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被災者の声に備えのヒント 30日にオンライン講演会 - 朝日新聞デジタル
taritkar.blogspot.com被災地支援を続ける高松市のNPO法人「東北ボランティア有志の会香川」が30日、東日本大震災や西日本豪雨の被災者の声を伝えるオンライン講演会を開く。コロナ禍で被災地ボランティアの活動も制約を受けるなか、災害への備えや四国での連携など、今できることについても語り合う。
理事長の藤井節子さん(64)が2011年の東日本大震災でボランティアに取り組んだのをきっかけに会を発足した。16年の熊本地震、18年の西日本豪雨でも被災地に駆けつけている。
30日は「防災とボランティアのフェスティバル」と題したイベントで、当初は4月に高松市内で開催を予定していたが、感染拡大を受けてオンライン講演のみに切り替えた。活動を通じてつながった被災者6人がリモートで順に登壇する。
津波で夫と義理の両親を亡くし、自営の酒屋を再建した宮城県気仙沼市の菅原文子さんや、石巻市の大川小学校で娘を失い、語り部活動をしている鈴木典行さんらがこの10年の歩みについて話す。西日本豪雨で被災したミカン農家で、ボランティアの受け入れにも奔走した愛媛県宇和島市の中島利昌さんも体験を語る。
このほか、基調講演として岡原文彰・宇和島市長が地域防災をテーマに録画で出演。被災地ボランティアの活動紹介や、南海トラフ地震に向け、四国のボランティア団体や行政のネットワーク構築を呼びかける提案もある。
30日午前10時~午後5時にユーチューブ(https://youtu.be/rmlXbvU_8lo)で生配信する。無料。問い合わせは、東北ボランティア有志の会香川(090・5718・2220)。
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藤井さんが被災地ボランティアを始めたのは、1本の電話がきっかけだった。携帯電話会社のコールセンターの仕事で、被災地の男性から受けた電話だ。
「娘の電話がつながらない。電波で居場所を探して」と懇願され、難しいことを伝えると、「家も会社も流された。このつらさがわかるんか」と返された。
被災地を自分の目で見なければと感じ、8月にボランティアバスツアーに参加。香川に戻って職場の仲間らを誘い、10月に会を立ち上げた。
コロナ禍で活動を控えるまで、東北3県の仮設住宅などを年数回訪問し、自室に閉じこもりがちな高齢者らにうどん打ちを体験してもらう「うどん教室」を続けてきた。被災者へのメッセージを募って届けたり、被災地の物産販売をして応援したり。「3・11」には線香花火をともして震災を忘れない気持ちを共有するイベントも続ける。
「まさか自分が被害に遭うなんて」「今までの生活が当たり前じゃなくなる日が来る」。各地の被災者が語った言葉に突き動かされるように、災害への備えを地元でも呼びかける。
四国で甚大な被害が想定される南海トラフ地震は、今後30年以内に70~80%の確率で起こるとされる。だが、香川には「その頃には自分は生きていない」と他人ごとのように言う人が少なくないと感じている。
「自分を助けようとする若い人たちを救うためにも、いざという時は逃げてほしい。命の重さを語る被災者の声を聴き、大切な人と災害の備えについて語るきっかけにしてほしい」(多知川節子)
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