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どうなる?ウクライナ避難民200万人超え 増える一方、疲弊する受け入れ国…試されるEUの真価 - 東京新聞

どうなる?ウクライナ避難民200万人超え 増える一方、疲弊する受け入れ国…試されるEUの真価 - 東京新聞

06.15

 ロシアの侵攻が激しさを増すなか、ウクライナを追われた避難民が8日に200万人を突破した。欧州連合(EU)は避難民に一時的な滞在許可を与える特例措置を初めて決定し、2015年の欧州難民危機後とは対照的に積極的な受け入れ姿勢を示した。将来的な避難民は500万人とも700万人とも推計されており、寛容な政策を維持できるかEUの真価が問われる。(ポーランド南東部プシェミシル・谷悠己、ベルリン・蜘手美鶴)

6日、ポーランド南東部メディカの国境を通過後、市街地へのバスに乗るため列を作るウクライナ避難民ら=谷悠己撮影

6日、ポーランド南東部メディカの国境を通過後、市街地へのバスに乗るため列を作るウクライナ避難民ら=谷悠己撮影

 数十分置きに到着する大型バスの前に、荷物を抱えた避難民らが列を作る。ウクライナ国境に近いプシェミシル市内の大型量販店の跡地は、越境直後の避難民が短期滞在する簡易宿泊所と欧州各国へ向かうバスの出発拠点となっている。

 ボランティアリーダーのラシェルさんは8日、「避難民の数は日に日に増えている」と疲労感をあらわにした。前夜は2000人以上が宿泊。深夜でも避難者の求めに対応するため睡眠時間を削っているという。

◆中東・アフリカとは別「ウクライナは欧州人」

 避難民の主要目的地の1つがEUの経済大国ドイツだ。独政府は入国者数を4万人超と発表しているが、押し寄せる避難民をベルリン中央駅で待つボランティアらは「明らかにそれ以上」と口をそろえる。

8日、ポーランド南東部プシェミシルでバスの出発を待つ避難民ら=谷悠己撮影

8日、ポーランド南東部プシェミシルでバスの出発を待つ避難民ら=谷悠己撮影

 EUの一時保護措置は、最長3年の滞在を許可し、就労や教育の権利を保障する。シリア内戦などで中東・アフリカからの難民、移民が急増した15年以降、EU各国は受け入れに消極的だった。今回破格の厚遇を決定した背景には「ウクライナ人は欧州人」(ルドリアン仏外相)という同胞意識がある。

 ただ、避難民の滞在が長引くにつれて住居確保や言葉の問題が出てくる。15年の難民危機後に訪独したシリア人看護師アリさん(32)は「死に物狂いでドイツ語を学び社会になじむよう努力した。ウクライナ人も語学ができないと仕事を得るのは難しいだろう」と自身の体験になぞらえる。

◆いつまで「移民に寛容」でいられるか…

 ベルリン市民のガントスさん(39)は「ドイツは移民に寛容なイメージが強いかもしれないが、必ずしもそうではない。難民危機の時のように国が二分されるのではないか」と懸念する。

 一時保護措置も一部の中東欧諸国が反対したため、各国が独自措置を取れる「抜け道」も用意された。反対国の中には120万人超の避難民が入国しているポーランドも含まれ、避難民の滞在が長期化した国が負担増から抑圧的になる可能性も指摘される。

 非政府組織(NGO)「欧州難民協議会」のキャサリン・ウーラード理事長は声明で「避難民が欧州を漂流する事態になりかねない」として、加盟国で受け入れ数を適正分配する仕組みの必要性を訴える。

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04.15

 ロシアの侵攻が激しさを増すなか、ウクライナを追われた避難民が8日に200万人を突破した。欧州連合(EU)は避難民に一時的な滞在許可を与える特例措置を初めて決定し、2015年の欧州難民危機後とは対照的に積極的な受け入れ姿勢を示した。将来的な避難民は500万人とも700万人とも推計されており、寛容な政策を維持できるかEUの真価が問われる。(ポーランド南東部プシェミシル・谷悠己、ベルリン・蜘手美鶴)

6日、ポーランド南東部メディカの国境を通過後、市街地へのバスに乗るため列を作るウクライナ避難民ら=谷悠己撮影

6日、ポーランド南東部メディカの国境を通過後、市街地へのバスに乗るため列を作るウクライナ避難民ら=谷悠己撮影

 数十分置きに到着する大型バスの前に、荷物を抱えた避難民らが列を作る。ウクライナ国境に近いプシェミシル市内の大型量販店の跡地は、越境直後の避難民が短期滞在する簡易宿泊所と欧州各国へ向かうバスの出発拠点となっている。

 ボランティアリーダーのラシェルさんは8日、「避難民の数は日に日に増えている」と疲労感をあらわにした。前夜は2000人以上が宿泊。深夜でも避難者の求めに対応するため睡眠時間を削っているという。

◆中東・アフリカとは別「ウクライナは欧州人」

 避難民の主要目的地の1つがEUの経済大国ドイツだ。独政府は入国者数を4万人超と発表しているが、押し寄せる避難民をベルリン中央駅で待つボランティアらは「明らかにそれ以上」と口をそろえる。

8日、ポーランド南東部プシェミシルでバスの出発を待つ避難民ら=谷悠己撮影

8日、ポーランド南東部プシェミシルでバスの出発を待つ避難民ら=谷悠己撮影

 EUの一時保護措置は、最長3年の滞在を許可し、就労や教育の権利を保障する。シリア内戦などで中東・アフリカからの難民、移民が急増した15年以降、EU各国は受け入れに消極的だった。今回破格の厚遇を決定した背景には「ウクライナ人は欧州人」(ルドリアン仏外相)という同胞意識がある。

 ただ、避難民の滞在が長引くにつれて住居確保や言葉の問題が出てくる。15年の難民危機後に訪独したシリア人看護師アリさん(32)は「死に物狂いでドイツ語を学び社会になじむよう努力した。ウクライナ人も語学ができないと仕事を得るのは難しいだろう」と自身の体験になぞらえる。

◆いつまで「移民に寛容」でいられるか…

 ベルリン市民のガントスさん(39)は「ドイツは移民に寛容なイメージが強いかもしれないが、必ずしもそうではない。難民危機の時のように国が二分されるのではないか」と懸念する。

 一時保護措置も一部の中東欧諸国が反対したため、各国が独自措置を取れる「抜け道」も用意された。反対国の中には120万人超の避難民が入国しているポーランドも含まれ、避難民の滞在が長期化した国が負担増から抑圧的になる可能性も指摘される。

 非政府組織(NGO)「欧州難民協議会」のキャサリン・ウーラード理事長は声明で「避難民が欧州を漂流する事態になりかねない」として、加盟国で受け入れ数を適正分配する仕組みの必要性を訴える。

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触覚技術ですぐ隣にいる体験ができるソファ「Sync Sofa」とは?開発の裏側など紹介 - TIME&SPACE

触覚技術ですぐ隣にいる体験ができるソファ「Sync Sofa」とは?開発の裏側など紹介 - TIME&SPACE

09.50
comot.prelol.com

KDDI総合研究所のSync Sofa

新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、オンライン飲み会やオンライン会議など、私たちの生活においてもコミュニケーションの在り方が変わってきた今、KDDI総合研究所が、触覚技術を活用し、離れた人とでも「すぐ隣にいる感覚」が共有できるソファ「Sync Sofa(シンクソファ)」を開発した。

それはいったいどのような仕組みで、どんな体験ができるソファなのか。開発に至った経緯や今後の展望など、KDDI総合研究所の開発チームに話を聞いた。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者 左奥から、KDDI総合研究所 今野智明(映像技術)、大久保翔太(音響技術)、堀内俊治(音響技術・人間中心設計)、田島優輝(触感技術)

【目次】

Sync Sofaとは

―――あらためてSync Sofaとは、どんなソファなのでしょうか。

堀内:Sync Sofaは、視覚、聴覚、触覚という3つの感覚を上手に組み合わせることで、離れていてもすぐ隣にいるような体験ができるソファです。相手の等身大の映像と声に加え、ソファに座った時の振動や動き、背中をなでられる感覚など、相手の動作や反応によって生じる音と振動を伝送してリアルに表現します。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者

堀内:また、座ったまま背面にもたれかかったり前かがみになったり頭の位置を変えると、その動きに応じて相手の見え方も変わるという立体的な視点に加え、相手との距離に応じて声の聞こえ方も立体的に表現されるので、触感とあわせ、コロナ禍で減っている「触れ合いを感じるコミュニケーション」を体験することができるソファです。

Sync Sofaの仕組みは?

―――実際に体験しましたが、本当に隣に人が座っている感覚が伝わってきます。どのような仕組みでこの感覚を再現しているのでしょうか。

堀内:仕組みとしては、送信側と受信側に分かれていまして、送信側にいる人の映像をカメラで撮影、声や所作音をマイクロホンで収録、振動を加速度センサーで検出して、受信側にいる体験者にディスプレイとスピーカー、そして振動アクチュエーターにより、それぞれ出力しています。

Sync Sofaの仕組み

堀内:ここで大事なポイントとして、ただ単にカメラ、マイクロホン、加速度センサーのデータを独立して出力するだけですと、なかなか自然な座ったときの感覚になりません。そこで、分野間で連携しつつ、分野ごとに細かい調整を入れていきました。

大久保:まず音響と触覚をメインに説明させていただきます。送信する側の音響としては声を拾うマイクロホンと、身体の動作や衣擦れの音など所作音を拾うマイクロホンの2種類を用意し、触覚としては動作を拾う加速度センサーを配置してあります。受信する側には、音響として相手の声を出すスピーカーと、所作音を出すスピーカーの2種類、触覚として動作を提示する振動アクチュエーターを用意しています。

触覚を提示するにあたって、加速度センサーを使った送信側の動作の情報と、マイクロホンによって拾った所作音の情報を混ぜることで、受信側にある振動アクチュエーターに出力するという構成です。シンプルにそのまま収録した音と振動を出力しているのではなく、収録したデータを整理し、最適なタイミングでそれぞれを出力する仕組みになっています。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者 KDDI総合研究所 大久保翔太(音響技術)

大久保:特に苦労したのが、所作音用マイクで収録したデータの切り分けです。マイクロホンが所作音だけでなく声も一緒に拾ってしまうので、その切り分けが必要でした。所作音用マイクのデータをそのまま振動アクチュエーターに出力すると、声に反応して揺れるミュージックフラワーのようなソファになってしまいます。声のデータを出力しないように、加速度センサーが反応しているかいないかで所作音をどう分離していくかというチューニングは、難しくもありましたが、楽しい部分でもありました。

触感の出力では、シンプルに加速度センサーが拾った揺れを振動アクチュエーターに出力すると、隣の人から来る少し離れた振動でなく、ドン!という強い振動を伝えることになってしまいます。「隣に座った人から来る振動」ならばもっと優しい振動になるはずです。それを表現するために、少しだけ揺れて減衰する振動を提示しようと思い、どのように表現するかにも苦労しました。試行段階では、余韻を残しすぎてブルブルといつまでも震えているようなソファになってしまったこともありましたが、最終的には、所作音と振動アクチュエーターとを混ぜて減衰を調整することで、よりリアルな振動を再現できたというわけです。

ーーー映像に関してはいかがでしょうか。

今野:映像に関しては、被写体をカメラで撮って、その映像から人物を抽出して背景と合成して出力していますが、こちらもそのまま撮った映像を出力するのではなく、CGでつくった3Dの背景と合わせることで、その場にいるような立体的な映像表現をしています。体験する人の頭の位置を3Dセンサーで捉え、見る人の視点に応じて変化させた映像を都度、出力しています。

KDDI総合研究所のSync Sofaの体験者動画

ーーー送信側の撮影は、3Dカメラで撮っているのでしょうか?

今野:2Dカメラで撮ったものを3D空間に合成することによって立体的に見せていますが、事前に収録するオフラインのコンテンツであれば、複数台のカメラで撮ったデータから人物の3Dデータを作って3D空間に合成することも可能です。今回特に視覚で貢献できたと思うのは、体験者の頭の動きで見え方が変わるインタラクション要素を入れることによる臨場感だったのかなと思っています。

あとは、映像が遅い、振動が早い、というように、実際に3種のデータを出力するタイミングを合わせるというのも苦労しましたね。データとして正確なタイミングで出すというより、体験としてより実際の感覚に近いほうに調整していくという過程を繰り返しました。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者 KDDI総合研究所 今野智明(映像技術)

ーーー映像、音感、触感のすべてのデータをどのタイミングで出すかの調整は大変そうですね。その制御システムも新たに開発したのでしょうか。

堀内:はい、一からつくりました。それぞれの出力制御ソフトはもちろんあるのですが、3種のデータを統合して制御するというシステムは今までにまったくないものなので、自分たちで開発したシステムを利用しています。

―――そこまで細かく調整した結果、このリアルな体験が生み出されたのですね。

大久保:コントロールでいえば、2か所に埋め込んだスピーカーを使い、体験者の頭の位置によって再生する音の位置も細かく変えています。より臨場感を出せるよう、映像内の人の位置をトラッキングして、映像内の顔のあたりから声が出るように調整しました。体験者との距離も検出していますので、顔を近づけると吐息音まで感じられるような、そんな調整も入れています。

堀内:人間は五感のうち、特に視覚に引き寄せられる効果が大きいので、映像と合わせると、本当に近くで耳元でささやかれているような体験になるんです。

Sync Sofa開発のきっかけ

―――そもそもなぜ、開発しようと思ったのでしょうか。

田島:KDDI総合研究所の活動として、2030年の近未来に向け、XR技術の分野において五感の再現・表現技術の研究開発を進めているなかで、2021年3月に「Sync Glass(シンクグラス)」という、遠くにいる人と乾杯やお酌の感覚を共有できるグラスを開発しました。Sync Glassである程度の触覚技術の手応えを感じつつ、またもう一方で、物足りなさも感じていたので、次はもう少し大きな体験をやりたいと考えました。

KDDI総合研究所のSync Glass(シンクグラス) Sync Glass(シンクグラス)

田島:とはいえ大きな体験として箱モノまでやってしまうと、その体験をするために毎回準備するのが大変です。そこで、家のなかで気軽に使えて、なおかつ人と人とのコミュニケーションをつなぐことができないかと、家具に注目しました。

堀内:最初はダイニングテーブルの構想もあったのですが、議論を繰り返すなかで、家庭の中心にあって、肌に触れていて、人と人とのコミュニケーションの中心になっているもの…と考えていくと、自然に「ソファでやろう」という流れになりました。

KDDI総合研究所のSync Sofa

田島:そこからが大変だったのですが、ソファからどう触覚を出力するかを考えた際、そもそも中に何かを入れることを想定したソファって世の中にないんですよね。「ここに穴を空けて機材を入れたい」って家具屋さんに問い合わせしたら、皆さん「そんなことができるソファはないよ」との回答です。

そこでまずは家具屋さんやメーカーさんと同じく、ソファの設計図をひくところから始めました。なにせまだ世の中にないソファをつくるわけですから、触覚の研究とはまた違う、手探りのスタートです。制作するために必要なパーツの選定や取り寄せなども繰り返した結果、おかげで今では型番を見るだけで、どんな家具メーカーのどんな部品かまでわかるようになりました。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者 KDDI総合研究所 田島優輝(触覚技術)

田島:そこから実際にソファをつくり始めたのですが、ボツ案もいろいろありました。機材をなかに入れるのが難しければクッションはどうか。そこで気持ちを表すハート型クッションから始まり、人型クッションなんかもあったのですが気持ち悪いと一蹴され、トライアンドエラーを繰り返しながらようやく今のソファの形に集約されたのですが、今度は座り心地が悪いと言われ…。俺たちは家具のプロじゃないんだぞ、と半分冗談を交えながら、なんとか違和感なく使える形にまでつくり上げることができました。

KDDI総合研究所のSync Sofaの当初開発案

触覚技術の活用によるコミュニケーションの進化とは

ーーー今後、このように触覚を含めたXRによる遠隔コミュニケーションは、どんどん増えていくのでしょうか。

田島:メタバース(インターネット上の仮想空間)のサービスでもグローブを使って手を触れ合うというのはすでにあるのですが、今の世の中の触覚技術のほとんどは、手の触覚に特化したものになっています。とはいえこの手の感覚というのはとても賢くて、過去の触った感触を覚えているので、なかなかだましにくい感覚です。そう考えるとグローブが普及するのはもっともっと先で、先に普及するのは視覚に引きずられやすい、手じゃないところで接触するものかなと思っています。

堀内:さらに今後デバイスの進化で体験できることも増えると思いますが、一方で、コミュニケーション課題を解決するという点においては、今回のSync Sofaと同様に、体験者がデバイスを装着しなくてよい方法を考えたいですね。オペレーション支援や作業のサポートなど、ビジネス利用であればまだVRゴーグルやグローブでもいいと思いますが、対人コミュニケーションの場面においては、使う人が機材を身体に付けず、気軽に体験できるものにしたいという考えを、今後も大事にしていきたいと考えています。

KDDI総合研究所のSync Sofaの開発担当者 KDDI総合研究所 堀内俊治(音響技術・人間中心設計)

ーーー通信の進化で期待できるところはありますでしょうか。

堀内:リアルタイムの体験を考えますと、5Gの特長でもある低遅延な通信はコミュニケーションのズレがなくなる上でも必要な条件です。あとは5Gが普及すると、Wi-Fiのある屋内だけでなく、屋外など体験できる場所を問わずに新しいコミュニケーションを提供できる環境になることが、今後期待できるところだと考えています。

田島:触覚に限っていえば、今以上に高速な通信が必要です。たとえば握手をするときの強さって、普通に握手すれば相手もちょうどいい力で握り返してきますが、なぜちょうどいい力で握手できるかというと、人間の手が賢く、握った瞬間に強い弱いの判断を行い、調整しているからです。この判断は1m sec(1000分の1秒)レベルの世界で制御しているのですが、この瞬時の調整ができないと、押し合ったり肩をポンポンたたいたりするような接触コミュニケーションは再現できません。5Gになることでようやくこの人間の身体が行う一瞬のデータのやり取りをできるようになり、6Gの世界になると、さらによりリアルな触覚が再現できるようになると思います。

ーーー今後の展望はいかがでしょうか。

堀内:Sync Sofaに関していえば、今は片方向の体験ですが、コミュニケーションとしてはやはり双方向の体験まで実現できればと考えています。双方に同じ機材を備えることは簡単にできますが、ひとつのソファに送信装置と受信装置の両方を備えると音や振動のエコーやハウリングが生じます。これらを制御、調整していくことが課題であり、解決すべきポイントの一つです。

田島:今回Sync Sofaを体験して自分でも驚いたのは、単なる映像と音と触感の再現でなく、隣に座った人の雰囲気まで伝えることができたということです。今回デモで収録したモデルの女性はとても元気な人だったのですが、Sync Sofaで横に座って試しても、元気のいい人だなというのがそのまま伝わってきました。

KDDI総合研究所のSync Sofaの体験動画イメージ

田島:この雰囲気が伝わるというのが今までのメディアの歴史から見てもすごい進化だと思っています。音を伝えることができるようになることでラジオが生まれ、歌や音楽のセンスを持っている人が注目される世の中になりました。次にテレビが生まれ、おもしろい動画や感動する映像を生み出せる人に注目が集まり、そして今後は雰囲気を伝えるメディアが生まれてくると、なんとなく一緒にいると楽しい人や安らぐ人など、今とはまた別の才能やライフスタイルを生み出すんじゃないか。そういう新しい文化を作っていきたいというのが今後の目標です。

―――通信や技術の進化により、便利なだけじゃなく、新たなコミュニケーションやライフスタイルが生まれてくる。今後のKDDI総合研究所の発表に期待したい。

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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月面で農業、リアル「宇宙兄弟」の挑戦 - 日経ビジネスオンライン

月面で農業、リアル「宇宙兄弟」の挑戦 - 日経ビジネスオンライン

06.15

 2020年創業のTOWING(トーイング、名古屋市)は月や火星で人が自給自足生活を送れるよう、「宇宙農業」技術を開発している。同じ技術を使って、地球の農家向けには環境に優しい循環型の栽培システムを提供する計画だ。

 TOWINGの挑戦は代表取締役CEO(最高経営責任者)の西田宏平氏が子どものころに、弟と人気漫画に熱中したことが出発点という。なぜ、宇宙農業に目をつけたのか。西田氏に話を聞いた。

TOWING代表取締役CEO(最高経営責任者)の西田宏平氏

TOWING代表取締役CEO(最高経営責任者)の西田宏平氏

なぜ宇宙農業を実現する必要があるのか?

TOWING代表取締役CEOの西田宏平氏(以下、西田氏):月や火星に人が長期滞在するために、地球から食料を定期的に輸送するとなると、かなりのコストがかかってしまう。現地の基地で作物を育て、それを食べ、し尿を有機肥料として使って、また新たに作物を育てるという、循環型の栽培システムが長期滞在には必要だ。

 微生物がし尿を無機養分に分解し、作物が吸収できるようにしなければならない。TOWINGではそのための土壌を開発している。まず月や火星の砂を加熱し、微生物が好む多孔体にする。多孔体は細かい穴がたくさん開いた素材のことを指す。この多孔体に微生物と、発酵させた宇宙飛行士のし尿を加えて、植物が育つ土壌にする。

日本でもかつては農家が肥だめで発酵させたし尿を肥料にしていた。伝統的な有機栽培に先祖返りするかのようだ。

西田氏:その通りだ。だが、有機栽培は微生物の機嫌によってし尿などの有機肥料を分解するスピードが変わってくる。必要とするときに、必要な養分をつくり出すのが難しい。

 そこでTOWINGでは有機肥料を投入するタイミングや、温度をコントロールすることで微生物の機嫌を取り、分解を制御する。国立研究開発法人の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)で開発された技術をベースにしている。

 米航空宇宙局(NASA)でも、同様の研究がなされていたが、うまくいかなかった。農研機構で開発に成功したのは、日本酒造りの現場で、麹(こうじ)菌などの微生物の繁殖を制御する技術の蓄積が日本にあったからだと聞く。

微生物に頼ることなく、化学肥料を使えばもっと効率的に作物を育てられるのでは?

西田氏:地球でつくった化学肥料を宇宙に運搬するのは高コストだ。また、宇宙飛行士のし尿に熱や圧力を加えれば、宇宙でも化学肥料をつくり出すことはできる。だが、この場合は熱を生み出すためのエネルギーが必要となる。エネルギーが貴重な宇宙基地では、やはりし尿を微生物に分解させた方がよい。

宇宙と並行して、地球の農家向けのビジネスも構想していると聞く。

西田氏:宇宙基地への導入を見据えて開発した循環型の栽培システムを「宙農(そらのう)」と名付け、地球でビニールハウス栽培を手掛ける農家向けにも提供する構想を持つ。有限な資源である石油によって生産された化学肥料を使う農業は持続可能性が低い。化学肥料から有機肥料への切り替えが世界の潮流であり、宙農で転換を推し進める。2022年4月には愛知県刈谷市で研究農園を開設し、開発を加速させる。現在、作物の栽培に協力してくれる地元の人材を探している。

中学時代に弟と交わした誓い

そもそもなぜ宇宙で農業を可能にしたいと思ったのか?

西田氏:私が中学2年生の時に、弟が宇宙飛行士の兄弟を描いた人気漫画『宇宙兄弟』を買ってきて、見せてくれた。以来2人とも漫画に夢中になり、「絶対に宇宙に関連する仕事に就こう」と誓いあった。

 進学した名古屋大学で、宇宙農業につながる技術と出合った。子どものころから実家の近くで農家の祖父が野菜を栽培していたこともあって、「新鮮な野菜を宇宙でも食べられるようにする」という目標ができた。

 これが2020年にTOWINGを創業した経緯だ。現在、弟も名古屋大大学院に在籍しながら、経営に参画している。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13年ぶりとなる宇宙飛行士の募集を3月4日に締め切った。宇宙兄弟のように応募しなかったのか?

西田氏:弟は次回の募集で手を挙げると言っている。私はお金をためて、いずれZOZO創業者の前沢友作氏のように観光として宇宙に行きたいと思っている。

この記事はシリーズ「Xの肖像」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

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写真に納まる村岡と森井 - 調布経済新聞

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05.15
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  1. 写真に納まる村岡と森井  調布経済新聞
  2. 森井大輝「歯が立たなかった」 回転で途中棄権 パラアルペン  サンケイスポーツ
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スポーツ
村岡桃佳、女子スーパー複合で銀メダル 11日大回転へ「気持ちと体つくり直したい」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

村岡桃佳、女子スーパー複合で銀メダル 11日大回転へ「気持ちと体つくり直したい」 - スポニチアネックス Sponichi Annex

04.15
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北京冬季パラリンピック第4日 アルペンスキー ( 2022年3月7日    国家アルペンセンター )

アルペンスキーのスーパー複合女子座位で銀メダルを獲得した村岡桃佳(AP)
Photo By AP

 前半のスーパー大回転の「貯金」を守り切れなかった。村岡桃佳はスーパー複合で、6秒以上の差をつけていたライバルのフォルスター(ドイツ)に逆転負けし、今大会3個目の金メダルはならなかった。銀メダルに「得意ではない回転で、自分の体やスキーの調整がうまくできなかった」と悔しさをにじませた。

 前半のスーパー大回転は会心の内容だった。同じスタート位置から出た前日のレースに比べて3秒以上速く「満足のいく滑りができた」と首位。しかし、後半の回転では気温上昇で緩んだコースを硬化剤で固めた雪面が想定と異なり、対応できなかった。エッジを利かせたターンができず、ポール間を滑り降りるたびにタイムをロスした。

 全種目金メダルの可能性は消えたが、「もともと5冠できるとは思っていなかった」と淡々と語った。前回優勝した得意種目の大回転は11日。「連戦が続いて体的にも(疲れが)きているので、一度休んで、気持ちと体をつくり直したい」。頂点に向けて、再び意欲をのぞかせた。

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スポーツ
DeNAオープン戦単独首位 三浦監督「悩んでますよ。いい悩み」ローテ候補ロメロ、坂本が好投 - プロ野球 - ニッカンスポーツ

DeNAオープン戦単独首位 三浦監督「悩んでますよ。いい悩み」ローテ候補ロメロ、坂本が好投 - プロ野球 - ニッカンスポーツ

03.15
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DeNA対西武 試合後、ファンにあいさつするDeNA三浦監督(撮影・江口和貴)
DeNA対西武 試合後、ファンにあいさつするDeNA三浦監督(撮影・江口和貴)

<オープン戦:DeNA4-2西武>◇8日◇横浜

DeNAがオープン戦単独首位に立った。打線が初回から、4番牧秀悟内野手の先制適時打と宮崎敏郎内野手の2点適時打でリード。4回には細川成也外野手がオープン戦2号となるソロ本塁打を、左中間へ弾丸ライナーで突き刺した。投手陣も先発ロメロが4回1失点と好投。後続の坂本裕哉投手も2回無失点と西武打線を封じ、投打ががっちりかみ合いオープン戦成績を5勝1敗1分けで単独首位に立った。

快勝を見届けた三浦大輔監督はロメロについて「立ち上がりちょっとマウンドにアジャストするのに時間がかかりましたけど、力もありましたし順調にきている」。坂本も「ボール自体は昨年よりもよくなってますし、そのあたり自信持って早めにカウント進めてもらえれば。よくなってます」。うなずいた。先発候補の好投でローテーションを決めるのに「悩んでますよ。いい悩みです」と、6枠を決断する。

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