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ホンダ新型「シビック TYPE R」鈴鹿サーキット初走行 先代モデルと一緒に走って見えた進化のポイント - Car Watch
comot.prelol.com鈴鹿サーキットでどんなポテンシャルを見せてくれるのか
さて、そんな新生シビック TYPE Rをいよいよ鈴鹿サーキットで走らせる。今回は残念ながら先導車つきという環境ではあるが、先導ドライバーは国内最高峰の自動車レースSUPER GTのGT300クラスにホンダのNSX GT3で参戦している武藤英紀選手で、乗るのは先代のリミテッドエディション。これは間近で新旧比較ができそうだ。
停止時でないとスタビリティコントロールのVSAがフル解除できないということで、走行前に「+Rモード」を選択してVSAボタンを5秒長押ししてフル解除完了。さらに、GPSと連動してサーキットに来るとスピードリミッターが解除できるというボタンも押してもらい、いよいよコースインする。
まずは完熟走行で1周走るが、ピットアウトした時点でかなり爽快な乗り味であることが理解できた。エンジンが軽やかに吹け上がり、それと同時にエキゾーストノートも室内のサウンドコントロールも豊かに反応。「たしかターボ、だったんだよな?」そんなことさえ頭に浮かんできてしまうほどなのだ。
また、+Rモード時のメーター演出もなかなかで、S2000を思い出すようなグラフィックが泣かせるし、レブリミット近くになると光と音によるワーニングが行なわれ、それもまた気分が高まる。さらに、少しステアしただけでクルマ全体が間髪入れずにリニアに応答する様や、剛性感あるシフトの感触もたまらなく心地良い。さほど飛ばさずに感動できるなら、きっと公道で乗ったとしても楽しいだろう。
車両&コースチェックが完了して全てを開放すれば、とにかく安定感ある走りが驚きだった。危うい動きは皆無といっていいほどで、ハイスピードからのフル制動であってもリアがナーバスになるようなことはない。その一方で前を走る旧型は常に同じ状況でテールがフラついていることがうかがえるのだ(動画だとよく分かる)。
あれがクルマの向きを変えるきっかけになっているのだろうが、新型はそんな危うさもなく、けれどもしっかりとクルマの向きが変わっていく。安定感高く、それでいて曲がる絶妙なセットだったのだ。おかげでラインの自由度は旧型より遥かに高く、どこからでも抜きにかかれそうな雰囲気がある。
2度目の走行では先導車との距離を10車身ほど開けてからシケインを通過。そこから全開で追いかけてみることに。シケイン出口の少しステアリングを切った状態からのトラクションが優れており、パワーアップもしっかりと使い切れる雰囲気にまずは感心。
その後はS字区間でみるみる差をつめ、ダンロップコーナーを駆け上がる頃には旧型の背後につけるほどだったのだ。コーナリングスピードも高いし、曲がりながら脱出するような時のトラクションが何より向上。上り区間におけるトルクもなかなかだ。
また、その後のデグナー進入などでリアが安定しているところも扱いやすい。縁石に乗った時の安定感も高い。ただ、荒れた路面や高めの縁石に乗り上げると、リアが跳ねるところは気になった。
それと、走る場所によっては、+Rモード以外を選びたくなるシチュエーションも出てくるだろうが、+R以外を選ぶとVSAはフル解除できないというジレンマに陥る。そのあたりの組み合わせにもう少し自由度が欲しいところ。
試乗当日はまだまだ暑い環境だったのだが、熱ダレによるフェールセーフなども介入しなかったこと。ブレーキも旧型初期のようにすぐにジャダーが発生するようなことがなかったところは進化した部分だろう。フロントバンパーの開口部をはじめ、あらゆる対策を行なったことが効いている。これならサーキットを存分に楽しめるだろう。
ここまでの進化がありつつ、価格はリミテッドエディションのおよそ50万円安とは恐れ入る。コンフォートモードを選べば乗り心地はよく、静かにだって変身できるというオールマイティさも魅力の1つ。これならファミリーカーとしての立ち振る舞いもできそうだ。サーキット特化と思いきや、実はストリートでもなかなかの走りを展開しそうな新型は、かなり買いの1台だ。納期2年とも3年ともいわれているようだが、気になる方はとりあえず注文しておいたほうがいいと思う。
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October 11, 2022 at 05:10AM
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