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米国と議論し、遠方からの攻撃に対する「打撃力」を 元外相・国民民主 前原誠司氏 - 東京新聞
<安保戦略見直し~私はこう考える>
自民党は「反撃能力」を持つと言っているが、私は「打撃力」と言っている。言い方は違うが、英語に訳せば同じだろう。矛と盾の関係で言えば、今までは米国に任せていた矛の能力の一部を持つと考えてもらえばいい。
「専守防衛」は堅持するが、大規模な上陸侵攻が行われる時代ではなくなり、遠方から攻撃できるように兵器体系が変わっている。それに対応するために打撃力を持つということだ。
今の米国は昔と違い、同盟国も含めた全ての力で中国を抑止するという「統合抑止力」の考え方に立っている。まずは日本が果たす役割を米国とも議論して、持てる能力を着実に整備することが必要だ。
打撃力も全体のパーツの一つで、宇宙やサイバーなど新たな領域に対応する能力、情報の収集や分析、国内の防衛産業の強化などトータルの防衛能力をどう高めていくかが大事になる。
そのためにも防衛費は増額すべきだ。必要な予算を積み上げると同時に、北大西洋条約機構(NATO)が基準とする国内総生産(GDP)比2%も視野に入れながら考えるという両面が必要だろう。当面は赤字国債で対応することになると思うが、将来的には財源論は避けて通れない。
日本は独力で自分の国を守ることができない。現在は米国に頼っている打撃力や情報収集などで、徐々に日本の力を広げていくことは大事だ。米国が日本に何を求めているのかという議論をする中で能力を高めていくことが、現実的だ。
核共有のように米国が望んでいないことを無理やり議論しても、何の意味もない。日本の能力を高めて米国と協力していく中で、日本の独自性の余地も広がっていくと考えている。
(聞き手・井上峻輔)
まえはら・せいじ 衆院京都2区。現在、衆院議員10期目。国民民主党代表代行、選挙対策委員長、安全保障調査会長。旧民主党政権で国土交通相、外相などを歴任した。京都市出身。京都大卒。60歳。
◇ ◇
政府が「国家安全保障戦略」などの年末改定に向けて検討を進める中、さまざまな考えを持つ国会議員や有識者らに聞いています。
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