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渋野V争いは成長の証 悔やまれる初心忘れた17番 - ニッカンスポーツ

09.17
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最終ラウンド、17番でバーディーパットを外し厳しい表情の渋野日向子(AP)
最終ラウンド、17番でバーディーパットを外し厳しい表情の渋野日向子(AP)
  • 最終ラウンド後に取材に応じる渋野日向子(ロイター)

<記者の目>

<米女子ゴルフツアー:全米女子オープン>◇最終日◇14日(日本時間15日)◇米テキサス州チャンピオンズGC(サイプレスクリークC=6399ヤード、パー71)◇賞金総額550万ドル(約5億7800万円)◇無観客開催

ともに日本人初のメジャー2勝目と、女子ゴルフ界随一の「全米女王」の称号は、2打及ばずこぼれ落ちた。首位で出た渋野日向子(22=サントリー)は、2バーディー、5ボギーの74と3つ落とし、通算1アンダー、283と失速。金阿林(キム・アリム、韓国=25)に、大会史上最大に並ぶ最終ラウンドでの5打差逆転を許し、目に涙をためて悔しがった。

   ◇   ◇   ◇

渋野は「悔いはない」と話したが「悔しい気持ちが8割」と、大会を振り返った。「悔しい」の思いが強いのは「悔いが残る」要素があったことの裏返しでもある。その象徴が最終ラウンド17番パー4の第3打。優勝したAIG全英女子オープンのウイニングパットは、外せばさらに2打を要することも覚悟して強気に打った。その姿を鮮明に覚えているからこそ「情けない」と自己嫌悪に陥った。

日本人42年ぶりのメジャータイトルは、勢いのまま奪った。全英女子オープンのウイニングパットのような、ギャンブル性の強いパットを避け、今大会はタッチを合わせて予選はスコアを伸ばした。強気とタッチを合わせるのは、相反するもの。状況により使い分ける必要があるが、土壇場で誤った選択をし、技術的なミスも重ねた「ショート」に、悔しさがこみ上げた。

それでも今年1年をかけて精度を上げたアプローチで、第3ラウンドは首位に踏みとどまった。確実に昨年からの成長が導いた優勝争いだった。「悔いはない」は、あと1日、粘りきる武器が欠けていたと自己分析した上での、やり場のない“悔い”を押し殺して言った言葉かもしれない。

現時点で来季の米ツアーメンバーの資格はない。資格を得るための予選会も今年は中止で再開は未定。当面は国内ツアーに出場しながら、スポット参戦の米ツアー優勝で出場権を目指すことになる。【高田文太】

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