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最低賃金のあるべき姿は? 有識者に聞く 引き上げ議論が大詰め - 朝日新聞デジタル
今年の最低賃金引き上げをめぐる厚生労働省での議論が大詰めを迎えている。物価高の中で注目が集まる引き上げ額の目安は、25~26日にも決まる見通しだ。最低賃金の役割や引き上げの影響について、東京大学の神吉(かんき)知郁子准教授と川口大司教授に聞いた。(橋本拓樹)
東京大・神吉知郁子准教授(労働法) 最低賃金の役割、政府は説明を
――日本は国際的にみて最低賃金が低いとされています。海外ではどう水準を決めているのでしょうか。
「欧州など先進国では、生活に最低限必要な水準を満たさない『絶対的貧困』より、地域社会で大多数の人が満たす生活水準を下回る『相対的貧困』の概念が重要です。EU(欧州連合)は国ごとに所得の中央値の60%を相対的貧困の基準にしています」
「たとえば英国の最低賃金は、その基準を参考にしていると考えられます。2020年までは『賃金全体の中央値の60%』を目標に増額し、達成しました。今は24年までに中央値の3分の2まで引き上げることを目標にしています」
「フランスは物価や平均賃金が上がると自動的に最低賃金も上がる仕組みです。最低賃金を賃金全体との関係で相対化する点では英国と似ています」
――日本の最低賃金のあり方…
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