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皇位安定継承、慎重に検討 菅首相「男系維持」前提 - 時事通信ニュース
2020年11月08日07時10分
政府は、天皇陛下の即位に伴う一連の儀式を締めくくる「立皇嗣の礼」が8日に挙行された後、安定的な皇位継承の在り方に関する議論に入る。継承者を男系男子に限る現行制度を転換し、女性・女系天皇を認めるかが最大の焦点。ただ、菅義偉首相は安倍政権の方針を踏襲して男系維持を前提としており、世論の動向も見ながら慎重に取り扱う方針だ。
国会は2017年の天皇退位特例法成立の際の付帯決議で、安定継承策を速やかに検討するよう政府に求めた。首相は4日の衆院予算委員会で「決議の趣旨を尊重して対応したい」と述べ、立皇嗣の礼が終われば議論に着手する考えを示した。
だが、首相は抜本的な見直しには否定的だ。4日の答弁で「男系継承が古来例外なく維持されてきた重み」に言及し、男系維持が望ましいとの意向を強くにじませた。「国民のコンセンサスを得るには十分な分析、検討、慎重な手続きが必要だ」として結論を急がない考えも示した。
慎重姿勢を崩さないのは、女性・女系容認にかじを切れば、安倍内閣の後ろ盾となってきた保守層の猛反発を招き、政権運営に支障が出かねないためだ。安倍晋三前首相も女性・女系容認に一貫して否定的。自民党の保守系議員による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は10月、男系継承堅持を求める提言を首相に提出し、くぎを刺した。
女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」を創設するかも論点となるが、保守系議員は「女性・女系天皇を認める布石になる」と警戒しており、意見集約は難航必至だ。
議論開始の時期について、首相官邸幹部は「さすがに立皇嗣の礼が終わってすぐというのは失礼に当たる」と述べ、年明け以降になるとの見通しを示した。1年以内に衆院選が行われることも議論の行方に影響しそうだ。この幹部は「皇室の在り方が選挙の争点になることは避けたい」とし、結論先送りを示唆した。
議論を急がない背景には、皇位継承資格を持つ、秋篠宮さまの長男悠仁さまが14歳と若いこともある。政府高官は「あと20年、30年は制度を変えなくても大丈夫だ」と語った。
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November 08, 2020 at 05:10AM
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