江戸売り声漫談家・宮田章司さん死去 朝顔売りなどレパートリー200超 - デイリースポーツ

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 江戸売り声漫談家・宮田章司(本名・山崎安富)さんが21日午後9時45分、老衰のため東京都世田谷区内の自宅で死去した。88歳。24日に落語芸術協会が伝えた。

 葬儀は近親者でこの日行われ、喪主は妻でマジシャンの松旭斎小天華(本名・山崎和江)が務めた。

 宮田さんは、1933(昭和8)年3月19日、東京都足立区出身。54年に漫才師・宮田洋容(故人)の門下生となり、翌55年に同門の宮田陽司とコンビを組み「陽司・章司」のコンビ名で漫才界にデビュー。文化放送のレギュラーを持つかたわらフジテレビ、テレビ朝日、日本テレビなどの演芸番組に数多く出演した。

 64年に三沢あけみの専属司会者となり、69年には日本テレビ「11PM」のレギュラーに抜てきされた。76年にコンビ解消後は漫談家と司会者の2足のわらじを履き、マヒナスターズの専属司会者となった。

 その後、芸術祭賞を受賞した大道芸の坂野比呂志(故人)と出会って江戸売り声の魅力に取りつかれ、坂野比呂志亡き後は日本で唯一の本格的な「江戸売り声百景」和風漫談家に。朝顔売り、アサリ売り、納豆売り、金魚売り、葉とうがらし売りをはじめ、レパートリーは200を超えた。多彩な売り声で季節とともに江戸情緒を映し出し、客のリクエストに応じて実演する掛け合いは寄席の色物として珠玉の存在だった。

 売り声を切り口に、江戸文化を記した書籍・図鑑執筆、各種媒体への出演をはじめ、2017年1月公開の映画「沈黙-サイレンス-」(監督 マーティン・スコセッシ)にも売り声で出演するなど、江戸売り声の第一人者として幅広く活動。19年7月7日、新宿末広亭の高座が最後の出演となった。

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