怒る被災者「大統領は何もしてくれない」 大地震3カ月のトルコ:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

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【動画】大地震から3カ月を迎えるトルコの被災地。今も妻子を捜し続ける男性がいる=高野裕介撮影

 約5万7千人が犠牲となったトルコ・シリア大地震から6日で3カ月となった。トルコでは14日に大統領選・議会選が行われ、地震をめぐる対応も争点の一つだ。エルドアン政権は被災者のための新たな住宅建設を急ピッチで進める方針だが、被災地からは政府の対応に怒りの声が上がる。

 被害が最も大きかった街の一つ、南部アンタキヤ。5月初旬に訪れると、地震で激しく損傷したアパートなどの撤去が進み、中心部はまるでゴーストタウンのように人影が少なかった。店もほとんどが営業していない。

 数十のテントが集まる場所で暮らす主婦のナズさん(64)は、「大統領は何もしてくれない。救助だってもっと早く来ていれば、こんなに多くの人が死ななくて済んだのに」と憤る。

 配給される食事に不満はないが、シャワーには行列ができ、週に1、2度しか使えない。記者が訪れた際は気温が約30度で、テントの中は蒸し風呂のように暑かった。電気はまもなく通るというが、今は扇風機も冷蔵庫も使えない。

 「アンタキヤの人たちはみんな怒っている。今回はエルドアン大統領の得票数は前より減るはずだ」とナズさん。一方、もしエルドアン氏が勝てば、批判したことで子どもの仕事など、何か不利益があることを恐れ、記者に「名字は書かないで」と言った。

 今回の地震では、被災地への救助隊の到着の遅れに加え、耐震基準を満たさない「手抜き」工事の建物が見逃されてきたことが次々と発覚した。被災者や野党側からは政権の対応を非難する声が上がっている。

 こうしたなか、エルドアン氏…

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