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夫が20歳も若い女性とデートした日|ウートピ - ウートピ

夫が20歳も若い女性とデートした日|ウートピ - ウートピ

12.50
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小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。今回はパートナーの「デート」についてのお話です。旦那さんが若い女の子とデートしたのをきっかけに、恋人を奪われたトラウマが蘇った森さん。女のプライドや嫉妬にまつわる赤裸々な語りに、恋人と異性の関わりでモヤっとしたことがある人なら思わず頷いてしまうはず。

*本記事は『cakes』の連載「アラフィフ作家の迷走性(生)活」にて2018年11月24日に公開されたものに一部小見出しなどを改稿し掲載しています

先日、旦那さんが若い女性(仮にEとしておこう)とデートをした。高級ホテルでアフタヌーンティーを嗜み、ウインドーショッピングをして、クリスマスのイルミネーションを鑑賞、その後は居酒屋でしこたま飲み、旦那さんが帰宅したのは午前様だった。

私より20歳も若い!

すでに寝落ちしていた(寝たふりともいう)私の頬にキスをして旦那さんは、

「遅くなってごめんね」

とささやいた。旦那さんも私も複数恋愛を遂行しているわけではないので、これは読み方によっては由々しき事態である。しかもEは私より20歳も若い! それだけでキィーッと歯噛みして地団駄踏んでしまう。しかしデートの詳細を私が知っているあたり、由々しきというよりはややこしい案件なのである。

Eは旦那さんと同じ職場だ。わりと親しくしているようで、一度私を交えて3人で食事をしたこともある。なかなか美人で賢く、好感度も高い。だが、いかんせん20歳も年下である、感覚がかなり違う。単純に若さがまぶしくて、私が勝手に萎縮してしまうというのもあるのだけど。

世代の違いというか、昭和生まれと平成生まれとの世界観の隔たりを、対男性だと「感覚のおもしろさ」として受け止め、ちぐはぐながらも会話が進むようだ。実際、Eと私よりも、仕事という共通点も手伝ってかEと旦那さんとのほうがやりとりはスムーズだった。

若い女性のまぶしさを、男性は朝露もしくは水面を反射する光のように尊く感じ、片や熟し過ぎて腐りかけた私はそのまぶしさがレフ版の光のように突き刺さる。「ちょっと! まぶしすぎて目が痛いんだけど!」と悔しさのあまりに一言クレームつけたくなってしまうのだ。年齢を重ねたら、人としての豊かな情緒や思いやりといった人間味で勝負すべきだ、というのは体のいい常套句で、やはり若さ(美しさがセットになってたらなおのこと)は羨ましく、目の前でちらついていたら妬ましくなってしまうのだ(こう断言するあたり、私には人間味のかけらもない)。

男は1秒も野放しにできないと痛感した日

旦那さんとEがデートをしたのは、Eが何やら仕事に関連する検定試験に合格したので、そのご褒美をしてあげたい、という旦那さんのやさしさからだった。Eも最近失恋したばかりで、疑似彼を演じてほしかったのかもしれない。

「俺、男として見られてないんだよ」と旦那さんは一笑に付し(女装家だしね)、あらかじめ私に許可を取った。その上、詳細なタイムテーブルまでメールで知らせてきたので、表面上は3人とも穏やかだった。しかし、旦那さんは私のトラウマを知らない。過去、私はたった一日、当時付き合っていた彼を野放しにしただけで、私の知人に彼を奪われたのである。

もう20年以上も昔だ。付き合ったばかりの彼が引越しをして、部屋の整理を手伝うために私は日参していたのだが、どうしてもはずせない用事ができて、さらに彼のほうも切羽詰った仕事があり、手伝いを所望していた。苦肉の策として、私は信頼できる知人女性を紹介し、一日だけ手伝いを頼んだ。するとその翌日に知人女性から私に電話があり、「私、彼と一緒に暮らすから」と一言。はぁ? 彼が私の彼だということを知人に伝えていなかったのは私の落ち度だし、そのくらい察してくれるよね、との思い込みも私の驕りに過ぎない。のちに知人から謝罪はあったにしても、泥沼の三角関係に突入したのだから後の祭りだ。

モテない男とは付き合いたくないけど、自分の男がモテるのは嫌

この経験は、私の胸に暗く深い影を落とした。男女間は1分、いや1秒でもあれば恋愛関係に発展する可能性があるのだ。年齢も国籍も職業も、性別すら飛び越えてしまうもの、それが恋愛。不条理が許されてしまうのも恋愛で、理不尽に心が傷つけられるのもまた恋愛だ。私は、Eと旦那さんがデートするのが、嫌というよりは不安だったのだ。だって私には、若さに太刀打ちできる豊かな情緒も思いやりもない。たとえそれらがあったとしても、万が一、私が人格者だったとしても、若さと美しさに寸分も威圧されない女性がこの世にいるだろうか。

さて、ここで皆様に問いたいのだが、自分の夫もしくは彼が異性と交遊する際の許容範囲はどの程度だろう。異性とふたりきりで会うのはNG、という人から、LINEもメールも絶対にアウト! な人がいたり、別にたまには他の人とセックスしてもいいよ、なんて寛大な人もいるかもしれない。

私の場合は、事前か事後に報告してくれればふたりきりで会って飲んだり食事しでもOK派だ。仕事上の付き合いでふたりきりで会うなんて日常的にありそうだし、あまり制限するのも大人気ない。と、広い心でかまえたふりして、正直に申し上げると心中は大海原みたいにゆったりしているわけではない。

私は旦那さんのことは100%信頼しているけれど、「男性」は100%信頼していないのである。旦那さんの中にある男性は、旦那さん自身にも制御不能だと思うから。これ、矛盾しているようでけっこうまっとうな意見じゃないでしょうか。そもそも100%信頼できる男性なんて、モテない証みたいだ。これも矛盾しているようなのだが、女性は自分の彼が他の女性にモテるのは嫌なくせに、自分がモテない男性と付き合っているというのは我慢ならない。

ほだされるのは男のやさしさ

たいてい、ずるずると浮気や不倫に引きずり込まれるのは男性だ。男性はやさしいから、女性が罠を仕かけていると承知していながら、あえて引っかかる。女性が酔ったふりをするのも、帰りのタクシーの中でしなだれかかってくるのも、わざとだと本能でキャッチしている。「このままずるずるいくとヤバいな」と牽制しつつ、妻または彼女からのメール「そろそろ飲み会終わった? お茶漬け作っておこうか?」を横目で見つつも、下半身すれすれに押しつけられた女性の胸に、もう降参してしまっている。つい欲情してしまうのは勿論だが、男性は「こうまでして俺とやりたいのか。健気だな」と揺れ動いてしまうのではないか。意思が弱いというよりは、やさしいのだ。なし崩し的に、女性の情熱にほだされてしまう。

そんな男性の、弱さと紙一重のやさしさを女性は利用する。当然、その男性が好きだから、付き合いたいから、やりたいから、という確固たる目的の上で、わざとらしい色気が功を奏すのだ。

女性の必死な作為や策略が、私は嫌いではない。テレビドラマや映画でも主人公よりは悪役やライバル役に惹かれるし、自分が書く小説でも、実は主人公よりは悪役やライバル役に心血をそそいでいる。なぜかというと、ほしいものが明確で、そのためなら手段を選ばないからだ。最後の最後で主人公が勝つように物語はできているけれど、一時は悪役やライバル役が主人公を脅かす。それがあくどければあくどいほど、私はそそられる。

旦那のデートについて行くのは女のプライドが許さない

で、Eと旦那さんのデートだが、別にEは悪役でもライバル役でもない。若くて美人で賢くて好感度の高い女性だ。同時に、私がたちうちできる相手でもない。過去のトラウマにより、その日一日、私は世にも鬱陶しい悲劇のヒロインになっていた。「ああ、きっと、20年前のように旦那さんをとられてしまう。あの頃は私も若かったけれど、今は若さがない。情緒も思いやりもない、人格者でもない(しつこい)。絶対に終わりだ」。

すいません、バカみたいなのだが本当に一日中滅入っていたのだ。人間が誰しも1分1秒で恋愛関係に突入するわけじゃないだろ、と頭では勿論理解しているのに、だ。だったら、デートを許可しないか、一緒にくっついて行けばよかったのだ。事実、旦那さんには「一緒に来る?」と誘われたのだ。が、「うんうん!」とは言えませんよね、女性の方々、年季の入った妻として、または彼女として、尻尾ふって行けますか? この女性のやっかいなプライド、男性の方々には理解できないだろう。

それに、前述したように私は悪役やライバル役が好きなのだ。いやいや、だからEは別に悪役でもライバル役でもないのだけど。旦那さんは旦那さんで私に気を使ってか、いちいち「今、ここにいます」といったツーショット写メを送ってくるし、これがまた仲が良さそうなのだ。すっかり小姑気分になった私は、「あら、可愛いわね、素敵ね。楽しんでね」なんて、ひとかけらも思っていないことを笑顔の絵文字付きで返信したりして。

そして旦那さんが帰宅したのが午前様だ。私は精一杯の虚勢で寝たふりしていたけれど。

「おかえり。一発やった?」

くらいの意地悪は、してもよかったかもしれない。まさか、そんな一撃をくらわしたところで自分が虚しくなるだけだ。それがわかるくらいの理性はある。

女性の方々、男性の方々も。夫(妻)または彼(彼女)が他の女性(男性)とデートした時の心境はいかがでしょうか。モヤっとした感情が1ミリも湧かない方がいるとしたら、それは悟りをひらいた人か、もしかしたら人間ではなく神ではないかと思うのだ。

森美樹 1995年、講談社から少女小説家としてデビュー。恋愛小説を7冊刊行したのち、2013年、新潮社R-18文学賞読者賞受賞。『主婦病』『私の裸』『母親病』以上新潮社刊。『神様たち』光文社刊。アンソロジー『黒い結婚 白い結婚』講談社刊。女性専用カウンセリングサイト『語りませんか?』にて、カウンセリング活動も行う。

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[現場]惨事から一週間、梨泰院…市民はこぶしで胸を叩いた - The Hankyoreh japan

[現場]惨事から一週間、梨泰院…市民はこぶしで胸を叩いた - The Hankyoreh japan

04.50
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「行政惨事、誰も責任を取らない」 
週末を迎え、追悼に訪れる人相次ぐ

4日、ソウル龍山区の梨泰院駅1番出口前の惨事追悼空間を訪れた市民たちが、事故現場を見つめている/聯合ニュース

 地下鉄6号線の梨泰院(イテウォン)駅1番出口の周辺は、犠牲者を追悼する人々が置いて行った白い菊と色とりどりの付箋で幾重にも囲まれていた。国家公式哀悼期間の最終日の5日、多くの市民が梨泰院惨事の犠牲者の弔問に訪れた。

 週末のこの日、ソウル龍山区(ヨンサング)の緑莎坪(ノクサピョン)広場と中区(チュング)のソウル広場に設置された合同焼香所と梨泰院駅の追悼空間には、午前から多くの市民が訪れた。市民たちは焼香所と追悼空間で白い菊を献花したり、追悼の気持ちを記した付箋を地下鉄駅や道路などのあちこちに貼ったりしていた。

 平日とは異なり、家族で弔問に訪れた市民が目立った。1歳の子どもと緑莎坪の焼香所を訪れた龍山区住民のキム・ヒョンジさん(36)は「若い頃は梨泰院でよく集まったが、このようなことが起きて残念だ」と話した。黒い服を着て小学校1年生と5年生の子どもと追悼空間に献花したLさん(43)は「職場がこっちの方なのだが、通り過ぎる度に胸が痛む。(子どもたちには)周囲の人たちや大変な目にあった人たちを慰められる人になってほしいという気持ちで一緒に来た」と話した。

 すでに成人している子どもたちと共にやって来る家族もあった。両親や妹と連れだってやって来たイ・スジンさん(37)も、「父が若くして逝った人たちにあいさつしたいと言ったので、家族で来た。惨事後は憂鬱だった。いつも通っていた道でこんなにも多くの人がこんな死に方をするというのが痛ましく、悲しかった」と話した。

市民がソウル地下鉄6号線の梨泰院駅1番出口の周辺に置いた菊と付箋。5日正午ごろ=ソ・ヘミ記者//ハンギョレ新聞社

5日午前、ソウル龍山区の緑莎坪合同焼香所。文学団体「詩山脈」の会員たちが弔問している=ソ・ヘミ記者//ハンギョレ新聞社

 団体も追悼に訪れた。文学団体「詩山脈」の13人の会員は、登山の前に緑莎坪の焼香所と梨泰院の追悼空間を訪れた。詩人のパク・スヒョンさん(70)は、「安全な国が作れなかったことについて、大人としてとても申し訳ない。対処も不十分だったが、惨事なのか事故なのか、謹弔なのかそうでないのかを問題にする政治を見て情けなくなる」と言って涙を流した。

 惨事が起きた時間帯に近くにいた市民も梨泰院に初めてやって来た市民も、犠牲者を見送るために梨泰院を訪れた。惨事当日に梨泰院で人と会う約束をしていたという会社員のMさん(27)は、「人が多すぎて、10時過ぎに緑莎坪駅の方へ抜け出したので惨事を免れることができた。幸いだと言うのも申し訳なくて来ねばならないような気がした」と語った。梨泰院に来るのは今回が初めてだという大学生のイ・ユナさん(20)は、こぶしで胸を叩きながら「心が痛んだので来た」と言って言葉を詰まらせた。惨事が発生したハミルトンホテル横の路地を眺めていた市民たちは、なかなかその場を離れられずにいた。立冬を控えた風に菊の香りが漂っていた。

 ソウル中区のソウル広場に設けられた合同焼香所にも、市民が続々と犠牲者を追悼しにやって来た。5日午後1時ごろ、70人あまりの市民が菊の花を一輪ずつ持って並び、順番を待っていた。京畿道安山市(アンサンシ)から7歳の娘と追悼にやって来たチョ・スニョンさん(46)は、「セウォル号惨事の後も大きな変化がないみたいで、既成世代の一人として犠牲者に本当に申し訳ない。(警察や消防などには)災害に関する対応マニュアルがないわけでもなく、惨事を防ぐ方法がなかったわけでもないのに、それが実行できなかったためにこのような惨事が発生したということがとても残念だ」と述べた。

 この日、合同焼香所に追悼に訪れた市民たちは、梨泰院惨事についての政府関係者たちの無責任な発言に対しても怒りをあらわにした。夫と共にソウル広場の合同焼香所を訪れたチョン・ウォンギョンさん(29)は「今回の梨泰院惨事は『行政惨事』だと思う。責任逃れするイ・サンミン行政安全部長官、パク・ヒヨン龍山区長の発言を聞いて腹が立った。遺族を再び傷つけるもの」だと批判した。京畿道金浦市(キンポシ)から家族とソウル広場の合同焼香所を訪れたチュ・ソンホさん(45)も、「これまでの政府の対応を見ると、たいへん卑怯に感じられる。国の災害対応システムが完全に崩壊してしまっている中、誰かが無条件に謝罪し、無限責任を負うと言うべきなのに、惨事の主な責任者は全く口をつぐんでいる」と述べた。

5日午後、ソウル中区のソウル広場に設けられた「梨泰院惨事犠牲者合同焼香所」に追悼にやって来た市民が並んでいる=パク・チヨン記者//ハンギョレ新聞社

ソ・ヘミ、パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1065880.html韓国語原文入力:2022-11-05 14:59
訳D.K

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【連載】六大学野球秋季リーグ戦応援対談【第三回】野球部×応援部 特別対談編 野球部・菊池聡太主務×応援部・玉城大基学生誘導対策責任者 - wasedasports.com

【連載】六大学野球秋季リーグ戦応援対談【第三回】野球部×応援部 特別対談編 野球部・菊池聡太主務×応援部・玉城大基学生誘導対策責任者 - wasedasports.com

08.50
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 第三回に登場するのは、野球部・菊池聡太主務(商4=福岡・東筑)と応援部・玉城大基学生誘導対策責任者(基理4=沖縄・昭和薬科大付)。別の部ではありながらも親交のある2人の対談を実施し、秋季リーグ戦の運営、集客活動について語っていただいた。

※この取材は10月19日に行われたものです。

早稲田キャンパスで知り合った2人は両部の最上級生に

出会いを語り合う菊池(左)と玉城

――自己紹介をお願いします

菊池 早稲田大学野球部主務の菊池聡太と申します。4年生で学部は商学部、福岡の東筑高校出身です。よろしくお願いします。

玉城 早稲田大学応援部で、4年生で、学生誘導対策責任者を務めております玉城大基です。学部は基幹理工学部に所属しております。よろしくお願いします。

――お互いに面識、交流はありましたか

玉城 俺最初声かけたんだっけ? 違う?

菊池 そうかも。確か赤嶺(大哉、教4=東京・早実)と一緒にいて。

玉城 飲み行ったんだっけ? 違う?

菊池 一番最初は違うかも。でも先にキャンパスの前で声かけてもらって。

玉城 戸山キャンパス? 東伏見キャンパス?

菊池 早稲田の本キャン(早稲田キャンパス)の前で。

玉城 俺声かけたんだっけ?

菊池 多分そう。

玉城 覚えてない(笑)。

菊池 大哉が確かいて。

玉城 野球部の赤嶺大哉選手というピッチャーがいて、彼は沖縄県出身なんですね。私も沖縄県出身で、赤嶺大哉の従兄弟が私中高6年間一緒で、結構仲が良いんですね。そういうつながりがあって、元々お互いを何となく知っている感じで、菊池がたまたま一緒に歩いていて、声をかけた感じです。

――お二人の役職での仕事を教えてください

菊池 野球部の主務はリーグ戦の運営だったり、OB関係のことだったり、あとはチームの方だと、練習のスケジュールをいつにするか相談して決めるというのと、オープン戦を組んだり審判を呼んだりしています。個人的に学年に2人マネジャーがいて、会計と広報でいるので、自分は会計の方を担当して、決算を報告会に向けて準備しています。

玉城 私は学生誘導対策責任者という長い役職名なのですが、元々はですね、学生誘導といって、神宮球場内大変混雑する早慶戦でその人員整理をしていたというのが元々の役職の役割なのですが、今はどちらかというと神宮球場にどうやって現役学生を動員するか、早稲田文化をどう現役学生に発信していくか、そこにフォーカスして活動しております。直近ですと早慶戦がございますので、早慶戦にどうやって現役学生を呼ぶか、現役学生に関わらず、色々な人をどう動員するかといったことを考えて実行しております。

リーグ戦の運営を、集客を語る

ベンチ内でスコアを書く菊池(左)と指揮台でセンターリーダーを務める玉城

――今年はどのような取り組みを行っていますか

玉城 今年やっていることとして、まず1つ大きなものは競技スポーツセンターと協力して観戦ツアーを行っています。体育各部の早慶戦に現役の学生を動員する取り組みを行っています。こちらは皆さんにWasedaメールで配信されていますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。あともう1つやっていることとしましては、集客について考えるのですが、応援部の部員一人一人がそれぞれの知り合いを神宮球場に連れてくる、そういう意識付けだったり、それを実行に移させたりといったことに力を入れています。

菊池 野球部として行っていることは、TwitterやInstagramなどの公式SNSを使って、カウントダウンの動画を上げるなど、どちらかといえば今までのファンの方向けではあるかもしれませんが、リーグ戦の周知などを行っています。

――活動の中で心掛けていることはありますか

玉城 応援部は広報部門という専門の分野がいて、広報媒体などで集客などを行ったりしているのですが、私は現役の学生にいかに寄り添えるかどうかということを心掛けています。応援部という部活動に所属していながら、その他のコミュニティに所属している人たちも引き込むわけですから、やはりいろいろな人間関係とか価値観を大事にして、一つ一つの人間関係を大切にしていきたいと思っていますし、そのネットワークを広げていきたいと常に思っていますので、そういったことを意識して、日頃の部活動に取り組んでいます。

菊池 マネジャーとしては最終的に選手がより良い環境で練習ができるように、何もなくキャンプが終えられるようにつなげたいと思っていますが、結局野球が強くないと応援に来てもらえないと思っています。早慶戦とかで優勝決定戦とかになるとすごく観客が増えると思うので、最終的にはそこに持っていけるようにしたいです。結果はなかなか見えないですが…。

玉城 いやいや、菊池の努力は目に見えているよ!

菊池 ありがとうございます(笑)。今は結構いい感じになりつつあって。すぐには目に見えない部分での取り組みが多いですね。

――新型コロナウイルスなどによる制約で苦労したことはありますか

菊池 めちゃくちゃあります。

玉城 めちゃくちゃある菊池くんからで。

菊池 今年の1月に野球部でクラスターが起きて、その時に大学でも部活動のガイドラインができていなくて、ちょうど試験期間も被ってしまって。何人以上出たら部員全員自宅待機とかもなかったのですが、とりあえず全部止めて自宅待機にさせて、各学部と競スポなどいろんなところに連絡したのが今年一発目に大変なことでした。基本的にはコロナ関係ですが、部員1人が感染したら2、3人も芋づる式に感染していくので、そうならないように、濃厚接触者を出さないようにできることをしました。寮だったら、今まで4人1組でご飯を食べていたのを1人にするとか濃厚接触者を出さない取り組みを寮内とグラウンドでもやっていて、これが一番効果がありました。あと苦労したことは、春5位だったことがシンプルにきつくて、「ああ、5位か…」というところからの夏のキャンプがあって、今年は初めて南魚沼市に行きました。これは同期の岩井(寛汰副務、スポ4=大阪・早稲田摂陵)というマネジャーが頑張ってくれて、なんとか成功して今に至ります。

――リーグ戦関連で苦労したことはありますか

菊池 今年はちょっとルールが緩くなったんですよ。感染者が1人でも出たらだめとかではなくて。去年まではメンバーの中に1人でもいたら試合ができなかったんですけど、それが緩くなったおかげで少し楽になりました。運営面でも前までは選手と観客が接触OKで緩めなところもありました。それが、バスを降りて野球場に入るときや出る時に接触できなくなりました。選手にもベンチにいる時にマスクつけさせるとか、そういうところは大変だったと思います。

玉城 菊池は主務なので部活動全体の運営だったり大変さだと思うんですけど、私は学対責任者としての難しさをお話ししようと思います。やはり学生を神宮球場だったりその他の応援活動場所に呼ぶのが私の役割ですが、神宮球場以外だと観客の動員の制限があったりしました。あとは春だとわれわれは外野にいるのに内野に呼ぶ、観客はわれわれに呼ばれたのにわれわれは外野にいるという状況が発生したりとか。今でも集客活動こそできるのですが、応援方法が制限されたりしているので、観客をあおったりができない中で、人を呼ばなければいけない。でも人を呼んだら思うように応援できない。このもどかしさの中で私の役割を遂行していかなければいけないことが非常に難しかったです。あとは、神宮球場でのわれわれの在り方。昔はもう少し応援部が好き放題できた神宮球場だったのですが、やっぱりコロナ禍で神宮球場側や野球連盟、神宮球場を運営している委託業者などからいろいろと制限を受けてしまっているところで、われわれが今までやってきたやり方が制限されてしまっているので、部活動全体として見た時に寂しいと思いますね。

――2019年まで学生応援席があったと思うのですが、こちらの復活は先送りになりますか

玉城 まだ復活はしないです。

菊池 まだ復活しないですね。

――現在の集客状況についてはどのように感じていますか

玉城 だいぶ入っている印象ですね。

菊池 入っていますね。

玉城 コロナ禍で応援方法が制限されている中では、立教戦では1万人ちょっと入っていましたし。内野席でも応援部がいる側といない側で分かれていると思うんですけれども、応援部がいる側だけで概算ですけども結構入っている印象でしたね。なので、多くなっていると思います。

菊池 去年だと上限も5000人と決まっていて、それでも「人入っているな」という印象でした。今年は上限もなくなってパンパンに入っている感じです。

――コロナ以前に比べるとやはり来場者数は少なくなっていますか

菊池 応援席のエリアを囲っている分、そもそも入れる人数が少し少なくなっている状況ですね。前は応援部が通路を行き来できる分、前の方まで観客の方が入れたんですけども、そこが完全に応援部ゾーンとなっているのが惜しいなと感じます。

――今は応援席のエリアと客席のエリアが分かれている状況となっていますが、観客が前の方の座席まで着席できる元の形態に戻っていきたい気持ちは強いですか

玉城 それはその通りですね。

――今秋から内野応援席が復活して観客と応援部の距離が近くなりましたが、野球部として、応援部としてそれぞれどのように感じていますか

玉城 早稲田の応援部として、応援「団」じゃなくて応援「部」であることを大事にしているんですね。応援「団」というと自分たちの有志でやっているイメージを持っているのですが、応援「部」というと応援部員以外の学生を巻き込んで全体で大きな応援をつくりあげることをわれわれは大事にしています。昨シーズンまでは外野での応援だったので、なかなか難しい部分もありましたが、内野に戻ってくると(観客の方に)声を出したり手拍子をあおることはできないながらも、われわれの曲に合わせて自然と観客の方々が手拍子をしてくださったり盛り上がってくださったりするところを見ると、「少しずつ戻ってきてるな」という気持ちになります。

菊池 野球部から見ると、去年までの外野からの応援も良かったのですが、内野に近い方が球場との一体感は感じられますね。特に点が入った時の『紺碧の空』の盛り上がり方が外野の時とは違う感じがするので、選手にとっても後押しになっているなと感じます。

これからを見据えて

ポスターの写真を見せながら早慶戦への思いを語る玉城

――お2人とも間もなく引退を迎えますが、後輩に託したいことはコロナ以前の原型に戻すことになりますか

玉城 そうですね。元に戻していってほしい気がしますけど、(菊池に対して)どうですか?

菊池 今度の早慶戦のような内野と外野に応援部がいる形態に戻してほしいです。

玉城 われわれが1年生の時の早慶戦の盛り上がりを復活させてほしいです。多分われわれの先輩方の時代だともっと盛り上がっていたと思うので、六大学野球というものと応援というものを盛り上げて早稲田全体も盛り上げていってほしいなと思います。

菊池 全然関係ないですけど、学生注目を久々に近くで見たら結構面白いな思いました。今までは遠くで何を言っているか聞こえない状態だったんですけど、たまに応援部の方に行ってみたりするとやってたりするので。

玉城 何戦? 東大戦? 印象に残った学注(学生注目)は?

菊池 東大戦での玉城の「お母さんありがとうコール」ですね。母の日だっけ?

玉城 応援席に来てて。

菊池 そうだそうだ、お母さんが来てて。「あの人が母親です!」それで「お母さんコール」で、お母さんありがとうなんちゃらちゃらみたいな。

玉城 やってましたね。

菊池 あれは面白かったです。

玉城 (笑)。

――早慶戦がさらに盛り上がるために必要だと思っていることはありますか

玉城 神宮球場の応援席に来ることの価値をもっと上げたいです。昔の学生って変な話やることがないので、とりあえず「週末神宮球場行こうか」みたいな感じだったと思うんですけど、今はいろいろな楽しいものがあると思うんですね。野球応援はとても楽しいんですけど、それ以外にも魅力的なコンテンツがたくさんあるので、神宮球場の応援席に来ること自体にもっと価値をつけていく、そして学生がもっと来たいと思えるような空間をつくり上げていく必要があると思いますね。

――具体的な方法は思いついていますか

玉城 例えば、連盟などとの兼ね合いは抜きにして考えると、例えば早稲田の有名なパフォサー(パフォーマンスサークル)や有名なOBをたくさん呼んで何かやってもらったりすることですかね。コロナ禍だと難しいことは多くあると思うんですけども、将来的には応援部が持っている伝統ややり方は残しつつも、今の時代に合わせて適切な形で組み込んでいくことが早稲田を盛り上げることには必要なことだと思います。

――コロナ以前の早慶戦ではサークルの方をお呼びしていましたよね

玉城 そうですね、ああいったことを通常のリーグ戦でもできたらなと思います。ただ今はなかなか難しいですね。

――菊池さんは、早慶戦がさらに盛り上がるために必要だと思っていることはありますか

菊池 年配の方が来てくれるのもありがたいんですけど、早稲田の学生が来てくれるのが一番盛り上がると思うので、サークルがパフォーマンスしてほしいですね。今はバスを借りて早稲田キャンパスから神宮まで走らせて学生に簡単に来てもらおうという企画をやっていて、神宮に来る敷居はこれからも下げていきたいですね。

玉城 早慶戦と早稲田祭が同日開催なんですよね。どうしても対立構造になっちゃうんですよ。早慶戦に行くか、早稲田祭に行くか。でも早稲田文化を大いに楽しむ意味では、私としても早稲田祭に行ってほしくないという気持ちはないんですね。それはそれで早稲田を楽しんでいるので。早慶戦に行くことも早稲田文化なので、つなげたいなという思いがあって、3年前にもやっていたんですが今年度もバス企画をやるということで調整を進めていて、大隈講堂の前から神宮球場を往復して早稲田祭を楽しみつつ早慶戦に行くということができればいいなと思います。

――これまでの役職の活動で楽しかったことはありますか

菊池 自分はリーグ戦の運営が楽しかったですね。他校の主務やマネジャーとつながりが深くなって、そこで仲良くなったマネジャーのみんなと遊びに行ったりもしています。基本部内でやっていることは地味なことだったり陰でやることが多い中で神宮に行くと新たなつながりができたのが、すごく楽しかったです。

――運営として具体的にどのような活動をしていましたか

菊池 朝からの流れで言うと、まず球場に来て記者席などの準備をして、メーカーから来たボールの検査をして、あとは東京六大学野球のホームページで速報が上がっていると思うんですけど、それもマネジャーが打ち込んでいますね。試合前のノックのタイムキーパーや整列の指示もマネジャーが仕切っていますし、特に1試合目は開始時刻より前に始めてはいけないことになっているので、そこの時間管理もしています。

――玉城さんは、これまでの役職の活動で楽しかったことはありますか

玉城 部活動中もそれ以外でも、いろいろな方とのネットワークやつながりを個人的には大事にしたいと思って日々活動してきました。役職上必要なことではありますが、私個人としてもそういったつながりを、外部の方々との関わりを持っていくこと自体が楽しかったです。オフィシャルな活動ですと、野球部員と一緒に神宮に来たお客さんに対して声掛けをしていて、オフィシャルな活動以外ですと飲み会を開催したりしてネットワークを広げていく、それがやはり楽しかったですね。

――やりがいを感じるのも、人とのつながりを持つことになりますか

玉城 そうですね。

――菊池さんがやりがいを感じるのはどのような時ですか

菊池 仕事自体へのやりがいはあまり普段は感じることがないんですけど、もともと応援部の『紺碧の空』や応援が好きだったこともあって、リーグ戦で応援を聞いたり勝った時に『紺碧の空』を聞くと良かったなと思うことが多くて。それ以外だと自由にしているときにみんなと楽しくできるのがすごくやりがいになっています。

――早慶戦に向けて取り組んでいきたいことはありますか

玉城 いっぱいあります。残り2週間くらいしかないんですけど、やっぱり私はお客さんを見たいですね。体育各部であったり、サークルの皆さんに声掛けをしてお客さんを集める。そういったことをやっていきたいし、先ほど言ったように早稲田と神宮を結ぶバス企画もそうですし、役職の仕事に立ち返ってという点から言うと、人をたくさん明治神宮に呼んで早慶戦を盛り上げる。これに尽きますね。

菊池 まずは立教を応援することですね(笑)。早慶戦を優勝決定戦にすることと、そこに勝つためのコンディションを整えるということが一番ですね。

――早慶戦で観客の皆さんに協力をお願いしたいことはありますか

玉城 応援にもう少しのってほしいですね(笑)。われわれは神宮球場で「もっと声出せ」とか「もっと叩いてください」とも言えないので、みんなで盛り上がっていけたらより良い応援席になるのではないでしょうか。

菊池 とにかく応援に来てくださいという感じですね。より多くの人に来てもらってそれを選手の力に変えたいという思いがあるので、来てもらって、一挙手一投足に盛り上がってもらいたいですね。

――最後に観客の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

菊池 春5位というのもあって応援してくれる皆さんにとっても残念に思われる方も多かったと思いますが、ここまで上位で来ていて早慶戦では感動を与えられるような試合をできるような準備をしているのでぜひ応援に来てください。

玉城 普段来ていただいている観客の方々に対して、いつも一緒に応援できることが本当に楽しいことなので、感謝の気持ちを伝えたいです。まだ来たことない学生さんたちに関しては、本当に神宮球場に来てほしいですね。日常生活でも感動するシーンがもちろんたくさんあると思うんですけど、神宮球場で味わう勝利、慶應を倒したときに味わう勝利、そしてみんなで歌う『紺碧の空』に勝るものはないんじゃないかなと思います。

菊池 ないです。

玉城 我々が早慶戦に向けてポスターを作成したんですけど、ポスターに「人生変えたきゃ神宮来い」って書いてあるんですね。これを早稲田に張りまくっているんですけど、人生変わるんじゃないですか、神宮来たら(笑)。(菊池に対して)変わります?

菊池 変わります(笑)。

玉城 そのくらい盛り上がっていただきたいですね。ぜひ神宮球場にいらしてください。そこで伝えたいことはすべて伝わると思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 藤田珠江、横松さくら、横山勝興、橋本聖)

早慶戦に向けた目標を書いていただきました! おのおのの目標を掲げ、早慶戦に挑みます!

◆菊池聡太(きくち・そうた)(※写真左)

2000(平12)年9月12日生まれ。福岡・東筑高出身。商学部4年。野球部所属。役職は主務。マイブームはゴルフの動画を見ることだそうです!

◆玉城大基(たまき・だいき)

2000(平12)年9月23日生まれ。沖縄・昭和薬科大付高出身。基幹理工学部4年。応援部所属。役職は学生誘導対策責任者。マイブームはないそうですが、今は部活のことを熱心に考えている時間が多いそうです!

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【連載】六大学野球秋季リーグ戦応援対談【第三回】野球部×応援部 特別対談編 野球部・菊池聡太主務×応援部・玉城大基学生誘導対策責任者 - wasedasports.com
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認知症は人生の終わりではない~一人受診、本人の会で変わる状況~ - 時事メディカル

認知症は人生の終わりではない~一人受診、本人の会で変わる状況~ - 時事メディカル

04.51
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 認知症という病名はよく知られているが、いまだに誤解も多い。決して「認知症イコール人生の終わり」ではない。東京慈恵会医科大学の繁田雅弘教授は「認知症は基本的に治らない病気だ。できないことはある。しかし、できないことが増えたとしても生きる意味はある」と前置きした上で、「患者は気分が沈み、不安になったり、強いストレスを感じたりする。その苦しみを和らげ、それまでの生活を続けることが大事だ」と力説する。

誰でも認知症になる可能性がある=Adobe Stockより

誰でも認知症になる可能性がある=Adobe Stockより

 ◇誤ったイメージ

 一般的に、自分自身や家族が認知症になることを極度に恐れる傾向がある。それは誤ったイメージに基づいている、と繁田教授は指摘する。「認知症の進行が速い人はごく一部だ。ひとくくりにして、皆が一気に厳しい状況に陥ると恐れることは適切ではない」。誤ったイメージを変えようと、繁田教授は努力してきた。社会の認識を変えるためには、どうしたらよいのか。繁田教授の答えは明解だ。

 「認知症になっても普通に暮らしている人は多い。一人でも多く、そういう人たちと会って話を聞くことだ。そうすれば、大変な生活をしているが、認知症ではない自分たちと変わらないことが分かる。それを実感してほしい」

 ◇以前の生活を続けよう

 本人や家族は認知症を恐れ、心配する。特に家族は医師に「本人は何もしないし、いくら言ってもやろうとしない」などと訴える。確かに、一つの事をするのに苦労するし、それまでと同じ事をするのにも苦労する。しかし、日常生活や仕事の能力は低下しているが、能力がなくなったわけではない。本人は仕事を続けたいと思っているし、家族も続けさせてあげたいと考えている。仕事を続けることは、大きな励みだ。

 家族は本人と一緒に時間を過ごし、空間を共にする運命共同体と言える。だからこそ、日々の接し方が大切になる。周囲の人たちも、「一緒に仕事をしよう」「一緒に遊ぼう」と声を掛けることが患者の支えになる。繁田教授は「そうする事が救いになり、少しでも元気になってもらえる」と言い、できる限りそれまでの生活を続ける意義を強調する。

 ◇過保護と管理にならないで

 家族らに気を付けてほしい行動がある。過保護になり、世話を焼き過ぎる事だ。物を散らかしたり、食べ物をこぼしたりするために、家族がずっとそばにいる。これは、本人にとっては大変息苦しい。「認知症になる前はそんな事はなかっただろう。一種の〝管理〟に他ならない」と指摘した上で、本人と一定の距離を取るようにアドバイスする。

 認知症になった夫の銀行キャッシュカードを妻が取り上げる事は、よくあるかもしれない。しかし、夫の方は長年の趣味を取り上げられてしまい、生活がつまらなくなってしまう。繁田教授はそういう例を多く見てきた。患者にこう勧めたこともある。「それでも、まだ家に居たいですか。施設に入ったらどうでしょうか。もっと優しくしてくれますよ」

 ◇一人で受診が半数

 受診の形も変わってきた。以前は、受診をちゅうちょする本人を無理やり病院に連れて来るケースが多かった。繁田教授は「今は一人でやって来るケースが増えた。割合は半々くらいだろう」と分析する。後者では、現役で仕事をしている人がかなりの数に上る。

 一人で受診する人の場合、「自分は認知症ではないか」という疑いがきっかけになることが多い。繁田教授は早期発見という意味で、本人自身による気付きを重視する。受診するタイミングをどうするか。認知症だとしても続けられる事は何か。介護が必要になった場合はどうするか。早期発見によって、そういった事を考える準備期間を持てる。

繁田雅弘教授

繁田雅弘教授

 ◇脳トレに意味はない

 認知症の治療薬の開発や承認は大きなニュースになる。薬ではこの病気を根本的に治すことはできないが、進行を遅らせる効果がある。繁田教授は「治療する側としては、病気の進行を少しでも遅らせたい。症状の悪化に合わせて、服用量を増やすというのはおかしな話だ。吐き気下痢などの副作用に配慮しつつ、最初から目いっぱいの量を処方すべきだ」と話す。

 認知症を予防するために脳を鍛えるトレーニング(脳トレ)が有効だとする説がある。しかし、繁田教授は「ほとんど意味がない」と否定する。アルツハイマー型認知症の治療薬は人によって効き目が異なるが、きちんとした医学的データが存在する。一方、脳トレには医学的データがない、という理由からだ。

 ◇活発な本人たちの活動

 繁田教授によれば、最近の認知症をめぐる動向で重要なのは、本人たちの会やグループによる活動だ。発祥の地はスコットランドだが、日本でも盛んになった。時には首相と面会し、政策を提言することもある。背景には、「認知症の施策が本人たちの意見を聴くことなく決められてきた。もっと私たちの意見を聴いてほしい」という切実な思いがある。

 「認知症カフェ」などの集まりも各地で運営されている。会やカフェなどで出会った人と一緒に旅行したり、ボランティア活動をしたり、メンバーの相談に乗ったりする。それが絶望感に打ちのめされず、前向きに生きることにつながる。繁田教授は「とても大事な事だ」と話す。(了)

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手作り自動車省燃費競技大会 石巻専修大が3連覇 - 河北新報オンライン

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01.51
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優勝した「三木研究室的汽車号」と自動車コースの学生ら

 「第33回手作り自動車省燃費競技大会」(自動車技術会東北支部主催)で石巻専修大の理工学部機械工学科自動車工学コースの学生が優勝した。

 大会は1周633メートルのコースを平均時速25キロ以上で規定時間内に20周し、消費したガソリンの量から算出した燃費の良さを競い合うもの。高専・大学の部には3校が出場し、規則を満たして完走したのは同大だけだった。

 大会は新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。同大は2018年、19年の大会でも優勝したが、中止期間を挟んだことで大会経験者がいなくなり、ノウハウが途切れた中でつかみ取った3連覇。燃費は1リットル当たり275.41キロを記録した。

 知的材料創成学研究室(三木寛之教授)の4年生が、卒業研究の一環で製作した「三木研究室的汽車号」で出場。パワートレイン研究室と協力し、エンジンのチューニングを重ねて臨んだ。「一緒に製作した方が学生も経験値が増えていい」と同研究室の川島純一教授は別の研究などへの効果も期待する。

 夏休み返上で製作した車両はレース後半でエンジン不調に見舞われるも走りきった。エンジンを取り付けるパーツを製作した鄧楽遠(とうがくえん)さん(34)は「1位を目指して頑張っていたのですごくうれしい」と笑顔で話した。

 三木教授は「次は他団体も勝ちに来ると思うので、エンジンなどを見直して負けないようにしたい」と抱負を述べた。大会は9月に県運転免許センターで行われた。

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3年ぶりに2日間開催のおはら祭 本まつりが天文館の街彩る|NHK 鹿児島県のニュース - nhk.or.jp

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19.50
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民謡の「おはら節」に合わせて踊りながら街を練り歩く鹿児島の秋の風物詩、「おはら祭」の本まつりが3日、鹿児島市の天文館で行われ、華やかな衣装や踊りが祭りを盛り上げていました。

「おはら祭」は戦後の復興を盛り上げようと昭和24年に始まった南九州最大の祭りと言われ、ことしで71回目となります。

新型コロナウイルスの影響で一日だけの開催が続いていましたが、ことしは3年ぶりに2日間の開催となり、昨年の3倍近いおよそ200の団体から8000人余りが参加しました。

会社の同僚や地域の町内会などで作る「踊り連」で参加した人たちは、そろいの衣装をまとって民謡の「おはら節」や「鹿児島ハンヤ節」に合わせて踊りながら練り歩き、天文館の街を彩っていました。

会場では新型コロナウイルスの感染防止対策として踊るとき以外はマスクを着用するほか、指定されたエリアでの観覧や、検温や消毒が呼びかけられました。

孫や娘とともに親子3代で踊った長文子さんは「ことしは孫が初めて参加しいつもよりも思いっきり踊りました。一緒に出られる機会はなかなかないため、うれしかったです」と話していました。

子どもを連れて観覧していた男性は「鹿児島に住んで18年がたつのですが、これまでなかなか休みが合わずことし初めて見に来ることができたのでうれしいです。いつもとは違う天文館で新鮮です」と話していました。

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