Judul : 汚染処理水処分方法、国民的議論になるか 福島第一原発 コロナに関心集まる中 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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汚染処理水処分方法、国民的議論になるか 福島第一原発 コロナに関心集まる中 - 毎日新聞 - 毎日新聞
政府は、東京電力福島第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む汚染処理水の処分方法について、関係者の意見を聞く3回目の会合を11日に開催し、観光や小売りの全国団体から見解を求める。福島県内の首長や関係団体代表を集めた1、2回目では、政府が優位性を強調する海洋放出を1人が条件付きで容認し、3人が大気放出も含めて放出自体に反対。他は大半が慎重な対応を求めた。新型コロナウイルス対策に国民の関心が集まるなか「国民的議論に発展するのか疑問」と懸念する声も上がっている。
4月6、13日に県内で開催された会合は、内堀雅雄知事や浜通りの13市町村長、県内の各種団体代表者ら計22人が出席した。
ほぼ全員が、この問題に関する国民への周知不足を指摘し、風評被害への懸念を表明。唯一、海洋放出案を容認した県旅館ホテル生活衛生同業組合の小井戸英典理事長も「処理期間中の消費の落ち込みは、風評被害ではなく故意の加害行為による損害」と補償を強く求めた。県商工会連合会の轡田倉治会長は「処理水の入ったタンクが残っている限り風評が続く」として、処分手法には言及せず、早期の放出を求めた。
放出自体への反対や、慎重に議論を重ねるための時間を確保するべく保管継続を求める声もあった。一方で、第1原発が立地し、町内に汚染処理水を抱えながら町の復興を進める大熊町の吉田淳町長は「タンクは早晩満杯になる」、双葉町の伊沢史朗町長は「一番の被害者は双葉郡の住民」と保管継続の考えにくぎを刺した。
政府への不信感も多く示された。原発敷地内でタンクを増設しても2022年夏には満杯になる見通し。処分方法の決定後、新たな装置の設置や原子力規制委員会の審査などに1～2年かかると見込まれている。こうした切迫した日程の中での会合開催や、これまで具体的な風評被害対策を提示していない政府に対して「スケジュールありき、結論ありき」などと批判が上がった。川内村の遠藤雄幸村長は、国民の関心が新型コロナウイルスに集中している中での会合開催を疑問視し「今後は配慮をお願いしたい」と注文した。
政府は今年2月、大気放出と海洋放出を「現実的な選択肢」とする提言を有識者小委から受けており、今後方針を決定する。会合の座長を務めた松本洋平副経済産業相は、会合の位置付けについて「まだ何も決まっていない」と、2回目の終了後も明確にしていない。一方で「どこかで一定の結論を得なければならない」とも話している。【高橋隆輔、渡部直樹】
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May 10, 2020 at 08:24AM
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