Judul : 風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報
link : 風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報
風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報
三年前に地元住民も参加し、東京電力福島第一原発の処理水処分について意見を述べる「公聴会」が開かれた。その後の調査では、意見は述べたが、その意見がどのように反映されたか分からないという声が多い。市民への透明性は大切なので再度取り上げたい。
東日本大震災の一年前、経済産業省のエネルギーに関わる委員会で話す機会があり、「地方から見た原子力」と言う題で講演した。当時、米国では可能な範囲の点検を運転中に行い、発電効率向上を目指していて、日本も同じ方法を採用しようとしていた。福島に来て八年たち、発電所の立ち合いも経験して、市民は効率向上とは真逆で、漠とした安全に対する心配を持っていると私は思っていた。そこで、一般の人たちの意見を公的な議論の場に乗せる、コンセンサス(社会合意)会議の方式で市民の意見を採り上げるべきと話した。コンセンサス会議では、市民の後ろに専門家が付き、対[たい]峙[じ]する行政側と対等に意見交換をする。フランスの原子力地域情報委員会(CLI)と同様な仕組みだ。その会議の一年後に、福島第一原発の事故が起きてしまった。
現在、処理水に関する議論は、トリチウムの安全性も勿[もち]論[ろん]あるが、風評被害対策の具体化に関心が集まっている。海洋放出を国は決めたが、風評被害対策の具体性が乏しいとの意見が多い。
二〇一五(平成二十七)年にサブドレンの放出が決定されたが、今回の決定と共通点がある。漁業や農業の関係者が苦渋の選択をし、経済的影響から脱却する努力が必要となった。現在、議論中の風評被害対策も、同様な難しい対策となる。ただ、難しいからこそ、現在までの経験を踏まえた対策でないといけないのではないか。関係者の意見がどのように反映されたか分からないといった状況で、役に立つ対策が講じられるのだろうか。
「公聴会」の後、いわき市で開かれた廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会で、福島の海の安全性を国際的に理解をしてもらうのに、モナコとウイーン郊外に拠点がある国際原子力機関の環境研究所が主催しているALMERAネットワークに参加し、福島の現状を紹介してはどうかと提案した。このネットワークは、放射線測定を通して食品も含む環境の状況を把握することを目的に活動していて、世界に測定技術を普及させるために一九九五年に設立された。二〇〇六年にはアジアの国々も加わり、今年三月で九十六カ国、百九十八の研究機関が加入し、毎年国際会議を開いている。福島の海の状況を世界に伝えるのに適切な場だと思った。残念ながらこの提案も採択されなかったが、理由も分からない。
フランスでは、以前は日本と同様に「賛成」「反対」の対立する意見のみだったので、チェルノブイリ事故後、市民が専門家の支援を得て意見を述べる透明性のある仕組みを導入した。一般市民の理解なくして、風評被害対策はあるのだろうか。(角山 茂章 会津大学元学長)
からの記事と詳細 ( 風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報 )
https://ift.tt/3euG1GI
Demikianlah Artikel 風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報
Anda sekarang membaca artikel 風評被害の議論と透明性(7月18日) | 福島民報 - 福島民報 dengan alamat link https://ifknews.blogspot.com/2021/07/blog-post_658.html
Tidak ada komentar:
Posting Komentar