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安全保障環境の激変、沖縄「より重要に」…基地負担軽減・振興策をシンポジウムで議論 - 読売新聞オンライン

　読売新聞社は１０日、那覇市内のホテルでシンポジウム「半世紀の沖縄と日本の未来」を開催した。東アジアの安全保障環境が厳しさを増す中で、沖縄の重要性を指摘する声が相次いだほか、今後の沖縄の振興策についても議論が交わされた。

　米戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）上級副所長のマイケル・グリーン氏は基調講演で、中国や北朝鮮の軍事的台頭を踏まえ、「沖縄は『自由で開かれたインド太平洋』を守る自衛隊と米軍の拠点として、これまでになく重要な役割を担っている」と指摘。「日米両政府が沖縄と共に、沖縄の基地負担軽減に何ができるか検討すべきだ」と語った。

　パネル討論では、杉山晋輔・前駐米大使が、米軍普天間飛行場（宜野湾市）の名護市辺野古移設に触れ、「早期に普天間の危険を取り除き、基地の集中（の問題）も手当てし、日米安保体制の強化に取り組むことが大事だ」と強調した。

　琉球大の山本章子准教授は、県民の多くが基地の必要性は理解しているとした上で、「静かに眠れないなど、生活の問題としての不満や疑問を解消すべきだ」と訴えた。笹川平和財団の小原凡司上席研究員は、ロシアによるウクライナ侵攻で「（中国による）台湾侵攻のハードルは上がった」と指摘し、その理由として国際社会が対露制裁で結束したことなどを挙げた。

　パネル討論の後半では、内閣府の沖縄振興審議会前会長の伊藤元重氏が、シンガポールの発展を例に「巨大な人口や巨大な製造業がなくても、アジアのハブ（結節点）の中でどういうことをやるかが非常に重要だ」と述べた。

　沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は、沖縄科学技術大学院大学の研究や、全国一の出生率を挙げ、「留意すべきは沖縄の優位性や独自性を最大限生かすことだ」と指摘。稲嶺恵一・元沖縄県知事は「（閣僚と知事が振興策などを協議する）沖縄政策協議会を開けるような国と県の関係になってほしい」と語った。（シンポジウムの詳報は５月１５日付朝刊に掲載予定です）

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