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被災者の言葉集めてキャンドルに 多摩大生らが展示 - 朝日新聞デジタル
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東京の大学生らが、東日本大震災の被災地で10年間に集めたメッセージをキャンドルで灯（とも）すイベントが9日、東京・六本木で始まった。集めた言葉は1万5千人分超。言葉は写真に撮ってSNSで発信し、広く共有するという。
11年目になっても生きています。忘れないで（宮城県の支援団体）
人という生きもの そう捨てたものでも ないかもしれない 可能性を 私は見つけた（宮城県石巻市 43歳）
東京都港区の東京ミッドタウンの芝生広場には、ガラスのカップに和紙を巻き付けたキャンドルが、五つの輪が重なるように並べられた。和紙は、多摩大学（多摩市）村山貞幸ゼミの学生が手すきしたもので、そこに書かれた被災者や支援者の言葉が、夕闇に淡く浮かんだ。「和紙キャンドルガーデン TOHOKU2021」と題し、11日までの3日間、約3600個のキャンドルを毎日入れ替え、のべ約1万個を展示する。
大学3年の和田麻白さん（21）は2019年夏、岩手県一関市の老人ホームを訪ねた。避難には手助けが必要な入居者も多い。震災当日は動きたくても動けなくて、「ただ祈るしかできなかった」人もいたと知った。「すごい怖かっただろうな、と。そういう思いをしたことも伝えられればと思う」。9日は、来場者にメッセージの背景や思いを解説する役割を担った。
イベントリーダーの3年生、平井翼さん（21）は、仲良くなった岩手県釜石市のすし店のおかみさんから「最初は被災地に来る人を毛嫌いしていた」と聞いた。東京の学生が何ができるのか。「頑張れ、と言っても被災者はすでに頑張っている」と悩んだが、おかみさんから「心に余裕ができて、今は感謝している」とも声をかけられ、「被災地を理解し、寄り添うことはできるかもしれない」との思いを強くした。
未来へ。伝えて下さい。つなげて下さい。私達だけでは伝えきれません。生きている人にしかできないのです（宮城県七ケ浜町）
学生らはこうした言葉に勇気づけられてきた。先輩から受け継いできたメッセージ和紙は3万枚ほどあり、被災地支援に取り組む東洋大や桜美林大など10大学の学生ともつながりができた。
昨年からコロナ禍で被災地に行けず、電話やメールでもメッセージを集めたが、10年目の今年、すべてを写真に撮ってゼミのインスタグラム（@npj.event）で公開することにした。
平井さんは「和紙は1枚1枚違い、被災者の思いも多様だ。『心の復興』を応援したい」と話している。（前川浩之）
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