<南風>冬が来る頃には - 琉球新報

09.51
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 外出自粛のため、少し先の話題を。僕が沖縄の紙面に初めて登場したのは「沖縄県初のスノーボード指導員」であった。鹿児島から横浜に就職した約25年前は、スノーボードがブームで週末になると多くの人が雪山に繰り出していた。

 学生の頃はお金も時間もなく、体育大学だったので各地に試合や練習に行っても観光などせず、試合で高成績を残すことだけが遠征であった。しかし、雪山に滑りに行く活動は競争や試合をするのではなく、一緒に滑って、おいしいものを食べ、温泉につかって帰ってくる非常に楽しい活動で、楽しむことこそがレジャーやスポーツの本質なのだと改めて気づかされた。

 ただ体育会系の性分で、次第に突き詰めてやりたくなり、何年も週末のたびに雪山に通うようになる。今後はあまり滑れなくなるだろうからと、沖縄に移住した冬に日本スキー連盟の指導員資格を受験することにした。検定試験は全国から受験者が集まり、ほぼ年に1度しか受験のチャンスはなく、滑走技能やタイム、学科などの検定がある。「今回は初めて沖縄県からの受験者がいます」と紹介され、注目の的となった。合格発表の時には「スノースポーツという文化を南国の人たちに広めてほしい」と声を掛けていただいた。

 ぜひとも氷点下の気温、乾燥した空気、固くも柔らかくもなる雪の特性、圧雪されたバーンをカービングで切り裂く感覚や新雪の上をふわふわとクルージングする感じなど他の活動では味わえない感覚を味わってほしい。毎年、スキー・スノーボードという授業で学生たちを雪山に連れて行っているが、雪国での生活や文化に触れる新しい体験が若者たちの心の琴線を刺激し、視野や感性を広げるきっかけになればうれしく思う。冬には気兼ねなくレジャーに行ける社会となっていることを切に願う。
(平野貴也、名桜大学教授博士(スポーツ健康科学)


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