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【解説】「身内」による調査の限界露呈 入管制度を根本から問い直す議論を - 東京新聞
出入国在留管理庁が出した最終報告書は、期間の上限がない施設への収容など、国際社会から批判され、ウィシュマさんの死が浮かび上がらせた制度の問題には触れていない。身内による調査の限界をあらためて突き付けた形だ。
ウィシュマさんは1月以降、吐血や血圧の低下、体重減少がみられ、手足も動かせない状態に。救えた場面はあったのに、SOSは放置され、面談を重ねた支援者の「今すぐ点滴と入院を」の声は見過ごされた。
ウィシュマさんが死亡前日の3月5日、食べたい物を尋ねた職員に、衰弱して「アロ…」と答えたのに「アロンアルファ?」と聞き返すなど、嘲笑を重ねた。取材で感じるのは、入管庁全体に漂う被収容者への「ゼノフォービア(外国人嫌い)」とも言える意識、人命・人権軽視の姿勢だ。
名古屋入管の佐野局長ら幹部は2月上旬、「会話や歩行も困難」と仮放免を求める支援者の声を把握していた。だが、入管庁は死の責任が問えないなどとして、懲戒処分に当たらない訓告などで幕引きを図ろうとしている。現場の職員への処分などはない。ケアを怠り、死を招いた責任はもっと重く問われるべきだ。
2007年以降、17人が入管で命を落とした。その度に医療体制の問題は指摘されたが、それ以上に入管庁の価値観の見直しこそが急務。収容や仮放免にあたって第三者の審査がないブラックボックスの中で、入管の現場に絶大な権限が付与されてきた仕組みも変えなければならない。
ウィシュマさんの死を巡り、先の国会で成立が見送られた入管難民法改正案は今後、再び審議される見通し。入管制度を根本から問い直す議論が不可欠だ。(望月衣塑子)
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