「ウィル・スミス事件」日本の議論に対する違和感 | 政策 - 東洋経済オンライン

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ウィル・スミスの暴力が黒人のイメージを悪化させる、という考えは正しいのか(写真:Ruth Fremson/The New York Times)

ウィル・スミスがクリス・ロックに平手打ちしたことが正当化されるかどうかという話は、私にとって問題ではない。結局のところ、答えは意見の分かれるところだからだ。

個人的には、たとえ冗談であっても、意図的であろうとなかろうと、人の外見を悪く言うと、その冗談によって誰かが怒る危険性がある、と考える。コメディアンなら誰でも知っていることだ。そして、いったん挑発されると、人は感情的になり、論理や常識、礼儀を無視してあらゆる行動(泣く、叫ぶ、物を投げる、殴る、など)をするようになる。

これは誰もがやってしまい、その代償を払ってきた経験があるだろう。悪いことをしたら、必ず罰を食らう。目立たないかもしれないし、すぐには起こらないかもしれないけれど、行動には必ず反応がある。

なぜウィル・スミスが「黒人代表」に?

ウィル・スミスは、今後何年にもわたって自分の行動による影響に悩まされることになるだろう。映画芸術科学アカデミー理事会から言い渡された10年間のアカデミー賞出場禁止処分は言うまでもなく、今回の件でスミスは何百万ドル、何百万人ものファン、そして生涯にわたって世間から向けられた好意のほとんどを失うことになると思う。

悲しいが、仕方がない。それがセレブの性である。世間は、人が栄えるのも、人が堕ちるところも見るのが好きだ。スミスはきっとまた復活するだろう。「いかなる困難にも屈せず、驚異的な弾力で、ウィル・スミスはキャリアを復活させ、その名を再創造した……」。ハリウッドは復活劇が大好きなものだ。ファンからも喜ばれる。

だから、先ほど述べたように、これは大きな問題ではない。

私にとって厄介なのは、あまりにも多くの人々が、ウィル・スミスの行動はすべての「黒人」に対する認識にマイナスの影響を及ぼしているという意見を持っていることだ。

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