世界中にいるのに・・・20年以上謎の生き物、正体は? - 朝日新聞デジタル

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 DNAだけは知られていたが、持ち主の姿も形もわからない。20年以上もの間謎だった生き物の正体を、京都大学などのチームが明らかにした。見つけたのは、体長数十マイクロメートルの単細胞の藻類だ。大分県沿岸でくみ上げられた海水から見つかった。

 これまで、DNAの一部が海水から見つかっていたが、正体が不明だった。大西洋を中心に分布している生き物のDNAの可能性がある、とだけ報告されていた。

 正体を暴く手がかりは、大分県沿岸の海にあった。海水中にいた生き物を培養して調べていたところ、見慣れないオタマジャクシのような形をした藻類がいた。そこで遺伝情報を調べると、謎のDNAと近いことがわかった。

 さらに、見つかった藻類が、光合成をする重要なグループである「ハプト藻類」の中の知られざる分類群ということや、実はこの仲間が大西洋だけでなく、太平洋やインド洋などに広く、大量に分布していることもわかった。

 チームは謎のDNAについて報告していた海外の研究者の名前にちなんで、この藻類の仲間を「ラピ藻(そう)」と名付けた。水中を泳ぐのに使う毛のような器官「べん毛」を2本と、角のような突起物を持つ姿が特徴だ。

 なぜ、色々な場所にたくさんいるのに、これまで見つかってこなかったのか。京都大学の神川龍馬准教授(水圏微生物学・進化生物学)は「細胞がもろいので、海水をとって観察する時には潰れてしまっていたのかもしれない」と話す。

 「ハプト藻類の一部は外洋で大…

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