星空と3.11被災者の思い…体験談朗読 プラネタリウムで特別投映 - 毎日新聞

03.31
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「星よりも、遠くへ」のポスター=仙台市天文台提供 拡大
「星よりも、遠くへ」のポスター=仙台市天文台提供

 東日本大震災が起きた日の星空と被災者の思いを描いたプラネタリウム番組「星よりも、遠くへ」(45分)が10日、さいたま市大宮区のさいたま市宇宙劇場で特別投映される。

 星がきれいでした--。2011年3月11日夜、停電した被災地では、満天の星が見えたという。番組では、当時の星空や写真などを投映し、宮城、岩手で被災した7人のエピソードとその後の思いを朗読で語る。その1人、阿部任さんは当時高校生。祖母と2人、津波で自宅ごと流され、倒壊した家屋の中で9日間、星を見つめて過ごした。妻を亡くした及川克政さんは、2人の息子と夜空を見上げ、「ママの星」を探した。

 震災後、新聞投稿などで当時の夜空を語る被災者が多いことに気づいた仙台市天文台の職員が12年、「星空とともに」を制作。今作品は第2章として19年に公開された。企画した市民グループ「さいたまプラネタリウムクリエイト」の伊藤弘幸代表は「喉に刺さった小骨のように(被災者の)痛みを感じ続けなければいけないと思う。年に1度でもこういった機会を作りたい」と話した。

 投映は、さいたまプラネタリウムクリエイトとさいたま市宇宙劇場の共催で、10日正午開始。同日午前10時40分から、劇場5階で整理券を配布する。入場無料。問い合わせは同劇場(048・647・0011)。【岡礼子】

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