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中国、東北部で産児制限撤廃を検討 SNSでは議論沸騰 - 朝日新聞デジタル
中国政府で保健政策を担う国家衛生健康委員会はこのほど、遼寧、吉林、黒竜江の3省がある東北地方での産児制限の完全撤廃を容認する見解を示し、議論を呼んでいる。反響の大きさから火消しを図ったが、「一人っ子政策」をやめても少子高齢化が止まらぬ現実に、政府の危機感は強まっているようだ。
中国政府は2016年、40年近く続いてきた一人っ子政策を廃止し、夫婦一組につき2人までの子を持つことを認めた。しかし、経済的な負担への懸念などから出生率は上がらず、20年に戸籍登録された新生児は前年比15%減というのが現実だ。
そんななか、同委員会は今月18日、昨年の全国人民代表大会(全人代)に提出された「東北地方での産児制限の全面撤廃」という提案への回答を公表。提案を「とても参考になる」とし、地元政府に対し、産児制限が撤廃された場合の人口予測や経済に与える影響などを調査し、政策の試案を出すよう促した。
東北3省にこうした見解が示されたのは、高齢化や出稼ぎなどによる人口減少が全国の中でも顕著なためだ。
国家統計局によると、19年、前年より人口が減ったのは、一極集中を避けるため流入制限を敷いている北京市を除き、東北3省だけだ。遼寧省は65歳以上の高齢化率が16・2%と全国平均の12・6%を大きく上回った。昨年、全人代に産児制限の撤廃提案をしたのも同省の副省長だった。
同委員会の見解に、SNS上では議論が沸騰。「東北地方で緩和されればほかの地域も続くのでは」との期待の声もあったが、「東北に雇用が少ないのが問題。人口流出が止まることはない」「教育費の高騰が少子化の原因」など問題の解決につながらないとの意見が目立った。予想を上回る反響からか、同委員会は(今回の見解で)「『産児制限が全面撤廃される』などと読み解くのは誤りだ」と火消しに走った。(瀋陽=平井良和)
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