どうしてあんな子と…男性は「自分より目立つ女性」が嫌いですか? - 読売新聞

08.27
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どうしてあんな子と…男性は「自分より目立つ女性」が嫌いですか? - 読売新聞

「男性は目立たない女性を好みますか?」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。交際していた男性に「好きな人ができた」と言われ、別れを受け入れたトピ主さん。しかし、男性とその彼女が街で一緒にいるところを偶然見かけたトピ主さんは、彼女に対し、40歳代でありながら“あまり知性を感じられない女子高生のような”幼い印象を持ちました。彼と同じ分野の研究者仲間として活躍しているトピ主さんはあぜんとし、モヤモヤした気持ちになったそうです。「男性は自分より目立つ女性は好まないのでしょうか?」と問いかけています。

好きな男性のために、キャリアを諦められる?

彼とは趣味も合い、互いの研究成果を認め合ってきた関係だったそうですね。のちの投稿には「恋人以上に研究仲間だった」「それがいとも簡単に消えてしまった」ことが信じられない、認めたくない、という記述も。正直悔しいし、憎しみや悲しみ、自分へのふがいなさが交錯している……等の心境もつづられています。

研究者仲間としても良い関係だった彼が、「研究とは全く無縁」の女性を選んだ。その事実にショックを受ける気持ちはよく分かります。最近はトピ主さんのほうが表に出るチャンスに恵まれていたことが、彼の気持ちが離れる原因になったのでは……とも感じているようですが、確かに「自分より活躍している女性には脅かされるように感じる、恋愛対象として見られなくなる」という男性の意見があるのは事実です。日本は特にそういった風潮が強い、という見方もあります。

いったん、彼が本当にそういう理由で別の女性を選んだ、と仮定します。もしも、「研究者として活躍する道を諦めれば、彼と復縁できる」としたら、トピ主さんはそれを選びますか? YESならば、今後は“パートナーが好む女性”であるために、キャリアに制限を設けることが有効かもしれません。

一方でNO、つまり、研究者としての道を妥協したくないのならば、自分らしく生きるのみ!です。「自分より活躍している女性は恋愛対象外」という男性とは、つらくても悔しくても「自分には合わない相手だ」と判断する。その上で、“研究者として頑張っている自分”を好いてくれ、またトピ主さんもその好意をうれしく思えるようなパートナーを探していくのが最良のように思います。異性の好みは千差万別。華やかな女性、たくましく活躍する女性に憧れを抱く男性も、ちゃんと存在します。

「同業者カップル」に起こりやすい、すれ違いとは

今後のために教訓を得るならば、「男女関係において、パートナーに求めているものがお互いに同じとは限らない」という点は心得ておくといいかもしれません。トピ主さんは彼のことを「恋人以上に研究仲間だった」と感じていたようですが、彼にとっては「好きになった女性が、たまたま研究者仲間だった」だけの可能性も。「『同じ分野で頑張っていこう!』と言っていたのは彼のほう」とのことですが、交際初期は「好きな女性と共通項があること」がうれしくて、そう言っていたのかもしれません。

同僚や同業者のカップルの場合、“線引き”を設けておかないと、安らげない関係に陥りやすいのは確かです。仕事の成果やモチベーションには必ずアップダウンがあり、真剣に取り組んでいる人ほど繊細な悩みにもつながりやすくなります。不調なときにプライベートで息が抜けないと、別の世界の空気をもたらしてくれる相手にひかれてしまう……ということも起こりやすいです。

そうならないために、最初から「プライベートでは仕事の話をしない」というルールを作っておくか、「直接的な協働はしない」「それぞれの趣味や友人も大事にし、定期的に二人の間に仕事以外の空気を取り込む」等の心がけをしておくのが、良好な関係を維持するためのテクニックかと思います。

一方的にではなく、「サポートし合える関係」を目指そう

また、いろいろなケースを見ていると、うまくいっている同業種カップルには「片方だけが、一方的にサポートをすることはない」という共通項があるようにも感じます。あるときは片方がサポート側に回り、あるときはその立場が逆になる。恣意しい的に「頼っているように見せるべき」という類いの話ではなく、男女問わず、「相手の役に立てる」ということは、自信を持って相手を愛するために必要なことなのかもしれません。

投稿には、持病持ちの彼が入退院を繰り返すなかで、資料を届けたり、入院中の身の回りの世話をしたりしていた……という記述も。もしかしたら最近は、「トピ主さんだけが彼をサポートする」関係になっていたのではないでしょうか。そうであれば、彼のほうも「好きな女性のサポートがしたいけど、できていない」という状況のなかで無力感を募らせ、気持ちが離れてしまった可能性があります。彼も弱っている時期だからこそ、誰かの役に立つことで自信を得たかったのかもしれません。

もし、この可能性を感じるのであれば、今後パートナーができたときには、「相手のお陰で助かっていること、相手がいるから安心して輝けていること」を積極的に伝え、支え合いのバランスを取ってみるのがお勧めです。「“目立つ女性”にだってサポートが必要なんだ。あなたのサポートがあるから頑張れるんだ」ということをしっかり相手と共有できるならば、きっと今回の彼とは違う展望が望めると思います。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「男性は目立たない女性を好みますか?」 

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)

 女性誌の編集を経て、フリーランスに。主に対人関係、恋愛心理、コミュニケーションに関する記事や、エンタメ・カルチャーの紹介コラムを担当。芸能人から一般企業の方まで、例年100人前後のインタビューを実施。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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