私が思う日本:外国人受け入れに利用される二つの「裏口」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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記者会見で「自分の権利を認めてほしい」と訴えるフィリピン人技能実習生の女性=熊本市中央区で2021年7月3日午前11時1分、栗栖由喜撮影
記者会見で「自分の権利を認めてほしい」と訴えるフィリピン人技能実習生の女性=熊本市中央区で2021年7月3日午前11時1分、栗栖由喜撮影

 東京に駐在する外国メディア特派員らの目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者らがつづるコラム「私が思う日本」。第39回は聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員が外国人労働者の問題について執筆した。日本政府は労働力不足を解消するため、二つの「裏口」を使っていると指摘する。

 カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を見て、1980年代の日本留学時代に出会った外国人労働者のことを思い出した。彼は、東京・新宿のホテルの地下駐車場にある小さな「半地下」の部屋に、妻子と共に暮らしていた。昼間はホテルで清掃の仕事をし、夜は駐車場の管理人として働いていた。日本では当時、外国人労働者についての法律が整備されていなかった。多くの外国人は「蛇頭(スネークヘッド)」のようなブローカー組織のあっせんで日本に密入国していた。

 私はある日、半地下の家族に、不法滞在で日本の当局に逮捕される前に母国…

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