被災者と高校生句会11年 世代超え共感心の復興 東松島・あおい ... - 読売新聞オンライン

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05.31
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 五・七・五のたった17音に、四季折々の古里の風景やその時の思いを乗せる。東松島市の集団移転地「あおい地区」の住民と、小牛田農林高校(美里町)の文芸部員が、俳句を通じた交流を11年間続けている。思い思いに句を詠み、世代を超えて共感し合う機会は、東日本大震災からの心の復興につながっている。(榎戸さくら)

 3月5日、同地区の西集会所で20回目の句会が開かれ、10~90歳代の約30人が集まった。この日のお題は、春の季語「 陽炎かげろう 」と「卒業」。制限時間30分で、それぞれ1句ずつ考える。作者を伏せた状態で投票し、上位3人が発表される。

 〈陽炎か/二日酔いかで/悩みます〉

 揺らいだ視覚をユーモアたっぷりに詠み、同率1位に輝いたのは元漁師の雫石良一さん(87)の句。女子部員が「情景がよくわかる」と感想を言うと、「お酒飲んだことないはずだよね」と笑いが起きた。雫石さんは、震災で自宅と多くの友人を失い、ぼう然としていた時期に、初めて句会に参加した。「一度顔を出したらやみつき。高校生から元気をもらう」と豪快に笑った。

 句会は2012年4月、部員の発案で、同市の仮設住宅で始まった。県在住の俳人・高野ムツオさんの指導を受けながら、生徒主体で年2回の活動を続ける。前顧問の高橋かおるさん(64)は当初、「つらい被災体験の作品が出たときに、ちゃんとまっすぐ受け止めることができるだろうか」という不安があった。

 〈震災の/親友を葬りて/春の風〉などと、春の穏やかさと相反する被災の悲しみを表現する住民も、もちろんいた。

 しかし、 杞憂きゆう だった。回を重ねるにつれ、住民の表情が豊かになっていく。高校生と手をたたいて笑ったり、談笑しながら肩を組んだり。句にもだんだん、新生活の喜びがあふれていった。

 〈新しき/あおいの実家/風光る〉。集団移転地に新たにできた「実家」が詠まれた句だ。

 「17文字にはき出すことで気持ちが楽になる」と、地区会長の小野竹一さん(75)は、句会の意義を語る。家族や友人を亡くした心の傷は、死ぬまでなくならない。「若い皆さんの力を借りて、心が癒やされるんです」とほほえむ。

 高校生にとっても世代を超えた交流は新鮮だ。高校2年の女子生徒(16)は「普段関わりのない世代の人と話せて楽しい。健康に良い食べ物を教えてもらいました」と笑顔を見せる。

 これまでに生まれた句は1000を超え、10年となった昨年7月には句集も刊行した。「祖父母と孫の年の差でも、俳句から浮かび上がる情景に感動するのは一緒」と前顧問の高橋さんは言う。11年かけて築いた「句の絆」は、今後も続いていく。

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「助けを」とシリア被災者 - カナロコ by 神奈川新聞

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03.32
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 シリア北西部イドリブ県で、悪天候による被害を受けた大地震の被災者用テント=3月29日(ゲッティ=共同)

 【カイロ共同】シリアは2011年から内戦が続き、2月の大地震は長引く人道危機に拍車をかけている。6日で地震から2カ月。「状況は厳しくなるばかりだ」「助けが本当に必要」。内戦で分断したアサド政権地域、反体制派地域双方の被災者が、オンラインなどの取材に苦境を訴えた。

 シリア北部の被災地は3月後半、悪天候に見舞われた。反体制派地域の北西部イドリブ県の無職ニムルさん(48)は「多くの被災者が嵐で避難用のテントを失った」と話した。

 国際支援は行き届かず、衛生環境の悪化で病気も増えているという。イスラム教のラマダン(断食月)中だが、「食べるものがなくて断食している人もいる」と嘆いた。

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熱海土石流 1年9カ月 被災者支援室が発足 市役所に復興・訴訟対応の ... - 東京新聞

熱海土石流 1年9カ月 被災者支援室が発足 市役所に復興・訴訟対応の ... - 東京新聞

00.33
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被災者の相談に乗れるよう、新年度から新たに設置された被災者支援室=熱海市役所で

被災者の相談に乗れるよう、新年度から新たに設置された被災者支援室=熱海市役所で

 静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で発生した大規模土石流災害による被災者支援につなげるため、市は被災者支援室を新設し三日、業務をスタートさせた。ハード面で復興を進める部署や、被災者らと係争中の裁判に対応するための部署も立ち上げた。(向川原悠吾)

 被災者支援室は長寿介護課に設立。市は今夏に想定される警戒区域の解除後、帰還する被災者を対象にした引っ越しや家屋のリフォーム、清掃などに使ってもらう費用の支給などの窓口になる。生活再建にかかる各種申請を受け付けたり、生活相談に乗ったりするという。

 同室の職員は五人。小竹洋介室長は「被災者の声を丁寧に聞きながら協力していきたい。警戒区域の解除後に本格化する復旧復興の支援にしっかり取り組みたい」と語った。

 都市整備課にはライフラインや道路、宅地の復旧などを請け負う復興調整室を八人体制で設置。同課の渋谷義男復興担当専門監は市が示す復興計画に沿って進めるよう「進捗(しんちょく)のめどをしっかりと立てていきたい」と話した。

 市が被災者や遺族から提訴されている民事訴訟への対応として、土地訟務管理室もまちづくり課に職員四人の態勢で発足した。 

◆進まぬ復旧 住民ら不安視 「立ち入り禁止」継続 「早く元の生活に戻して」

被災地に向けて手を合わせる土石流災害の被災者や遺族ら=熱海市伊豆山で

被災地に向けて手を合わせる土石流災害の被災者や遺族ら=熱海市伊豆山で

 熱海市伊豆山で発生した大規模土石流災害から三日で一年九カ月を迎えた。被災現場近くでは遺族や被災者ら二十人近くが集まり、災害関連死一人を含む犠牲者二十八人に黙とうをささげた。

 市は今も被災地を立ち入り禁止の警戒区域に指定。解除の条件の一つにしている砂防えん堤は三月に完成した。もう一つの条件として、崩落した盛り土があった場所に残る不安定土砂の撤去を掲げており、作業を進める県は五月中にも終える見通しでいる。

 被災地の復旧工事は警戒区域が解除されてから本格化することになっている。そのためなかなか復旧が進まない現状を不安視する被災者もいる。母親の太田和子さんを亡くした太田朋晃さん(57)は黙とう後、「被災地の景色は全く変わっていないし、いつ戻れるようになるのか。早く元の生活に戻してほしい」と訴えていた。(向川原悠吾)

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家族失う悲しみ共に 日本対がん協会長・垣添さん、岩手・大槌でがん経験者や被災者励ます - 河北新報オンライン

家族失う悲しみ共に 日本対がん協会長・垣添さん、岩手・大槌でがん経験者や被災者励ます - 河北新報オンライン

04.32
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 日本対がん協会の垣添忠生会長(81)が長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」(八戸市-相馬市)を北から南へ歩きながら、がんを経験した「がんサバイバー」と東日本大震災の被災者を励ます旅を続けている。6日は岩手県大槌町の吉祥寺を訪れ、震災やがんで家族を亡くした住民らと交流した。

 本堂に集まった住民約2…

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坂本龍一さん「気さくに寄り添ってくれた」 東日本大震災被災者悼む - 毎日新聞

坂本龍一さん「気さくに寄り添ってくれた」 東日本大震災被災者悼む - 毎日新聞

15.32
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坂本龍一さん(中央)と左から、菅原教文さん、長男三四郎さん、長女綾乃さん、妻敏江さん=2011年7月(菅原さん提供) 拡大
坂本龍一さん(中央)と左から、菅原教文さん、長男三四郎さん、長女綾乃さん、妻敏江さん=2011年7月(菅原さん提供)

 3月28日に71歳で亡くなった坂本龍一さんは、東日本大震災の被災者と約10年間、交流を続けていた。岩手県陸前高田市の菅原教文さん(58)は「毎年のように被災地を訪れ、お年寄りの話を聞き、我々にも気さくに寄り添ってくれた。これからもお会いしたいと思っていたのに、残念でなりません」と、多彩な活動を続けた音楽家の死を悼んだ。

 坂本さんは2011年7月、自らが代表を務める森林保全団体「モア・トゥリーズ」が建設を支援した岩手県住田町の地域材を活用した仮設住宅を訪問。津波で両親と自宅を失った菅原さんに出会った。

坂本龍一さん(中央)と、左から菅原敏江さん、綾乃さん、教文さん、三四郎さん。この日が菅原さん一家と最後に会った日となった=2019年8月(菅原さん提供) 拡大
坂本龍一さん(中央)と、左から菅原敏江さん、綾乃さん、教文さん、三四郎さん。この日が菅原さん一家と最後に会った日となった=2019年8月(菅原さん提供)

 坂本さんは、菅原さんが楽譜をめくり、当時14歳だった長女綾乃さん(25)が奏でたキーボードの音色にじっと聴き入った。演奏したのは坂本さんが世界的評価を受けた映画「戦場のメリークリスマス」の主題曲で、菅原さんは「非常に喜んでもらえました」と振り返る。

 この出会いを機に、両者の交流は長く続いた。坂本さんは陸前高田市でのピアノコンサートで、楽屋に菅原家を招き、住田町の再訪時には一緒に写真を撮った。

 菅原さんの勤務先で陸前高田市にあった「酔仙酒造」は津波で建物が流され、従業員7人が亡くなった。人気銘柄「雪っこ」を坂本さんに贈ると、感謝の手紙とともに新作のサイン入りCDが返ってきた。「おいしいから、進むんだよね」と話してくれた。がれきを処理していた際に見つかった焼酎「秘酔」を贈ったときは「貴重すぎて飲めません」。思いやりがうれしかったという。

 菅原さんは14年に坂本さんが中咽頭(いんとう)がんを公表してからは、健康に配慮してお酒を贈ることを控えた。最後に直接、言葉を交わしたのは19年8月。住田町での被災者らとの食事会だった。一緒に寄せ書きをし、CDにサインをしてもらった。楽しい時間だった。「元気で頑張って、と握手してもらいました。私たち家族にとっての宝物です」

 再会の日を待ち望んでいた菅原さんは「坂本さんには本当に励まされました。今もそばにいる、心の中に生き続けてくれていると思っています」と語った。【和田浩明】

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「助けを」とシリア被災者|下野新聞 SOON - 下野新聞

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00.31
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 シリア北西部イドリブ県で、悪天候による被害を受けた大地震の被災者用テント=3月29日(ゲッティ=共同)

 シリア北西部イドリブ県で、悪天候による被害を受けた大地震の被災者用テント=3月29日(ゲッティ=共同)

 【カイロ共同】シリアは2011年から内戦が続き、2月の大地震は長引く人道危機に拍車をかけている。6日で地震から2カ月。「状況は厳しくなるばかりだ」「助けが本当に必要」。内戦で分断したアサド政権地域、反体制派地域双方の被災者が、オンラインなどの取材に苦境を訴えた。

 シリア北部の被災地は3月後半、悪天候に見舞われた。反体制派地域の北西部イドリブ県の無職ニムルさん(48)は「多くの被災者が嵐で避難用のテントを失った」と話した。

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被災地、250万人なお避難生活 トルコ・シリア大地震2カ月 - ニッポンドットコム

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