Judul : <水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞
link : <水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞
<水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞
芸術にはなるべく早いうちに触れておいたほうがよい、とはよく言われます。好奇心が旺盛で、感受性がみずみずしい若い時であればこその、驚きと発見に満ちた芸術との出会いがあります。また、その時にはよくわからなくても、後年になって若いころの経験がよみがえり、芸術体験をより深いものにしてくれることもあります。
そのような観点から、当館では毎年「中学生のための音楽鑑賞会」を開いています(水戸市教育委員会との共催)。市内の中学一年生全員(約二千人)にコンサートホールの客席に入ってもらい、そこで通常のクラシックのコンサートを聴くのとまったく同じ体験をしてもらおう、というものです。
何事も初めが肝心。生のクラシックのコンサートは初めて、という中学生がほとんどです。どういう内容にするか、作曲家、曲目、演奏者の選定には特に気を配ります。
その点、当館には水戸室内管弦楽団という専属のオーケストラがあります。そのメンバーは、世界的指揮者の小澤征爾館長にも認められた一流プレイヤーぞろいです。彼らにソロや室内楽の演奏を披露してもらえば、中学生たちは水戸にいながらにして世界レベルの音楽に接することができるわけです。
こういう時、専属のオーケストラを持っていることのありがたさを感じずにはいられません。プレイヤーたちは水戸室内管弦楽団の演奏会がある度、海外を含めたさまざまな場所から水戸に集まってくるのですが、一つの演奏会を成立させるために約一週間は水戸に滞在するため、地域のことを肌で知っており、ここに暮らす子どもたちのために全面的な協力を惜しまないからです。「中学生のための音楽鑑賞会」に限らず、吹奏楽のセミナー、地元音楽家のオーディション審査など、地域の若い人たちとのあたたかな交流は多岐にわたっています。
「中学生のための音楽鑑賞会」は当館がオープンして二年後の一九九二年に始まり、今年でちょうど三十年を迎えました。始まったころに体験した中学生は、現在はその年頃の子どもを持つ親の年代へと歳を重ねていることになります。一つのコンサートが長く続き、世代から世代へとその体験が受け継がれていくことに、感慨を覚えずにはいられません。
子どもたちのポジティブな反応によって生まれた副産物もあります。今や当館の人気企画となった「ちょっとお昼にクラシック」です。中学生に大好評のコンサートを大人も聴いてみたいという声を受け、実験的に始められたものでした。
今月二十六日の「ちょっとお昼にクラシック」は、月内に開かれる「中学生のための音楽鑑賞会」と同じ内容を一般の方々にもお楽しみいただくコンサートです。水戸室内管弦楽団のヴァイオリン奏者である佐份利恭子さんと島田真千子さんが中心となり、室内楽の楽しいひとときをお届けします。中学生時代に戻った気分で体験してみてはいかがでしょうか。
チケット(先着順)の予約や問い合わせは水戸芸術館チケット予約センター=電029(231)8000=へ。(水戸芸術館音楽部門主任学芸員・関根哲也)=毎月第三日曜日掲載
関連キーワード
おすすめ情報
からの記事と詳細 ( <水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞 )
https://ift.tt/33FGW4t
Demikianlah Artikel <水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞
Anda sekarang membaca artikel <水戸芸術館発 クラシックへの旅>(3)一流の演奏を中学生に - 東京新聞 dengan alamat link https://ifknews.blogspot.com/2022/01/3.html
Tidak ada komentar:
Posting Komentar