僕らがアーセナルを愛する理由。負け試合でファンを自覚する?? 日本で絶大な人気の秘密とは【アーセナルファン座談会(1)】(フットボールチャンネル) - Yahoo!ニュース

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僕らがアーセナルを愛する理由。負け試合でファンを自覚する?? 日本で絶大な人気の秘密とは【アーセナルファン座談会(1)】(フットボールチャンネル) - Yahoo!ニュース

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●「きっかけはセリエAとオランダ代表」 ――ではさっそく、皆様のサッカー、そしてアーセナルを好きになったきっかけからお伺いさせていただきます。皆さん、よろしくお願いいたします。今日集まったアーセナルファンの中では、もっとも観戦歴が長い樋口さんからお話を伺えると嬉しいですが。 樋口「サッカーを『観ること』に関しては、きっかけはセリエAとオランダ代表でしたね。僕の学生時代はセリエA最盛期で、中でもACミランのオランダトリオ(マルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールト、ルート・フリット)の人気は凄まじかったんです。  94年に三浦知良がジェノアに移籍したこともあり、フジテレビで『セリエAダイジェスト』という特集番組が始まるなど、日本でもセリエA熱がかなり高まっていました。僕が大学生の頃でしたね。  セリエAきっかけでオランダ代表に興味を持ち、4-3-3のシステムで攻撃的なサッカーを披露する姿に魅了されていたのですが、中でも僕が一番好きだったのがデニス・ベルカンプでした。  そして02/03シーズンに彼の引退報道を受け、『この選手は生で観なければ後悔する』と思い、渡英したんです。  03年の元日に当時のハイベリー・スタジアムで開催されたアーセナルvsチェルシー(3-2でアーセナルが勝利)を観戦したのですが、そこでハイベリーの雰囲気、そしてティエリ・アンリの怪物ぶりに度肝を抜かれました(笑)  元々アーセナルがなんとなく好きではあったのですが、その試合で一気にのめり込みましたよ。ファン歴でいうと大体17年くらいですかね」 ――なるほど。たしかに樋口さんの年代だと、そもそも海外サッカーに触れる機会自体が少ないので、現地で試合を観ればより感動しますよね。ちなみにアンリのどういうところに度肝を抜かれたのですか? 樋口「その試合で、アンリが左サイドからドリブルで持ち込み、得意の斜め45度からゴールをブチ込んだんですよ。当時チェルシーにもマルセル・デサイーやウィリアム・ギャラスといった素晴らしいDFがいたのですが、その“異次元のスピード”になす術がなかったのをよく覚えています。  加えて、当時のハイベリーは、アンリが左サイドでドリブルを始めると、サポーターが一気に立ち上がって、スタジアム中の椅子が『パタパタパタッ』といっせいに音を鳴らすのですが、それがまた良い雰囲気を醸し出していましたね」 ●「あの左足は理不尽だった」 ――では次に石谷さんがアーセナルを好きになったきっかけをおうかがいしてもよろしいでしょうか? 石谷「サッカーを観るようになったきっかけは、サッカーゲームでしたね。ウイニングイレブンにハマって、そこから試合を観るようになりました。05/06シーズンのチャンピオンズリーグ(以下CL)決勝でバルセロナが2-1でアーセナルを下し優勝し、負けた側にも関わらずなんとなくアーセナルのことが気になりはじめました。  その後07/08シーズンあたりから台頭しはじめたFWロビン・ファン・ペルシに魅了されて、本格的にアーセナルサポーターになりましたね。ファン歴でいうと、大体13年くらいです」 ――特にファン・ペルシが好きになった部分をうかがえますか? 石谷「やっぱりあの“変態ボレー”ですよ(笑)。  彼はアンリが07/08シーズンにバルセロナへ移籍した後釜として期待されましたが、怪我も多くなかなかフルシーズンで活躍できず、だからこそ時折見せるド派手なスーパーゴールには本当にワクワクさせられました。  特に左足での豪快なボレーシュートが代名詞だったじゃないですか。30ゴールを決めて得点王に輝いた11/12シーズンの活躍が印象深いですが、中でも第15節のエバートン戦のダイレクトボレーは“神業”でしたよね。あれは『理不尽』としか言いようがないですよ(笑)。  それを絶妙な浮き球パスでアシストしたアレクサンドル・ソングも、そのシーズンは大活躍でしたし、あわせて強く記憶に残っていますね」 ――加えて当時のアーセナルのサッカーはかなりアタッキングなサッカーで魅力的でしたもんね。 石谷「バルセロナのようなパスサッカーとまた違い、“瞬間的な美しさ”がありましたよね。あれは世界でもアーセナルにしかできないパスサッカーだと思います。『組織としてのパスサッカー』というより、『個人のアイデアがかけ算されたパスサッカー』という感じでしたね」 ●「世界に衝撃を与えた一戦だった」 ――では次に仲田さんお願いできますか? 仲田「サッカーは02年日韓W杯をきっかけにサッカーをプレーするようになり、その後試合も観るようになりました。当初は、特にどこのチームを応援するということはなかったのですが、10/11シーズンCL決勝トーナメント1回戦の第1戦、アーセナルvsバルセロナを観て以来、アーセナルにハマりはじめましたね。だからファン歴でいうと、大体9年くらいです。  当時ペップ・グアルディオラに率いられていたバルセロナは、パスサッカーでヨーロッパ中を席巻していた全盛期で、どう考えてもアーセナルの方が不利でした。そして前半のうちにダビド・ビジャに先制ゴールを決められて、完全にバルセロナの流れだったのですが、終盤にファン・ペルシのスーパーゴールとアンドレイ・アルシャビンのゴールで逆転勝ちしたんです。  その試合では、まだヨーロッパではそれほど名の知れていなかった19歳のジャック・ウィルシャーが、シャビやアンドレス・イニエスタら“世界最高の中盤”を手玉に取り、ハイプレスを次々といなしながらゲームメイクしていく様子が痛快でした。『下克上』とそれがあわさって、“世界に衝撃を与えた一戦”として強く記憶に残っていますね。  第2戦で3-1で敗れて結局敗退してしまったのですが、あの試合の異様な盛り上がりは今でも忘れられないです」 ●「『なんだこの選手は』と思った」 ――では最後に、一番、直近にアーセナルが好きになった田中さんのきっかけをおうかがいしてもよろしいでしょうか? 田中「僕はほかの皆さんと違って、サッカーやアーセナルを好きになるよりも前に、当時レアル・マドリーに所属していたメスト・エジルのファンになりました。それが全てのきっかけですね。線が細いのに、魔法のようなプレーを連発していて、すぐに『なんだこの選手は』と思いましたね。  そして数年後にエジルがアーセナルに移籍して、それがきっかけでアーセナルの試合を観るようになりました。  正直最初はエジル目当てにアーセナルのことを追いかけていたのですが、16/17シーズンのCL決勝トーナメント1回戦でアーセナルがバイエルン・ミュンヘン相手に2戦合計2-10でボロ負けして、そのとき初めてサッカーの試合を観ていて『悔しい』と感じて、そこからより応援に熱が入るようになりましたね。ファン歴でいうと、大体3年ほどです」 仲田「あの敗戦は悔しかったですよね…。1stレグを1-5で折り返したので、勝ち抜けが厳しいのはわかっていたのですが、前半の早い時間にウォルコットが先制して、『もしかしたら…』とわずかな希望を感じた後、最終的に2失点してトータルスコアで2-10でしたもんね…」 ●「負け試合をきっかけにファンであることに気づかされる」 ――一つ感じたのは、石谷さんも田中さんもそうですが、みなさんなぜ負け試合を観てアーセナルにどハマりするのでしょうか? 田中「自分でもなぜかはハッキリわかりませんが、負けていると『頑張れ…!』と思って応援したくなってしまうというか…」 石谷「あとは大幅に負けていても、『もしかしたら勝てるんじゃないか?』という気持ちにさせてくれる内容が良い時間帯がアーセナルには訪れるんですよ。まあ気のせいで終わることも多いのですが(笑)」 ――特に若い世代にそういうきっかけでアーセナルファンになる方が多い印象ですが、これは世代によって差はあるのでしょうか。樋口さんはいかがですか? 樋口「そうですね。僕らの世代は2003/04シーズンの無敗優勝も経験しましたし、本当に強かったので。そういう意味では今のアーセナルもなんだかんだ好きですが、『もう一度あの栄光がみたい』とどうしても思ってしまうんですよ。  ただ若い世代の気持ちもわかるというか。僕は池袋にあるバッカスという居酒屋の店長をしており、アーセナルファンを集めての飲み会や観戦会を開くことも多い関係で、若い世代のアーセナルファンと話す機会が結構あります。その度に感じるのですが、おそらく『負け試合をきっかけにファンになっている』のではなく、『負け試合をきっかけにファンであることに気づかされている』側面もあるのかなと思います。  先ほどみなさんがおっしゃっていたように、ファン・ペルシやエジルら魅力的な選手をきっかけになんとなくアーセナルのことを追いかけはじめる方は多いです。でもアーセナルって時々ショッキングな負け方をするじゃないですか。バイエルン戦の2-10とかもそうですけどね。  そのときにとてつもない悔しさを味わって『あ、自分はいつのまにかアーセナルというチームのことが好きになっていたんだ』と自覚するんじゃないかなと思います」 石谷「『見たことないからこそ見てみたい』という気持ちは少しありますね」 仲田「たしかに見てみたいですね。『プレミアリーグを優勝する』という経験は味わったことがないですし。本当にどんな感覚なのかわからないです」 樋口「最近は優勝争いすらできないんですけどね……(笑)」 (取材・文:内藤秀明) 【了】

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June 10, 2020 at 08:01AM
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