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Judul : 大野市小中学校再編 - 福井新聞
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大野市小中学校再編 - 福井新聞

見直し議論に関心持とう

2020年8月31日 午前7時30分

　【論説】大野市の小中学校再編計画の見直しに向けた議論が本格化してきた。２０１７年策定の現計画は、住民の意向が反映されていないとして今年６月、改定に向けた検討委員会が立ち上がった。これまで３回の会議が持たれ、年度内に素案をまとめる予定。議論の成り行きに注目したい。

　現計画は２６年度に小学１０校を２校に、２３年度に中学５校を１校に再編、新校舎を建設する予定だった。しかし、民意が反映されていないとして住民から議論が起き、１８年６月に行われた市長選の争点の一つになった。「計画の見直し」を掲げ当選した石山志保市長は８月に計画見直しを市総合教育会議で市教委に要請。市教委は今年６月、検討委第１回会合を開いた。

　検討委は校長会や区長連合会、ＰＴＡや保育園保護者会、学識経験者ら１５人。年齢や立場が異なる委員が現計画を含めて議論を続けている。委員は現計画の学校削減数について「一気に進めすぎる」などと、おおむね計画見直しに理解を示している。

　議論は検討委が基本方針に掲げた「大野らしさが生きる教育」をはじめ、通学方法や中学の部活動や専門教科教員の配置など、多岐にわたる。各委員は各団体代表者としての意見のほか、自身の経験や知識を基に考えをぶつけ合っている。子どもたちの教育環境を今後どうすべきか、各委員の真剣さがうかがえる。

　２７日夜に行われた第３回会合は、中学校の再編が議題となった。現計画とこれまでの議論を踏まえ市教委がまとめた再編案に意見を交わした。既存校舎を利用した場合や新築した場合の経費、学級数に伴う教員の配置数、校区の線引きなど幅広い観点での質問や意見が出され、議論は熱を帯びた。

　学校の再編は、少子化に伴う教育環境の充実にある。市教委の推計では、市内中学生は、２０年は８１３人だが、３０年には６２１人に減少し、４０年には５００人を割り込む。学校数の見直しは長期的にみて避けられないだろう。

　検討委の松木健一委員長（福井大理事・副学長）は今後「何を取って何を捨てるかの話になる。大野の子どもにとって何が重要なのかを最終的に選ぶことになる」と話すように、将来の教育環境に対し、市民は決断が迫られる。検討委は公開され、傍聴することができる。議事録は市ホームページで見ることができる。子どものために何が大切なのか、判断する材料として検討委の議論にもっと関心を持ってほしい。

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