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人気から一転…「ファーストキャビン」が破産に追い込まれた理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
ホテル業界に衝撃走る…!
コロナショックで大きな影響を受けているホテル業界。特に緊急事態宣言以降、連日のように休業・廃業・倒産といったニュースを耳にする。
【写真】「進化型カプセルホテル」ファーストキャビンの凄い部屋たち…
様々なニュースの中でとりわけ衝撃的だったのが「ファーストキャビン」の破産だ。報道によると、(株)ファーストキャビンと関連会社4社が4月24日に東京地裁へ破産の申請、負債総額は11億3082万円(2019年3月期決算時点)という。
ファーストキャビンを知らないという方のためにどのような宿泊施設か解説しておこう。
まず、法律的には旅館業法の簡易宿所区分にあたる施設。簡易宿所とはカプセルホテルやホステル(ゲストハウス)が当てはまり、ファーストキャビンは専用のユニットを利用したカプセルホテルと言える形態だ。
ただし、一般のカプセルホテルが上下二段で奥行きがあり、寝る体勢で滞在することが前提であるのに対し、ファーストキャビンは上下の空間を確保した“立てる”カプセルホテルというイメージだ。
「ファーストクラス」「ビジネスクラス」といった名称の2クラスのキャビンがあり、名前の通り“飛行機”をコンセプトとする。
上下空間を確保していることを先述したが、ビジネスクラスは専有面積が2.2平方m、100センチm幅のベッドを導入しテレビは26インチを完備。アッパーなファーストクラスは4.4平方mを確保、120cm幅のベッドで32インチのテレビを完備している。
このように、一般的なカプセルホテルと比べるとかなり豪華な仕様だ。ファーストキャビンが一般的なカプセルホテルと比較して上下空間を確保したというのは斬新であった。
「進化型カプセルホテル」とは
なぜファーストキャビンは倒産するに至ったのか。その考察は後に譲るとして、そもそもカプセルホテルが、観光業・宿泊業が活況を呈してきた近年、どのような進化を遂げてきたのか見ていきたい。
カプセルホテルは緊急避難的な宿泊施設という時代が長く続いた。終電に乗り遅れたサラリーマンをはじめ、遠方にマイホームを購入したものの週末しか家に戻れずカプセルホテルが平日の住処といった人もいた。
いずれも積極的な利用でステイを楽しむといったディスティネーション的宿泊施設というよりも、消極的な目的で利用されてきた側面がある。ゆえに清潔感や安全面といったホテルライクな安心感とは一線を画する宿泊施設、というのが一般的なイメージであった。
そんなカプセルホテル業界が、近年一躍脚光を浴びるようになったのには、2つのブランドの躍進があった。前述の「ファーストキャビン」、そして「豪華カプセルホテル安心お宿」だ。
豪華カプセルホテル安心お宿は、ファーストキャビンと異なり伝統的な上下二段のスタイルであるが、従来のカプセルホテルの開口が正方形なのに対して、横幅を長く取った長方形開口のユニットを採用した。バリをテーマにブティックホテルのようなデザイン性の高さで若者の支持を多く受けた。
“豪華”というブランド名にある通り、カプセル内の寝具に高級ホテル御用達のシモンズ採用をはじめ、数多くの無料サービスを提供するなどバリューを重視。これまでのカプセルホテルにはない発想が多く見られる。
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