創設などは、許しがたい人権侵害」として、再提出に反対を表明した。

入管施設への収容については「行政が恣意的な判断をするのではなく、司法手続きによって行われるべき」との見解を示した。「被収容者が劣悪な環境の中で長期間収容される現状を早急に改善する必要がある」とした上で、「入管職員に対して人権研修を徹底し、収容期間については法律で上限を定めるべき。ウィシュマさんのような犠牲者をこれ以上出すことは許されない」と述べた。

外国人に対する日本語教育については「外国人の社会参画は、日本が共生社会として発展する原動力となるに違いない」として、政府が公費を投入することにより学習機会を保障すべきだと主張した。

■社民「技能実習、身分保障ある新しい制度に」

社会民主党は、全項目に「賛成」と答えた。

2021年に廃案となった入管法案「難民申請をしている外国人でも強制的に母国に送還されることや、退去命令に従わない人に罰則を設けるなど、難民条約違反」と指摘。「ロシアのウクライナ侵攻による難民保護にこじつけて再提出することは許されない」と見解を示した。

技能実習制度「実態は安価で使い捨てのできる労働力となっている」とした上で、「暴力、搾取など人権侵害が深刻。制度は廃止し、労働者として身分保障を整えた新しい制度にすべき」と述べた。

永住・定住外国人について「外国籍であっても自治体の住民として生活し、納税を始めとする一定の義務を負っている人々が住民自治の担い手になることは当然」とした上で、地方参政権を認めることに賛成した。

在留資格や住民登録のない在日外国人の健康保険加入について「人道的な観点から、条件を緩和すべき」との認識を示した。

■NHK「帰化制度変更、10年後に再審査」

NHK党が唯一、「賛成」と答えたのは、入管法案を「再提出すべきでない」という項目。「『補完的保護』という言葉の定義が曖昧」と指摘した上で、「難民認定手続きで難民妥当性を否定された者が補完的保護の対象から外され、人道配慮を要する(難民条約で定義された)難民が保護を受けられなくなることを危惧する」と主張した。

外国人に対する日本語教育を「国の責任で実施すべき」との項目には、全政党の中で唯一、「反対」を表明した。

「日本語教育推進法は、外国人への日本語学習の機会を促進するのみならず、職場などでの外国人の受け入れのための環境整備も図る機会を提供することを促進する目的もある」と説明。「外国人の日本語能力以上に問題となるのは、日本語教育者や国や自治体と企業とのギャップが大きいこと」との認識を示した。

NHK党は自由記述欄に「帰化制度に関して改善を図りたい」との考えを示した。「思想条件に関して、例えば10年後に再審査を行うなど、国家の安全保障にも関わることなので、念には念を押すような制度とするべき」と説明した。

〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉

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バングラの石炭火力支援を中止 外務省「国際議論の潮流踏まえた」 - 朝日新聞デジタル

バングラの石炭火力支援を中止 外務省「国際議論の潮流踏まえた」 - 朝日新聞デジタル

13.15

 外務省は22日、バングラデシュ南東部マタバリ地区での石炭火力発電所の建設計画(第2期)について、円借款による支援を中止すると発表した。小野日子(ひかりこ)外務報道官は記者会見で「石炭火力をめぐる国際的な議論の潮流も踏まえ、現地政府とも協議のうえ、これ以上進めないことにした」と述べた。

 この発電所は約600メガワット2基からなり、2020年8月に両国で実質合意。今年1月に環境への影響などの事前調査を終えたが、着工はしておらず、借款も始まっていなかった。

 昨年6月に英国で開かれた主…

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「前線の作戦任務」議論 党軍事委2日目―北朝鮮 - 時事通信ニュース

「前線の作戦任務」議論 党軍事委2日目―北朝鮮 - 時事通信ニュース

12.15

2022年06月23日09時17分

朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第3回拡大会議に参加する北朝鮮の金正恩総書記(左から3人目)=21日(朝鮮通信・時事)

朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第3回拡大会議に参加する北朝鮮の金正恩総書記(左から3人目)=21日(朝鮮通信・時事)

 【ソウル時事】23日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮で22日、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議の2日目の会合が開かれた。金正恩総書記の指導で、軍の前線部隊の作戦任務の追加確定や作戦計画の修正、組織改編について議論した。核開発に関し、同通信は伝えていない。
 正恩氏は「前線部隊の作戦能力を高める」重要性を強調したとされる。韓国などを念頭に軍事能力を高める方針とみられるが、作戦の具体的な中身は明らかにされていない。拡大会議はさらに続く見通し。

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KPMG全米女子プロゴルフ選手権に出場する渋野日向子の大会前インタビューが届きました【動画】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net - ゴルフ情報ALBA.Net

KPMG全米女子プロゴルフ選手権に出場する渋野日向子の大会前インタビューが届きました【動画】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net - ゴルフ情報ALBA.Net

10.15
tinggalaja.blogspot.com

今季のメジャー3戦目となる「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に出場する渋野日向子。前週は予選落ちと振るいませんでしたが、大舞台で結果を残してきた渋野。調整はうまくいったのか。大会前日のインタビューをお届け!

メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権
◆放送予定
<第1日> 6/24(金)午前0:00〜[WOWOWライブ]※無料放送・配信
<第2日> 6/25(土)午前0:00〜[WOWOWライブ]
<第3日> 6/26(日)午前2:00〜[WOWOWライブ]
<最終日> 6/27(月)午前2:00〜[WOWOWライブ]
★連日生中継&WOWOWオンデマンドにて『日本人選手専用カメラ』ライブ配信

【WOWOW LPGAオフィシャルサイト】 www.wowow.co.jp/sports/lpga/

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スポーツ
みんな、誰にも言えない「秘密」を抱えて生きている。瑞々しい青春群像劇【シンガー・ソングライターUru初短編集『セレナーデ』より表題作「セレナーデ」試し読み#2】 - カドブン

みんな、誰にも言えない「秘密」を抱えて生きている。瑞々しい青春群像劇【シンガー・ソングライターUru初短編集『セレナーデ』より表題作「セレナーデ」試し読み#2】 - カドブン

14.50
comot.prelol.com

シンガー・ソングライターUruの初短編集! 自身の楽曲をもとに描く、脆くて眩しい3つの物語
『セレナーデ』

ドラマ『中学聖日記』『テセウスの船』『推しの王子様』、映画『ファーストラヴ』などの主題歌を続々とヒットさせ、第62回「輝く!レコード大賞」にて特別賞を受賞した、シンガー・ソングライターUruの短編集『セレナーデ』が発売。
ファンクラブ会員限定で発表している自身の曲を素に書かれた短篇「しあわせの詩」「鈍色の日」、そこに書き下ろし「セレナーデ」を加えて刊行いたしました。
また、「セレナーデ」は楽曲にもなり、ドラマ日曜劇場「マイファミリー」の主題歌「それを愛と呼ぶなら」のカップリングに収録されています。
今回は表題作「セレナーデ」の冒頭部分を特別公開します。お楽しみください。



▼Uru『セレナーデ』特設ページはこちら
https://kadobun.jp/special/uru/serenade/

『セレナーデ』より表題作「セレナーデ」試し読み #2

摂食障害で悩んでいる、高校三年生の葵。ある出来事を境に、恋人や幼馴染との関係が崩れていく。

 午前中の授業が終わると、みんなは屋上に向かった。天気のいい日はだいたい屋上でお弁当を食べている。隼人と一緒に食べる時以外は私もみんなと一緒に食べていた。屋上に向かう階段の途中、湧き上がって来る欲求に負けてとつに噓をついた。
「ごめん、やっぱり今日隼人と食べるね!」
 結菜は少し驚いた顔をしたものの、
「おっけー。じゃまたあとでね」
 と何も疑うことなく返してくれた。
 鞄を持ったまま、人のいなそうな場所を考えながら歩いた。お昼休みは四十五分間。早く場所を決めたいという焦りで呼吸が速くなる。体育館の倉庫は、お昼を食べ終わった生徒が体育館に遊びに来ることが多く、開けられたら見つかってしまう。音楽室、図書室、化学室。どれも条件には当てはまらなかったが、一つだけ良い場所があることに気付いた。
 調理室。
 一限目でも行った調理室は別棟にあり、生徒の出入りも滅多にない。万が一の火災の事を想定してなのか、別棟の一番奥に位置しており、とても都合の良い場所だった。
 調理室に入ると、入り口から見て調理台によって死角になる床へ腰を下ろし、鞄に詰め込んだコンビニの袋を勢い良く取り出した。クロワッサン、メロンパン、蒸しパン、チョコレート。食べた袋を片付ける時間さえもつたい無いという思考が、自分の周りをゴミで汚していく。
 こんな異常な食欲の中でも、最小限に抑えることができるようにというほんの少し残っていた自己抑制が、炭酸水のキャップを開ける。狂った満腹中枢でも、炭酸水を飲めばそれなりに満腹を早い段階で感じる事ができた。家ではない場所での過食の際はいつも、炭酸水も一緒に買う事にしていた。
 その時、制服の右ポケットに入れていたスマートフォンが震えたのがわかった。左手に菓子パンを持ちながら、右手でスマートフォンを取り出す。
『葵、今日一緒に帰れる? 俺今日サッカー無くなった。』
 隼人からだった。真っ先に一緒に帰れない理由を探した。過食の後に必ず襲ってくるけんたい感と眠気、無力感、虚無感。これらを知っているから、今日は一人で早めに帰って部屋でゆっくりと眠りたかった。
『ごめん、今日ちょっとお母さんと約束あってさ。早めに帰る予定だったんだよね。』
『お母さんか。じゃ俺も早めに帰るからさ。』
 小さくためいきをつく。一緒に帰れない理由が無い。学校から家までの間の道をただ一緒に歩けばいいだけの事。本当なら自転車で帰りたかった。他に隼人が納得できそうな理由も思いつかず、『わかった』という一言とスタンプで返した。
 隼人は、恋人とはできる限り一緒にいたいタイプで、どちらかというと女性らしい恋愛観の持ち主だった。時々それが苦しくもなったけれど、子どものように寂しがる姿が可愛くて、胸の奥がくすぐったくなる瞬間だって沢山ある。自分の事を好きでいてくれているという安心にもなったし、何より自分を求めてくれている事がうれしかった。
 昼休みが終わる十分前、家から持ってきた下剤を急いで口に放り込んだ。飲んでからお腹が痛くなるまでの時間はだいたい六~八時間くらいだ。経験を積んでいくうちに習得したことのうちの一つ。学校はもうとっくに終わっている時間で、おに入る前か寝る前くらいだろうと思った。
 下剤を飲むということも常習化していた。過食ではなくとも、毎晩下剤を飲み、翌朝トイレに行った後に必ず体重計に乗る。これが日常のルーティーンだった。
 家族には、便秘気味だという理由で通していた。怪しまれないようにという理由と、自分なりに体のことも考えて、家にいる時はセンナという化学的な薬品ではない生薬を使っていた。下剤を飲む前はどんな風に便意を感じていたかも忘れてしまうほど、お腹の痛みは日常的だったし、その痛みで食べたものが体外へ排出されるという安心感さえ得ていた。
 自分の周りに散らかっているゴミを袋の中へ片付け始めた時、調理室の前方の入り口から誰かの足音がした。下半身から頭頂部まで一気に鳥肌が立ち、息が止まりそうになりながらその方向を見た。
「え……? 葵……?」
「陽……」
 入って来たのは、陽だった。
「あ、てことは、隼人君もいる?」
「あ…………えっと……」
 返答に戸惑っているうちに陽は私の近くに来て足を止めた。
「…………」
 陽は、私の周りに散らばっているたくさんのゴミや食べこぼしたパンのくずを見て固まっていた。
「隼人は……。もう先に……行ったの……」
 陽は何も言わずにゆっくりと視線を私に向けた。
 こんなに人間の黒目の動きに注目したのはきっと生まれて初めてだと思う。陽の黒目は、私の目を貫いて止まった。
「そう……か……」
 状況の異様さに言葉を詰まらせた陽がやっと絞り出した言葉だった。
「ごめん、汚いよね! 隼人、先に行っちゃうから私、」
 そこまで話して、笑顔を作っていたはずの自分の頰に、湿ったものが伝っていくのがわかった。泣いていた。
 こんな姿を見られてしまった事と、病的な食欲を抑えることができず校内で過食してしまった自分への罪悪感、嫌われてしまうのではないかという恐怖感、全てが一気に押し寄せてきた。取り繕う余裕もなく、あふれてくる涙をそのまま床へ積もらせていく。それまで聞こえなかった別棟にいる生徒たちの声や窓の外を走る車の走行音が調理室に響き渡っている。
 その音とは別に、すぐ近くで服の擦れる音がした。
「まあ、とりあえずもうすぐ授業始まるから片付けて行こうか」
 陽はそれ以上何も聞かず、しゃがみながら菓子パンの袋をコンビニの袋の中に入れて行く。
「ごめん……」
 蚊の鳴くような声でやっと音になった言葉は、誰に向けた言葉なのかわからなかった。
「あーでも、なんか授業戻れるような感じじゃない……か……。サボるか!」
「え……?」
「いや、久しぶりにさ。ちょっと具合悪いから保健室行ってますって言ってくれって大史に頼んどくからさ」
「陽……ありがとう……」
 陽はポケットからスマホを出して連絡している様子だった。
 その間私は、鞄の奥のポーチからもう一度下剤を取り出し、陽に背を向ける位置にある調理台の水道の前に立った。今食べた量ではさっき飲んだ下剤だけでは出し切れない。なんの医療的な根拠もないが、飲み足りなかったときの後悔と太ってしまう恐怖から逃れるようにもう一度口に下剤を含んだ後、両手をコップ代わりにして水を飲んだ。
 振り返るとまだ陽はスマホをいじっていたが、よく見れば、文字を打っているような指の動きはなく、手で持って眺めているだけのようだった。
 陽は昔からその場の雰囲気や空気に敏感で、何かしら抱え込んでいるようなクラスメイトにそっと寄り添える優しさを纏っていた。空気を読むのが得意なために、自分の要求や思っている事を表に出さずに我慢してしまう傾向があることも、長い付き合いの中で垣間見て来た。
「よし、おっけ」
 私の動きが止まっている事を察したのか、陽が口を開いた。
「陽、いいよ。私保健室一人で行けるから、陽は授業出ないと。もうすぐテスト期間入るしさ」
「いいのいいの。目の前で泣かれたらほっとけないでしょーよ」
 陽はわざと嫌味っぽく笑って返した。
「本当ありがと」
「別に保健室行かなくても、ここでもいいし。動くのだるいでしょ」
「そう……だね……」
 陽は、窓際に重ねて並べられた丸椅子を調理台の横に二つ並べた。ゆっくりと座り、こちら側を振り向きながらもう一つの椅子をぽんぽんと手で軽くたたいた。
 私はうつむきながらゆっくりと陽の隣に座った。すとんと腰を下ろした後両手を調理台の上に下ろすと、ひんやりとした冷たさが心臓を震わせた。
「てかさっきの授業って、テストとなんか関係あるんかな。全然ノートとらなかったんだけど」
「いつもあんまりノートとってないじゃん」
「いやいや、とってるし」
 陽は、私が話すまで自分から何も聞こうとしなかった。努めて明るくしようとする優しさに、逆に胸が苦しくなる。
「あのさ、私、たぶん…………たぶんだけど、摂食障害っていうのなんだよね」
 陽はゆっくりと私の方に振り向き、少し間を空けてから返した。
「たぶん?」
「あ、いや、病院とか行ってなくて……。自分で症状をネットで検索したら出てきた」
「なるほどね」
「ごめん、ひいたよね」
 大した話ではないのだという事を装い、笑いながら自分をおとしめた。
「いや。俺さ、葵の様子がおかしいなぁって思うこと前に少しあって、だんだんせてくしなんかあったのかなって思ってたんだよね。そしたら、ちょうどテレビだったかでその摂食障害? っていうやつやってて。もしかしたらそうなんかなぁって思った事は正直あった」
「そうなんだ」
「隼人君には?」
 この質問に、思わず目をらした。そして、ゆっくりと首を横に振った。
「まぁ、嫌われるかもって思うと、好きな人には言えないよなあ、わかるわ」
「隼人も隼人でなんとなく私に言えない事っていうか悩んでること? ある気がするし、自分のことなんて話せない。あと……嫌われるの……怖い」
「そりゃそうだよな。まーでも、とりあえず病院には行った方がいいんじゃない? 隼人君に話すことになる前に治せたらラッキーじゃん」
「そうなんだけどさ、なんか、いま一歩勇気出ないっていうか」
 いつからこんな事になっていたのか、今どんな風に毎日を過ごしているのかを、不思議なほどに素直に話すことができた。
「なんか、陽に話してたらちょっと勇気出てきたかも。とりあえず親にも話して一緒に病院行ってみる。お母さんには、もう気づかれているかもしれないし」
「そうしな。それがいいと思う。俺が出来ることならなんでも協力するし、話聞くだけなら俺でも出来るからさ! あ、でもあんまりでしゃばると隼人君に怒られそう…」
「隼人にも、話すべき時が来たらちゃんと話そうと思ってる。できればその前に治したいけどね……」
 こぼした涙と鼻水をいたティッシュを集めながら陽を見ると、陽は昔から変わらない優しい笑顔で私を見ていた。
「あ、てか陽は調理室に何しに来たの?」
「ああ!!!!!!!!!!」
 陽は大きな声を出しながら調理台に両手を突いて立ち上がった。
「ロッカーのかぎ忘れたんだよね。たぶんここだと思うんだけど……」
「うわ……らしいわー……。昔から忘れ物ばっかしてたもんね」
「頼む葵、一緒に探してくれ…」
「そのつもりですー」
 陽は、授業中自分が座っていた調理台の引き出しを引いていたが、そこには無かったのかけんしわを寄せながら首を傾げた。私は先生の調理台の上や出入り口付近を四つんいになって探した。
「あった?」
「ないー」
「てか本当に調理室なの?」
「だと思うんだけど……」
 調理台と調理台の隙間から、陽もまた四つん這いになって探している姿が見え、この妙な光景が可笑しくなって一人でクスクスと笑ってしまった。
「笑うな」
「あ、ごめんごめん。なんか面白くて」
 その時、視線の先にクロムメッキの小さな塊が対角線上の調理台の角に落ちているのが見えた。
「あ!!!」
 四つん這いのまま急いで駆け寄ると、その途中で何かにぶつかった。
「いったぁ……!」
 額を押さえながら顔を上げると、すぐ目の前に陽の顔があった。前髪が触れる距離にある陽の顔。長い間一緒にいたけれど、こんなに近い距離でまじまじと顔を見つめたのは初めてだと思う。数秒間の沈黙と共に額の痛みが放散したのだろうか。胸で小さく脈を打った。
「あ……ごめん……」
「ごめん……」
「あそこ……鍵じゃない?」
 陽は、泳がせた視線を私が指差す方向へ向けた。髪の毛をグサグサときむしりながら片足ずつ立ち上がり、その場所へと取りに向かった。
「あ……あった……。いやーまじで焦った──!!」
「良かったね」
 無邪気に喜ぶ陽は、私が知っているずっと昔から変わらない陽だった。
 自分のことをよく知っている相手に、今まで話せなかったことを話せたというだけで、心がとても軽くなっていた。
「あ、あのさ……陽。本当ありがと」
 誰にも話すことができずにいた時間と孤独感が、素直に伝えられたこの言葉と一緒に少しずつ解放されて行く。
「葵はさ、やっぱり笑ってた方がいいよ」
 陽はいつになく真剣な表情で真っ直ぐに私を見て言った。
「またなんかあったらいつでも聞くから、電話でも何でもしてこいよ」
「うん……ありがとう」
 小学生の頃からずっと近くにいた友人達の中でも、一番近い距離にいたのが陽だったかもしれない。私が仲間外れにされていた時も、部活で失敗して落ち込んでいた時も、一番初めに気付いてくれたのは、そういえば、陽だった。
「隼人君も優しそうだしきっとわかってくれると思うよ。好きな相手には自分のことちゃんと全部話した方がいいと思うし。これからもずっと一緒にいたいならなおさらな」
「そうだね。ちゃんと話そうと思う」
 近いうちに隼人にも話そう。心の中でうなずきながら調理室を出た。二人で出入り口を出た時、後ろから名前を呼ばれた。
「葵……?」
 振り返るとそこにいたのは隼人だった。
「さっき結菜ちゃん達と会ってさ。葵が体調悪くて授業休んでて、今保健室にいるって聞いたんだけど……」
 隼人は言葉を言い終える前に、私の隣にいる陽に視線を移した。そして、誰もいない調理室を見渡した後、ゆっくりと私の方へ焦点を戻した。私を見つめるひとみには、明らかに軽蔑の色がともっている。
「あ、あのね、」
「さっきまで保健室にいたんだけど、俺が前の授業で忘れ物しちゃってさ。葵に聞いたら確か調理室で見た気がするって言うからついてきてもらったんだよね。ごめんね、大事な彼女さん付き合わせちゃって!」
 陽は私の言葉を遮って隼人に説明した。
「そうなんだ……。どこにもいないから探したじゃん。体調、大丈夫なの?」
「うん、もう平気。ごめんね、心配かけちゃって」
「いや、大丈夫なら良かった。何? 貧血?」
「いや、大したことないんだけどさ。ちょっと気分悪くなっちゃって」
「そっか。そういう時ちゃんと連絡してよ。心配になるから」
 隼人はそう話しながら私のもとに寄り、優しくて大きな手をぽんぽんと頭の上にのせた。
「ごめんね、隼人。次からちゃんと連絡するね! 陽、じゃちょっと先に行くね!」
「おう!」
 隼人の横に並びながら、『ありがとう』とアイコンタクトをすると、陽はまゆを上げて合図を返してくれた。
 教室棟の方へ行く途中、隼人は前を向きながら言った。
「陽君てさ、彼女いるの?」
 この言葉が、隼人の心境を全て物語っているのだろうと思った。
「うーん、あんまりそういう話聞いた事ないから多分いないと思う」
「そうなんだ」
 いて欲しかったのだと思った。嫉妬深い隼人が、昔からの友達であろうと二人きりでいることをよく思っていないという事は、以前私が凜太郎と補習を受けた時に証明されている。
 他の生徒よりも先に教室に着いてしまった事もあり、ひまつぶしにスマートフォンのゲームで盛り上がっていたところを隼人に見られた事があった。もし私が逆の立場だったとしても、隼人が他の女の子と二人、ゲームで盛り上がっていたとしたら嫉妬してしまうと思う。
 けれど、
おさなじみだからさ……」
 と言ってしまった。
 隼人はその言葉にげきこうして、教室から出て行ってしまった。隼人にはあまり幼馴染といえる友人がいなかった。今仲良くしている友達とは、学校以外でも遊んだりしているらしいけれど、小学校や中学校の友人たちと遊んだという話は今まで一度も聞いたことがなかった。家族の話さえあまり聞いた事がない。
 もう一年半も一緒にいるのに隼人の過去も今も、知らない事が沢山あるなんて、本当に恋人同士と言えるのだろうか。さっきの出来事に関して何も言ってこない隼人の心中をなんとなく察しながら、ぼんやりとそんな事を思ったりした。
「んじゃ、帰り教室まで迎えにいくわ」
 隼人はいつも通りの温度のない表情で私に言った。
「はーい。じゃまたね」
 軽く手を上げて振り返る隼人のその表情が、いつも以上に孤独を背負っているように見えた。以前から感じていた、ふとした時の隼人の憂いを帯びた瞳。私たちはまだ、互いに一番大切な部分を分かち合えていないのかもしれない。
 なぜこんなにも隼人の言動や態度にいちいち心が動くのだろうか。今思えば告白の仕方ですら、突然LINEで一言だけ「付き合おう」と言われただけで、とても淡泊な告白だったと思う。友人の友人という接点しかなく、それまで二、三回友人も含めて遊んだ程度の段階で、とても驚いた記憶がある。けれど、そんな隼人の性格が私にとってとても刺激的で興味深く、すぐに返事をした。嫉妬深い割に愛情表現に乏しく、付き合った当初の私はきっと長く続いて三カ月程だろうと思っていた。けれど、少しずつ隼人が私だけに見せる表情に心をつかまれていった。もしかしたらそれは、隼人の陰に自分を重ねていたからなのかもしれない。
 そんな事をこの数秒の間で考えながら、重いまばたきを一度した。
 いつか、私の全てを話し、そして、隼人の全てを知りたい。
 クラスに戻って行く隼人の後ろ姿は、今日もどこか寂しそうだった。

(この続きは本書でお楽しみください)

Uru初短編集『セレナーデ』



セレナーデ
著者 Uru
定価: 1,760円(本体1,600円+税)
発売日:2022年06月15日

みんな、誰にも言えない「秘密」を抱えて生きている――。
シンガー・ソングライターUruが自身の楽曲を元に書いた短編集、デビュー記念日に発売! 脆くて眩しい3つの物語。

シンガー・ソングライターUruの短編集が2022年6月15日に発売。
ライブ会場での朗読やファンクラブ会員限定で発表している自身の曲を素に書かれた短篇物語「しあわせの詩」「鈍色の日」、そこに書き下ろし「セレナーデ」を加えて刊行いたしました。
また、物語の元になる「セレナーデ」はドラマ日曜劇場『マイファミリー』の主題歌としても話題を呼ぶニューシングル「それを愛と呼ぶなら」のカップリングとして収録されています。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322110000632/
amazonページはこちら

初短編集『セレナーデ』発売Uruインタビュー



初短編集『セレナーデ』発売Uruインタビュー「弱っているとき、周りの人に助けてもらったり享受してきたものがたくさんあって。そういうものを書きたいと思いました」
https://kadobun.jp/feature/interview/6c071gdi4fsw.html


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みんな、誰にも言えない「秘密」を抱えて生きている。瑞々しい青春群像劇【シンガー・ソングライターUru初短編集『セレナーデ』より表題作「セレナーデ」試し読み#2】 - カドブン
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JO1 宇宙飛行士の訓練着姿!佐藤景瑚 宇宙空間にさらされた「KIZUNA」プレート6ヶ月後を“計算”で「11色」や河野純喜「言葉では表せない輝き」と想像や與那城奨“流星雨”へ想い【原稿ロングめ】 - Edge Line

JO1 宇宙飛行士の訓練着姿!佐藤景瑚 宇宙空間にさらされた「KIZUNA」プレート6ヶ月後を“計算”で「11色」や河野純喜「言葉では表せない輝き」と想像や與那城奨“流星雨”へ想い【原稿ロングめ】 - Edge Line

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JO1 宇宙飛行士の訓練着姿!佐藤景瑚 宇宙空間にさらされた「KIZUNA」プレート6ヶ月後を“計算”で「11色」や河野純喜「言葉では表せない輝き」と想像や與那城奨“流星雨”へ想い【原稿ロングめ】11

 豆原一成、川尻蓮、川西拓実、大平祥生、鶴房汐恩、白岩瑠姫、佐藤景瑚、木全翔也、河野純喜、金城碧海、與那城奨によるグローバルボーイズグループ『JO1』が22日、都内で開催された『スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-』第2弾キックオフセレモニーに出席した。

 宇宙産業をサービス展開しているSpace BD株式会社が記念品や研究対象品などを宇宙空間に曝露し地球に戻す『スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-』第2弾を展開。日本と海外の研究機関・教育機関・民間企業13組が参加することとなった。この第2弾の公式アンバサダーに『JO1』が起用されることとなった。

 公式アンバサダーを務めることにより、『JO1』のロゴ・ファン(JAM)のロゴ・新アルバム『KIZUNA』のジャケット写真を印刷した4つのアルミ板(7センチ×7センチ、厚さ5ミリ)を2022年度内に国際宇宙ステーションへ打ち上げ、これらを約6ヶ月国際宇宙ステーションの壁面にとりつけ間宇宙空間にさらす“旅”が行われ、23年度内に地球に戻ってくるというスケジュールとなっており、この期間のアンバサダーとなる。

 同社代表取締役社長の永崎将利氏からは今回の『JO1』の起用は所属の吉本興業との縁があったことや1ST SINGLE『PROTOSTAR』から宇宙をテーマにしていることが同社コンセプトに合致したことを明かしつつ、「ありがたいことに大変嬉しいコラボレーションです。強力なパートナーを得ることで、宇宙にこれまで馴染みのなかった方々に、宇宙を使うことの感動やワクワクドキドキを広めていきたいと思います」と、狙いを語った。

 イベントには宇宙飛行士の訓練着姿で登場。大平、河野、川西、白岩、佐藤、金城は訓練着のブルースーツ、鶴房、木全、豆原、川尻、與那城は訓練着のオレンジスーツ姿を披露。大平はこのスーツに「本当にありがたいことに、貴重なものを衣装として着させていただいてます。胸にはJAXAのマーク、肩には日本のマークが入ってて、本当に緊張しているんです」と、内心ワクワクしているよう。

 続けて子供の頃からの夢について質問があがり、川西は「小学1年生の頃から12年間野球をやっていてプロ野球選手になりたかったです」と話すとここで司会から「じゃあきょうの衣装はあまりテンション上がらない?」と切り返しを受けると、「いやいやいや!」と大焦りで、「フィットしていて嬉しいです」と、からくも切り抜ける。

 一方、木全は「小さいころに、1番最初の将来の夢が宇宙飛行士だったんです。卒園式でも言ったんですけど、今日こんないいものを着させてもらって、今プルプルしています」と、こちらは緊張気味だったが、「こうして宇宙飛行士の訓練着を着れているので得ですね」と、『JO1』活動への感謝をしみじみ語った。

 さらに、“宇宙人”と呼ばれているという鶴房がその理由を「言動・行動、最初にころに宇宙人の着ぐるみを着たので」と話し、金城も「メディアに出るときにも『俺は宇宙人だ』と言っていて。最初はそういうノリやんとみんな思っていたんですけど、ずっと言う言い続けるのでホンマにそうなんじゃん……となってきて」と、メンバーの意識も変わった……かのように思われたが、ここは與那城が速攻で否定していた。

 先日リリースしたアルバムにはラブソング『流星雨』も収録されているが、與那城は本プロジェクトと重なる部分があるようで、「君に会いたいと願いを込めた歌が、僕たち『JO1』との絆を感じながら、プロジェクトをいろんな方々に感じてもらえると思いました」と想いを馳せると、河野も「ワクワクが止まらないです!」と、声をはずませる。

 プレートが宇宙空間に6ヶ月さらされた後にどう変化するのかへ、河野は「今もかっこいいんですけど、めちゃくちゃ輝いて、言葉では表せない輝きを放っているのでは」と想像したり、「プレートは黒い衣装なんですけど、金色の衣装になってたりして」と、想像を膨らませる。

JO1 宇宙飛行士の訓練着姿!佐藤景瑚 宇宙空間にさらされた「KIZUNA」プレート6ヶ月後を“計算”で「11色」や河野純喜「言葉では表せない輝き」と想像や與那城奨“流星雨”へ想い【原稿ロングめ】5

謎の計算のジェスチャーをする佐藤

 ここで佐藤もどうなるのか「計算しています」と、“計算”のための謎の動きを披露しつつ、「11色になっています!僕たちのメンバーカラーになって帰ってくる!」と宣言し大盛りあがり!「JAMのみなさんと一緒に見れるタイミングが来ることを楽しみにしています」という佐藤に金城は「大きな会場でJAMのみなさんと一緒に見たいですね」と、早くも帰還後のことを考えていた。

 そして與那城から、「JAMのみなさんはもちろんですが、プロジェクトで宇宙に対してちょっとでも興味を持ってもらえると嬉しいですし、アンバサダーとしていろんな人に興味を持ってもらえるようにミッションと思って活動していきます。僕たちと一緒に楽しんでもらえたらと思います!」と、呼びかけていた。

 その後、記念撮影の際には、プレートのレプリカがメンバーに手渡されていたが、木全はどこで掲げるのがいいのか試行錯誤するお茶目な姿も見せていた。

 ※JO1過去記事
 ・JO1東京競馬場でMove The SoulのMV撮影で全国TVCMも!JRAとコラボスペシャルWEBサイト制作でSP番組や“オリジナルフォトブック”プレゼントや豆原一成へ川尻蓮「決める男だよ!」【主なやりとり有】
 ・JO1「ALL HOURS」生パフォーマンスで「I Love JAM!!」キレのいいダンスや一糸乱れぬフォーメーションダンスなどで魅せる
 ・JO1「2022 SANRIO FES」登場でシナモロールと「Dreaming Night」コラボ!昨年の“約束”果たされメンバーたちから「完璧」の声
 ・JO1 シナモロールセンターの「やんちゃBOY やんちゃGIRL」パフォーマンス!コラボステージでしっかりステップを踏む姿などもありつつ「楽しかった!」「カワイイ!」

JO1 宇宙飛行士の訓練着姿!佐藤景瑚 宇宙空間にさらされた「KIZUNA」プレート6ヶ月後を“計算”で「11色」や河野純喜「言葉では表せない輝き」と想像や與那城奨“流星雨”へ想い【原稿ロングめ】1

1人敬礼風に入ってくる金城

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レプリカながら興味津々なメンバーたち

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食べてみる木全

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胸の前に掲げる木全

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結果胸元で手持ちすることに

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『Saturdays NYC』ゴルフラインのハーフパンツ|中西哲生の買い物ワールドカップ4|中西哲生 - 幻冬舎plus

『Saturdays NYC』ゴルフラインのハーフパンツ|中西哲生の買い物ワールドカップ4|中西哲生 - 幻冬舎plus

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日本代表の4連戦が終わりました。パラグアイに4-1、ブラジルには0-1、ガーナには4-1、チュニジアには0-3と2勝2敗。もちろんどの試合も勝利という結果を目指すのですが、公式戦ではない今回の4連戦は、内容も突き詰めたい試合でした。

というのも海外組が招集できる今年11月のカタールW杯までの試合は、残すところ9月の2試合のみ。そこはある程度のベースを作った上の仕上げとして戦うのではないか、というのが個人的な見立てだったのですが、今回の4連戦ではそこまでのベースを築けたとは言えない状況でした。

 

もちろん森保監督なりの準備の感覚があるし、11月の大会直前が仕上げだろう言われれば、それはその通りです。

しかし今回はいつも6月に行われているW杯ほど大会直前の準備期間はなくて、おそらく1週間程度の準備でW杯に突入しそうなんです。そこで一試合か二試合、練習試合が入る可能性はあります。ただ初戦がW杯優勝国であるドイツと当たることを考えると、最後の1週間はコンディション調整をメインに初戦に向かいたいところでもあります。

いずれにせよ、この4連戦で目立ったシステムテスト的なものや、新しいグループ戦術のテストは見当たりませんでしたし、実質的には戦力の見極めと選手の組み合わせのバリエーション、またW杯と同じパターンの中3日でのコンディションの調整方法を探っていたのかもしれません。

ただ一部の選手が話していた通り、攻撃の形が出場する選手によってあまりに変わりすぎてしまうところと、もちろん選手によって特徴は違うので、そうなることはある程度は仕方ないとしても、その選手のパーソナリティを発揮するためのベースの約束事はもう少し詰めるべきなのかな、と感じてます。

そこは9月シリーズの連戦で構築されることを願いつつ、選手たちの成長がチームの成長につながりますが、それが掛け算となるようなチームで本大会を迎えて欲しいところです。

話しはガラッと変わって、先日3年ぶりにプロゴルフツアー「宮里藍 サントリーレディースオープン」のプロアマに出場させて頂きました。大会は久しぶりの有観客でしたが、プロアマは無観客。ただ関係者の方が沢山いらっしゃったので、プレーを見られてる感が凄く久しぶりの緊張感を味わいました。

もちろん先日のサッカーOB戦はもっと沢山の方がいらっしゃっいましたが、そこは自分がプロサッカー選手だったこともあり、そこまでの緊張はありませんでした。

やはりゴルフもプロアマに出場しても全く緊張しないくらいにならないと、安定感のあるプレーはできない、そんなことを考えながらプレーさせて頂きました。

果たして、そんな日は来るのか(笑)。今はとにかくそうなれるよう、日々精進していきます。

ということで「宮里藍 サントリーレディースオープン」のプロアマ。めちゃめちゃ良い天気でした。

この日、同じ組で一緒にラウンドして頂いたのは上田桃子選手。以前も一緒に回らせて頂いたこともあり、楽しくおしゃべりしながらラウンドさせて頂きました。上田桃子選手、有り難うございました。

そして、この大会名にもなっている宮里藍プロと宮里聖志プロ。いつも有り難うございます。こちらはウェルカムショット。

何度もインタビューさせて頂いている、イ・ボミ選手にも久しぶりにお会いしました。

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