被災者結ぶ手作りクッキー 横浜のNPO - 読売新聞オンライン

05.32
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 横浜市中区のNPO法人「あっちこっち」が今年も東日本大震災の被災地に手作りクッキーを届けた。お菓子を通した交流は13年に及び、被災者同士が気軽につながり合えるきっかけにもなっている。福島県では7~9日の日程で、コロナ禍で中断していたカフェ・コンサートを5年ぶりに再開させた。

 厳しい寒さが続く宮城県石巻市の「駅前北通り復興住宅」に2月13日、「パンダクッキー」約20個が届けられた。住民らは集会所で早速お茶菓子を囲み、一人暮らしの男性(86)は「クッキーも一緒で楽しかった」とほほえんだ。

 クッキー作りはその9日前、団体メンバーの男女8人が参加。生地から焼き上げまでが手作業で鎌倉市の女性(58)は「自分にできるレベルで支援に関われる」と喜んでいた。

 「あっちこっち」は大震災の年の8月、代表の 厚地あつち 美香子さん(56)が前身団体を設立。厚地さんが震災後、自分なりに被災者と寄り添えるすべはないかと考えたのが契機だった。クラシック音楽コンサートのマネジメント会社で勤務経験があり、知人アーティストを集めて宮城県七ヶ浜町で演奏会を開くと評判となり、被災地を巡った。そこに、コーヒーとともに添えたのが手作り菓子だった。

 最初は趣味で続けていたお菓子作りだったが、「楽しみながら支援を続けられる」と、次第にボランティアが集まるようになった。メンバーの男性は「被災地支援は大変なイメージがあるが、気軽に寄り添うことも大切だと思う」と語る。コロナ禍となり、音楽による被災地支援は断念したが、手作りスイーツは途絶えることなく被災地に届けられた。厚地さんは「ささやかながらも長期的に支援を継続できたことが何より良かった」と語る。

 郡山市で始まったカフェ・コンサートには、ステンドグラス・クッキーが振る舞われた。厚地さんは、「これからも一人でも多くの人に笑顔と癒やしを届けたい」と話している。団体は11日まで、ホームページでコンサート費用をクラウドファンディングで募っている。(石塚柚奈)

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