秋広は革命的一塁手になるかも/宮本氏&和田氏2 - プロ野球 - ニッカンスポーツ

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秋広は革命的一塁手になるかも/宮本氏&和田氏2 - プロ野球 - ニッカンスポーツ

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日刊スポーツ評論家の宮本慎也氏(50)と和田一浩氏(48)が、コロナ禍で行われた春季キャンプを振り返ります。ベテラン遊軍・小島信行記者との、忖度(そんたく)なしのクロストーク。前日に続く2回目です。

   ◇   ◇   ◇

小島記者 今年のキャンプは新外国人がほとんど来ていない分、若手選手をじっくり見られましたね。

宮本 新外国人選手の予想は、本当に嫌なんですよね。小島さんは「ちょっと見ただけで分からない」を許してくれない。

和田 そうそう。「普通の人が見ても分からないのを予想するのが評論家の仕事」とか言って、けしかける(苦笑い)。

宮本 去年はひどい目にあった。巨人のパーラを厳しく評論したら、開幕からそこそこ打って巨人ファンから酷評された。

小島 でも結局、大した活躍しないで解雇されたじゃないですか。和田さんも酷評してましたよね?

和田 酷評というか「外角を投げておけば長打はなさそう」と正直に話しただけなんですけどね。すぐに体がめくれて打つし、速い球は打てそうもなかった。最初は打ってたけど、根本的な部分が直ってなかったし、あのままならそのうち打てなくなると思ってた。

宮本 外国人っていうのは、日本人にないパワーを持っている方がいい。「助っ人」って言うくらいなんだから。パーラってそういうタイプじゃなかったでしょ。差し障りなく話した方がこちらも楽だけど、きちっと評論した方がファンも喜んでくれるかなって思いもあるんですよ。

小島 外れるときもあるでしょうが、それはそれで打つようになった理由をしっかり評論していけばいいんですよ。良く言っておけば、打てなくてもそれほど文句も言われませんが、悪く言って活躍したときは散々な言われようになるのは世の常。今後も負けないようにお願いします。それでは若手選手で目についた選手はいますか? 巨人の秋広が評判ですが?

和田 楽しみな選手ですよね。2メートルもあるのに体をバランスよく使える。打ち方も変な癖がない。ホームベースからかなり離れて立つんだけど、手足が長いから届くんでしょう。その辺の感覚は普通サイズの人には分からないから、なんとも言いようがありませんね。これで体幹が強くなれば日本の枠に収まり切らない選手になる可能性があります。

宮本 練習試合で一塁のファウルフライを追っていく姿を見たんだけど、センスの良さそうな動きをしていた。体を持て余しているような感じがない。今は一塁をやらせているけど、慣れてくれば一塁手としても規格外の選手になりそう。普通の人が届かない送球も捕れるし、かなり前で捕球できるでしょ。内野手は的が大きくて、ちょっと送球がそれても捕ってくれると思って投げられる。絶対にミスも減りますよ。本来なら外野をやった方がいいのかもしれないけど、革命的な一塁手になるかも。

小島 開幕レギュラーはいけますか?

宮本 またすぐにそういう具体的な話を振りますよね(笑い)。

小島 でもみんなそれが聞きたいんじゃないですか? 5位指名の高卒ルーキーが開幕スタメンなんて、今までないんじゃないですか。

和田 正直、まだそこまでは厳しいとは思いますが、可能性はあるでしょう。原監督は何をやっても許されるくらいの実績がある(笑い)。

宮本 今年は新外国人が遅れそうだし、起用してもいいんじゃないかなぁ。戦力的に見ても、巨人にはそれぐらいやれる余裕もありそう。開幕までの練習試合である程度の結果を出せば、使ってもいいと思う。

小島 他球団の若手はどうですか? キャンプでは宮本さんが中日の根尾について評論していましたが。

宮本 ショート1本で練習していたのは大賛成。とても真面目なタイプだから、いろいろなポジションをやらせて考えすぎるよりいい。

和田 ショートは難しいポジションだけど、タイプ的にはその方が打撃にも専念できそう。実際、試合で別のポジションでやらせるときは「失敗してもいい」とベンチが腹をくくればいいだけ。

宮本 正遊撃手の京田は打撃がいまひとつ。立浪さんが教えて素振りやティー打撃では良くなっているけど、実戦やフリー打撃になるとできない。球を見た後で「割り」を作るから、慌てて打つしかなくなる。いい打者は動きの中で球を見極める。根尾が打てるようになればチャンスはある。

小島 キャンプ中には根尾の方から宮本さんに質問にきましたよね。

宮本 打球の入り方に迷いがあったみたい。言葉で説明すると長くなるし、難しいから機会があったときに話しますよ。

小島 守備の構えを評論したら「余計なこと言うな」みたいなクレームをつけられましたよね。

宮本氏の評論「遊撃手なのに低く構える中日根尾に違和感」はこちら―>

宮本 (苦笑いして)いいんですよ。こちらは仕事だし、根尾のためでもあり、野球を勉強したいファンのためにボクの考えを伝えているだけですから。

和田 そんなことあったんですか。何を書いたんですか?

小島 ちゃんと日刊スポーツを読んでください! 二遊間を守る選手が低く構えているから違和感があった、って書いたんですよ。そしたら「上体が高いのを直すために低くなっているんだ」とか「内野は低いのが基本」とか。

宮本 気にしてないからいいですよ(笑い)。でも「なんでそんなに低く構えてるの?」と聞いたら「捕りに行くとき体が浮く癖があるから」と言っていた。でもあれだけ低く構えたら、その場で飛び付く以外、動く時に余計に浮いてしまう。それなら浮いてしまう高さで構え、そこから低くなって捕りにいくようにした方がいいよ、と伝えた。

小島 次の試合から実践してましたよね。今は選手ファーストが強すぎて、監督やコーチ、ファンなんかが甘やかして勘違いする選手が多いですよね。

和田 そこは昔とは大きく違いますよね。どう喝は当たり前で、ぶん殴られることもあった。殴られておいて「ありがとうございます!」なんて言うのは、理不尽極まりないですもんね(笑い)。暴力は絶対にいけないことなんでしょうが、理不尽で納得できないことでも我慢できるようなタフさは、勝負の世界では大きな武器になる。難しいですね。

宮本 ある意味、自分で気が付かなきゃいけないんだから、昔より厳しいとも言えるよなぁ。清宮なんか、精神面では変わっているように見えた。打ち方はそれほど変わってないから、飛躍的に結果が上がるとは思わないけど。

和田 体の左サイドをうまく使えないと厳しいですよね。いい素質があるだけに歯がゆいですね。

宮本 ベンちゃんも批判覚悟で教えてやれよ。

小島 野球界のレベルアップのため、おふたりとも早く監督になって若手を鍛えてください。

宮本 日刊スポーツの評論のせいで、やたら厳しいと思われて声がかからないんですよ(笑い)。これからは優しく甘く、やりましょう!

和田 それはいいですね(笑い)。

小島 2人のために日刊スポーツが犠牲になるのはいいです。でも死んでも忖度(そんたく)できないタイプですよね。シーズンもよろしくお願いします!

宮本氏&和田氏対談(上)はこちら―>

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