<西・楽>場内一周を終えてチームメイトに胴上げされる内海(撮影・篠原岳夫)
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今季限りでの引退を発表した西武・内海哲也投手(40)が19日の楽天戦(ベルーナD)後に引退セレモニーを行い、感謝の思いを伝えた。
内海のスピーチ全文は以下の通り
まず始めに、このような舞台を用意していただいた埼玉西武ライオンズ、球団関係者のみなさま、監督、コーチ、選手のみなさまにお礼を申し上げます。ありがとうございました。そして、お付き合いいただきました、東北楽天ゴールデンイーグルスのみなさま、そして最後まで球場に残って応援していただいたファンの皆さま、ありがとうございます。
私、内海哲也は今シーズンを最後に現役を引退します。振り返れば、祖父もプレーしたジャイアンツからプロ野球人生がスタートしました。入団会見の日、亡き祖父を思い出すかのようにユニフォームに手を触れ、涙を流した祖母の姿は今でも忘れられません。
現役生活19年間、堀内監督、原監督、高橋監督、辻監督のもと、プレーをさせていただきました。堀内監督にはチャンスをいただき、原監督には責任を持たせていただき、高橋監督には、再び這い上がるチャンスをいただき、辻監督には新たな経験、挑戦をさせていただきました。今季達成した2000投球回、135個の勝ち星は僕を使ってくれた4人の監督のおかげです。ありがとうございました。
入団当初、プロ野球という世界のレベルの高さに圧倒され、無理かもしれないと思った時期もありましたが、あきらめず、泥臭く、自分らしく頑張ってきました。それを支えてくれたのが、今まで指導していただいたコーチの方々、厳しくも愛情を持って接してくださった先輩方、ともに高みを目指し切磋琢磨した同世代の仲間たち、僕を慕ってくれたかわいい後輩たち、僕を支えてくれたすべての方々のおかげで、ここまでプレーすることができました。ありがとうございました。
その中でも一番近くで支えてくれた家族に感謝の思いを伝えさせてください。おかん。若い頃は色々大変なこともありました。それでも野球をやらせてくれ、丈夫な体に産んでくれたおかげで、ここまで野球をすることができました。ありがとうございました。妻・聡子。ともに笑い、ともに泣き、子供たちが小さい時は特に大変だったと思います。それでもいつもそばで支えてくれ、一生懸命サポートしてくれました。感謝しかありません。あなたがいなければここまで頑張ってこれなかったと思います。ありがとうございました。子どもたち。瑛太、旺太、爽太、琴菜。辛く、苦しく、心が折れそうになったとき、あなたたちの存在に救われ、“パパ頑張れ”その言葉に何度も奮い立ち、マウンドに立つことができました。ありがとう。これからはあなたたちの番です。それぞれの夢に向かって、1日を大切に、頑張ってください。応援します。
そして、残っていただいている炭谷選手、4年前、ライオンズに移籍する時、すいませんと謝ってくれましたが、この4年間で本当に素晴らしい経験をすることができました。ありがとうございました。でも、東京ドームで打たれたホームランは忘れません。まだまだ野球人生は続くと思います。これからも頑張ってください。応援しています。
ライオンズファンの皆さま、期待に応えられず、申し訳ありませんでした。それでも、いつも温かい声援や拍手をいただき、どれだけ勇気づけられたか、わかりません。ありがとうございました。4年間のほとんどの時間を隣にあるカーミニックフィールドで、若い選手と一緒に頑張ってきました。生きのいい、将来楽しみな選手がたくさんいます。しかし、近くて遠いこの場所は簡単に来ることができる場所ではありません。僕自身、若い頃からがむしゃらに練習をし、今も変わらず19年間、やり抜いたつもりです。練習は嘘をつきません。それは、自分自身、身を持って感じたからです。
ファンのみなさま、この壁を乗り越え、1軍の舞台で活躍する選手たちを楽しみに待っていてください。
ジャイアンツファンのみなさま、「恵まれた力…」から始まるあの応援歌は僕の宝物です。昨年の交流戦、東京ドームで投げた際、マウンドに上がる時のあの声援、拍手は一生忘れません。ライオンズに移籍しても変わらず応援していただき、ありがとうございました。
最後になりますが、ライオンズは今、チーム一丸となり、全力で戦っています。僕も最後の最後まで準備します。ライオンズファンのみなさま、一緒に戦っていきましょう。本日は本当にありがとうございました。
内海らしく、全員への感謝の思いを込めた8分間にわたるスピーチだった。内海はこの日の楽天戦に先発して5球を投じて二ゴロに抑えた。カウント2─2からの5球目は首を振って最速139キロを記録。本拠観衆から大きな拍手が起きた。マウンドに集まった野手陣と握手し、豊田投手コーチと抱擁。帽子をとって楽天ベンチにも深々と頭を下げ、スタンドに手を振りながら最後の登板を終えた。試合前に行われた引退会見では、言葉を詰まらせて涙をぬぐう場面もあった。
19年間のプロ野球人生。03年ドラフト自由枠で巨人に入団し11、12年に最多勝を獲得するなどエースとしてチームを支えた。巨人で15年、西武で4年プレーし、通算135勝。西武では故障に苦しんだが、若手の模範となり、多くの若手から慕われた。
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