緊急事態「不要不急の議論」 枝野幸男・立憲民主党代表―憲法改正を問う - 時事通信

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緊急事態「不要不急の議論」 枝野幸男・立憲民主党代表―憲法改正を問う - 時事通信

2020年05月07日10時01分

インタビューに答える立憲民主党の枝野幸男代表=4月23日、東京・永田町の衆院第1議員会館

インタビューに答える立憲民主党の枝野幸男代表=4月23日、東京・永田町の衆院第1議員会館

 ―新型コロナウイルスの緊急事態宣言。私権制限の懸念もあるが評価は。

 平時でも法律で私権は制限されており、憲法的に特別なことが起こったわけではない。改正新型インフルエンザ対策特別措置法は私権制限として大変緩やかだ。むしろ、営業停止などをかけず、政府が制度を使いこなしていないことが大変心配だ。補償を恐れているのではないか。本末転倒だ。
 ―ロックダウン(都市封鎖)や外出禁止は必要か。
 自粛要請は事実上の外出禁止で、多くの方が従っている。満員電車で通勤せざるを得ない人が多く、結果的に医療や流通の人たちの感染リスクを高めている。やめられる営業をやめる必要がある。ロックダウンは、法律がなくても長距離鉄道や首都高速道路などに一般的な行政指導を行うことで可能だが、まずは現行制度でできることをやり尽くし、足りない段階で初めて議論になる。
 ―現憲法で可能か。
 もちろんだ。本当に必要なら、ロックダウンを行う法律作成は現行憲法が当然認めている。ただし、要件や手続きを厳格に決めないといけない。
 ―緊急事態規定は憲法審査会の論点になるか。
 意味のない不要不急の議論で、憲法の論点ではない。政府ができることをしていない話が隠れるため、有害だ。憲法とコロナの緊急事態を絡める議論自体が間違いだ。
 ―国会の機能維持についての憲法議論は。
 憲法ではなく、議会運営の問題だ。現憲法でできることは山ほどあり、工夫もせずに憲法の議論をすることがおかしい。
 ―憲法審にどう臨むか。
 不要不急の審議は避けると与野党で一致しており、憲法審は特別ではない。不急で、無理に開くのは感染拡大防止の観点であり得ない。与党は憲法を変えると騒ぐのが目的で、変える手続きを真剣に考えていない。われわれが国民投票法の有料広告規制が必要と言い続けているのに、与党が応じないために憲法審が止まっている。手続きが決まっていないのに中身の議論をしてもしょうがない。
 ―党内で改憲の考え方をまとめる予定は。
 ない。今は有料広告規制について幅広く一致できる中身をつくることだ。
 ―安倍晋三首相は2020年の改正憲法施行を掲げているが。
 現実的では全然ない。

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