桃田賢斗 逆転で全日本3連覇 - auone.jp

12.17
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桃田賢斗

◆バドミントン 全日本総合選手権 最終日(27日、東京・町田市立総合体育館)

 男子シングルス決勝で、世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)は、同11位の常山幹太(トナミ運輸)を18―21、21―12、21―17で下し、大会3連覇を達成した。

 第1ゲームは優位に進め、18―15とリード。その後、自身のネットミスなども響き、まさかの6連続失点で一気に先取された。第2ゲームは粘り強いラリーから中盤以降で突き放して最終ゲームに持ち込んだ。最終ゲームも、中盤までもつれる展開に死力を尽くして勝ちきった。

 生命すら脅かされた交通事故から1年足らず。世界1位は確かな力を取り戻した。成長の余地もある。日本代表の朴柱奉ヘッドコーチは「試合の駆け引きは大丈夫。ただ、世界のトップ選手と戦う時は、スピードはもっと上げないといけない」と指摘した。森本哲史トレーナーも「もちろん、今までのベースは絶対落ちないし、完成されたものは崩したくない。あとは、ぜいたくかもしれないけど、地面をはうような安定感があればいい。重心をさらに低くして、アクセルをもう一段階踏めるように」とフィジカル強化を思い描く。

 来年1月には、国際大会復帰初戦となるタイOP(バンコク)が控えている。その先の未来に、出場を確実としている東京五輪が待っているかは分からない。桃田自身も「母国で開催するというのは奇跡なので、開催してもらいたいという気持ちは当然ある。ただ、命の危険性だったり、人々の気持ちを不安にさせてしまうのは良くない。すごく難しいですけど、だれも不安なく、ストレスなくできるなら開催してほしい。そうでないなら…。自分のことだけではないので、何とも言い切れないけど…」というスタンス。今できる最善を尽くす日々を、積み重ねていくしかない。

 桃田賢斗「最後は引き出しも何もなかったけど、気持ちで踏ん張れた。後悔しないように出し切ろうと思ってコートに入ったことで、苦しい場面で雑念を考えずに1点に集中できた。正直、事故があって苦しい時もあったけど、この1年、皆さんも苦しい1年で思い通りにいかない生活を強いられたと思う。大会を開催してもらって、こういう試合を楽しみにしてくれたファンもいる。スポーツの力で明るいニュースを届けられたらいい」

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